発達障害当事者がハローワーク求人で就職するために知っておくべきノウハウ

Kaienマンスリーレポート(2016年10月)
HOMEスタッフブログ発達障害当事者がハローワーク求人で就職するために知っておくべきノウハウ

就労移行支援事業所Kaien横浜の大野です。

毎月、発達障害*に特化した就労移行支援事業を行っているKaienご利用者の就職実績を定期発信している、「Kaienマンスリーレポート」。今回も最新の就職実績をお伝えします。

10月の就職者数は13名、うち月給20万円を超えた方が4名

10月のKaien就労移行支援6事業所全体での就職実績は13名でした。就職された13名の皆さまおめでとうございます!

10月の実績で、気付いたことは2点あります。

ひとつは、月収について。月収が20万円を超える就職をされた方が13名中、4名もいました。面接や実習を通してその方の能力や経験を適正に評価して、待遇を決めてくれる企業が少しずつ増えてきていることを肌身に感じ、大変うれしく思います。

ふたつめは、求人媒体についてです。

ここ1年は、発達障害に特化したKaien独自開拓求人を通じての就職をするご利用者が多く、毎月平均して6割~7割の方がKaien経由の就職でした。しかし10月はその割合が逆転していて、13名中7名と半数を超える方々がハローワークなどの外部のリソースを活用しての就職となっていました。

ハローワーク経由の就職は今がチャンス!

下記のグラフは過去2年間のハローワーク経由で就職をしている方の、月別実績集計グラフです。

graph

年間を通じてみると年間で最も採用が多いのは4月、次いで12月の入社が多いようです。

集計は「入社日」をカウントしています。ピークとなっている4月に入社している人も、実際に面接などを経て内定通知があるのは1月~3月頃です。それを考えるとハローワーク経由の就職活動は、春・夏に比べて、秋・冬の方がより内定につながりやすいということが言えそうです。

現在就職活動中の方はちょうど今からの時期が内定を勝ち取るチャンスです!

ハローワークの求人情報を上手に使うためには

ハローワーク求人の魅力は情報量の多さです。とはいえ情報量が多いからこそ、発達障害の特性上の問題から、ハローワークの求人を上手に活用することが困難だと感じる方が多いようです。

ハローワークに寄せられる求人数は膨大です。ハローワークインターネットサービスによると今日時点で障害者枠の求人数は13,034件、一般求人に至ってはなんと100万件を超えます。この膨大な求人から自分の条件に合う求人票を効率よく見つけ出すためには、「優先順位付け」や「想像力を働かす」など、発達障害の方が苦手とする要素が求められます。

また、求人票を企業が作成する際には男女雇用機会均等法や雇用対策法など法律による制約があるために、「企業が求める人物像」をオブラートに包んで表現していることが良くあります。そのような就職活動における「暗黙の了解」を把握できず、なかなか内定などの成果に結びつかない様子をよく目にすることがあります。

求人を選ぶ際には、自分の希望を叶えることと、企業が求めている人物像に適合すること。その両面の視点が必要です。やみくもに応募してもなかなか結果には結び付きません。

たくさんの求人情報から、自分の視点と企業の視点のバランスを取りつつ、効率よく上手に取捨選択するためのコツをつかむ必要があるのです。

Kaien式 「発達障害に特化した就活講座」

Kaienでは毎週金曜日に、「就活講座」を実施しています。

そもそも発達障害の方にとって就職活動は、「段取り」や「同時並行」が求められる、ことさら苦手が出やすいライフイベントです。そんな就職活動を乗り切るために、発達障害に特化した様々な就活ノウハウをお伝えしているのが、Kaien式「発達障害に特化した就活講座」です。

minaguchi

先週金曜日に実施した就活講座は「ハローワーク求人の探し方」。講座の中では実践的に求人検索をしながら自分の希望を反映した求人を見つけるコツや、求人票に秘められた「暗黙の了解」の読み解き方をお伝えしました。講座を受けた何名かが、さっそく応募したい求人が講座中に見つけることができたようで、「早速、訓練終了後にハローワークに紹介状をもらいに行きます!」と言っていた方もいらっしゃいました。

それ以外にも、「穴埋め式志望動機の書き方」や「就活スケジュール管理ゲーム」など、たくさんの就活講座を実施してきました。いずれも楽しみながら、効率よく、わかりやすく、就活ノウハウをお伝えすることにこだわって作っているKaienオリジナルのプログラムです。

今後も、発達障害の方が希望に沿った就職を実現するため、良質なプログラムを作成していきたいと思っています。

Kaienの就労移行支援の具体的な内容は、Kaienご利用説明会にて詳しくお伝えしています。ご興味ある方は是非一度ご利用説明会にご参加ください。

関連ページ

  • 発達障害に特化した就労移行支援の利用説明会お申込みは こちら
  • 発達障害に特化した就労移行支援ブログラムの内容は こちら
  • 2015年就労移行支援の就職・定着実績は こちら

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます