在職者向けのキスド会(土曜夕方に秋葉原と新宿で開催している、発達障害のある在職者向けのしゃべり場)での会話を皆さんの承諾をもとに記事にしています。今回は「働く意義、稼ぐ意味」について議論しました。
目次
将来結婚もしなさそう お金を貯める意味って?
Aさん) お金って使うためにあるわけじゃないですか、最終的に。使う目的がない中で、何で何百もお金を稼ぐ必要があるのかなってなったり、お金を稼ぐために働かなきゃいけないのかなっていうのが、全然最近わからなくて。自分には将来結婚とか、そういうライフステージがあるのかも微妙な人生の中、それを狙っていく必要があるのかなと。もっと給料のランクを下げて、ゆったりと仕事やった方が良いのかな?とか。
スタッフ) なるほど。お金と働きがいの話ですね。
Bさん) 働く理由は生計を賄うためにやっていますよね、基本的には。
スタッフ) 働かなければ食うべからず、みたいな感じの考え方ですね。
Bさん) まあそういうことです。家庭があれば自分の息子や娘を養っていかなければならないということに繋がるんだと思います。で、貯金することについてなんですけれども、欲しいものがあるとか旅行したいとか、いくつか楽しみがある人はそれに使えば良いと思いますが、何か万が一のことが起こった時のために貯金するっていうのも大事だと私いつも思うんですよ。
スタッフ) 将来の備えの為。でもあるということですね。
Cさん) 私の考えもいいですか? 私がお金を貯める意義っていうのは三つあって、一つは保険です。万が一、事故とかあったり病気になった時とか、万が一の時の為の保険。お金なかったら病院行けなかったりするじゃないですか。なので保険が一つ目。あとはお金が貯まっていることによって視野が広がる。「もっとこれ出来るこれ出来る」てのが、お金があることによって出来ることもあると思うので、視野を広げるために蓄えは必要かな。あとは究極なんですけれど、あって損は無い。お金はあるに越したことは無いので、それが一番大事かなとは思っています。
スタッフ) 他はどうですか? お金と働きがいについて。はいどうぞ。
将来のビジョンは持つには?お金やキャリアへの教育が足りないのでは?
Dさん) 今お話にあった「将来のビジョンが持てないから」っていう事だったんですけど、まずその点が一番問題かな。
Aさん) はい。
Dさん) 今現在上手くいってらっしゃるかと思うんですけど、将来にわたってそれが上手くいく保証はあるかどうか。あるかもしれませんけど、必ずしもっていうのは言えないと思います。
Aさん) ずっと続くか、とかってことですか?
Dさん) そうですね、継続して。これからどんどんキャリアアップして給料も上がっていく。っていうこともあるかもしれませんけど、何があるか分かりませんから。なんらかの理由で働けなくなったりとかっていうことも考えられますし、今の日本社会の現状においても、年金とかどんどん受給資格が厳しくなっていって。団塊の世代までは会社に頼って、会社に所属していれば将来安泰みたいな感じがありました。働いているうちは会社に給料安定してもらえるし、会社を辞めたら年金がもらえるし、それでお金の心配はいらないっていうような時代がありました。
けど、今の時代は国の方針としてもう従業員の雇用は昔のようには保証されてませんっていう時代です。年金ももらえるかどうかも保証されていない。だから、今まで国に頼ってた資産に関するところは全て自分でやっていかなきゃいけない時代になっています。そういう時代になっているんですけど、日本の教育制度は変わってなくて、お金に関する知識とかっていうのは一切、日本の教育では教えていないです。なので、お金が何で必要なのかとか、お金がどれだけ重要なのか、どういう風にしていかなきゃいけないのか、そういうのはまず知らないって言うのが問題で、その知らないことによって将来のビジョンも持てないし、どうしたらいいのか訳が分からないっていう状態だと個人的には思います。
なので、まずはお金が何故重要なのか、その点を、マネーリテラシーとか身につけることを一番の目標にした方がいいのかなと個人的には思ってます。
スタッフ) なるほどですね。他の方も手が上がっていますね。
Eさん) 私はどちらかと言うと好きなものを買いたい、好きなことをやりたい、っていうところでお金を貯めることが多いです。結果的にプラマイゼロになるんですけど、結局貯蓄はあまり得意ではないです。ただ、やっぱ自分の好きなもの、本だったり小説だったり、去年の年末もガッツリ貯めていた分を使いに行ってきまして。一番単純に考えるんだったら、とりあえずそこから考えてみた方がいいのかなとは思います。で、お金を貯める、自分の好きなことのためとか、これが欲しいから。今も自分すごくタブレット欲しいって思ってるけど、結局お金もらえる訳じゃないから、ちょっと我慢して、お金がちゃんと貯めれるようになったら、ちゃんとそれはお金を貯めて買う。やっぱそのためにお金を使うというとこからまず始めてみるのもいいんじゃないかなと、多分それが一番単純かなと思います。
人を愛するために働いている人もいる
Fさん) 私はお金を貯めるために働いてるのではないので、人を愛するために働いているので、人に優しく接してなんぼだと思っているので、職場で人に優しく接して、優しく接すればする程、結果的にお金は貯まっていくという考え方なので、お金を貯めるために働いているのではなく、人を愛するために働いているので、優しさを示せば示す程仕事は舞い込んでくるというか、業務が増えてくるんですね。人に優しく接してなんぼだと思ってますので、そこで働く動機が違うからなっていう感じです。
Bさん) なるほど。お金が入ってくる、入ってこないっていうのは、まあ副次的というような感じでしょうか。
Fさん) そうですね。人を愛するために働いている。結果的にお金が入ってくる。まずは目的は人を愛するために働いている。
スタッフ) その原点はどこにあるんです?
Fさん) キリスト教です。
Gさん) キリスト教の労働観を僕は初めて聞いて、雷のように打たれました。
〈笑い声〉
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監修者コメント
お金というのは不思議なものですよね。どういう風に理解し、どう付き合っていけばいいのか、ひとりひとり、これほどまで答えが違うものはないでしょう。
他人と比較するのではなく、自分のためにお金と向き合うことが大事だと思います。将来に備えてお金を溜めたり、好きなものを買ったり、お金をもらうことで自分の頑張りを評価してもらったり…。
お金について考えていくと、自己理解も深まりそうですね。病院やクリニックでも医師やカウンセラーとの話題に上げてみると良いかも知れません。
監修 : 益田 裕介 (医師)
防衛医大卒。防衛医大病院、自衛隊中央病院、自衛隊仙台病院(復職センター兼務)、埼玉県立精神神経医療センター、薫風会山田病院などを経て、早稲田メンタルクリニック 院長。精神保健指定医、精神科専門医・指導医 精神分析学会所属
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