さきほど見終わりました。
当社のKaien秋葉原サテライトから始まり、6年前からお付き合いのある、グリービジネスオペレーションズ社と、サザビーリーグHR社の人たちが出ていて、申し訳ないほどKaienだらけだな…と思う登場人物たちではありました。楽しそうに働いているなぁと感慨深かったのが一つ。
一方で先に書いた投稿(NHKのクロ現で5年ぶりに「発達障害*×就労問題」が取り上げられます)で期待した部分はかすかに感じる程度の編集だったと思います。もう少し見ごたえがあるかなぁと予想していたのですが…。
私もNHK職員の端くれだったので編集上、こうなってしまう(未来・希望が感じられるようにする)のは致し方ない部分だったとは思います。ただもう少し、発達障害の多様性や、それを理解することで、語弊を恐れずに言うと何の取り柄もないと思っていた人が、ささやかながらも企業の戦力になっていく、というところがもう少しクローズアップしてもらえると良かったなぁという感想を持ちました。
グリーさんとかサザビーリーグさんに行くのはやっぱり「仕事が出来る部分を探しやすい発達障害の人」なのですよね。もちろんこういう人たちにどんどん活躍してもらうのもとても大事です。鄧小平ではないですが、まず活躍できる人から活躍していくことで、裾野にまで広がる可能性がありますので。加えて、「え、この有名人が発達障害!?」「この異才が発達障害」という事例もどんどん出てきてそういうのも発信して欲しいと思っていますし、個人的にも可能な限りお手伝いしたいと思っています。発達障害が世界を席巻する!的なノリですね。
でも、前回のクロ現から5年経ち、そういった(出来る人たちへの)光は十分に当たっているのが発達障害なので(ですからサザビーリーグHRでも「急速に採用に苦労し始めた」という趣旨をインタビューでおっしゃっていたはずなので)、そこの光にまだ当たれていない人をどうするかを、もう少し丁寧に取り上げてほしかったなぁと。もちろん番組の前半部分でそういったことを言いたいのかなぁという部分もあったのですが、旧来の職場実習と職業訓練しか無かったので、個人的にはちょっと物足りなかったというわけですね。
私の中だと「合理的配慮」や「セルフアドボカシー」、そして支援者の「専門的アセスメント」が、光があたっていない人たちに光を当てるためのこれからの鍵になるのかなぁと思っていたのですが…。時代遅れと思われたのか、難しすぎると思われたのか…。
いずれにせよ、NHKの発達障害”まつり”は本日で終了です。取り上げていただいてありがとうございました。
追記:番組ウェブサイト『企業が注目!発達障害 能力引き出す職場改革』
文責: 鈴木慶太 ㈱Kaien代表取締役
長男の診断を機に発達障害に特化した就労支援企業Kaienを2009年に起業。放課後等デイサービス TEENS、大学生向けの就活サークル ガクプロ、就労移行支援 Kaien の立ち上げを通じて、これまで1,000人以上の発達障害の人たちの就職支援に現場で携わる。日本精神神経学会・日本LD学会等への登壇や『月刊精神科』、『臨床心理学』、『労働の科学』等の専門誌への寄稿多数。文科省の第1・2回障害のある学生の修学支援に関する検討会委員。著書に『親子で理解する発達障害 進学・就労準備のススメ』(河出書房新社)、『発達障害の子のためのハローワーク』(合同出版)、『知ってラクになる! 発達障害の悩みにこたえる本』(大和書房)。東京大学経済学部卒・ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院修了(MBA) 。 代表メッセージ ・ メディア掲載歴・社長ブログ一覧
*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます