夜更かしをやめるには? 無理なく続けるコツ

発達障害の人の視点で議論してもらいました ~キスド会 2019年7月 開催報告~
HOME大人の発達障害Q&A生活・考え方夜更かしをやめるには? 無理なく続けるコツ

奇数週土曜日開催の在職者向けの当事者会「キスド会」では、様々なお悩みが寄せられており、そのお悩みにスタッフや参加者が知恵を寄せ合って答えていきます。発達障害の傾向があるからこそ生まれるお悩み。今回は「生活習慣を見直しても、また元に戻ってしまう」というお悩みをお送りします。

自分で決めたことを続けるにはどうすればいい?

Aさん) 自分で決めたルールを長く守り続けるための心がけについて、皆さんに聞きたいです。今の職場に入ってから、何か取り組むことがあれば普段の生活の中でできるように努めたいと考えるようになってきたんですよ。ところが、例えば一つの課題として夜11時以降はスマホを禁止する事を決めたのです。最初はうまくいったのですけど、そのうちに誘惑に負けてしまって、また時間を忘れてスマホに没頭してしまうんですよね。

Bさん) 例えば、スマホを使わない環境にすることはできないんですか? ガラケーに戻すとか。

Aさん) それは難しいです。インターネットで調べものをすることが多いし、TwitterとかSNSを使っているので連絡を取れなくなってしまって。

Bさん) ちょっと失礼かもしれないけど、それって、例えば中毒みたいになっているとか、そんな感じなんですか?

Aさん) そうですね。ネット依存症になってて。

Bさん) だとしたら、ドクターに相談された方がいいような気がします。

Aさん) お医者さんかぁ……。

Cさん) 本に書いてあったのですが、「絶対やらなければならない」と思ってしまうと3日坊主に終わってしまうそうです。もう無理と思ってしまうとそこであきらめてしまう人が多いようで。ある程度失敗しても、自分を責めないことが大切ということでしょうか。自分の場合はあまりにも自責的になるとメンタルが崩れて仕事に支障が出るかもしれないので、そうならないように心がけていました。

Bさん) 個人的に考えていることは、自分が取り組もうとしていることを紙などに書き出して、それに沿ってやるといいのかなと思います。書いたからといってすぐにその通り行動できるわけではないですが、まずは慣れ。失敗したり忘れてしまったりしても、書いておけば意識は向けられるのではないかな、と思いますね。

Dさん) 目につくところに「これをやるぞ!」とメモを貼ること、私も今やっています。受験の時も、「〇〇大学に受かるぞ!」と書いておいたら気合が入りました。たまたま決まりを破ってしまっても、目に入れば自然に「やばい!」と感じるので自制が効きます。

一喜一憂せず、毎日記録して振り返る

Eさん) 私も本で読んだのですが、まず1つはお気に入りのシールを100均で買って、1日できたらそれを1枚貼る。20個溜まったら、自分にご褒美っていう方法。他に、例えばスマホから離れたいならただ禁止とするのでなく、代わりに本を読むなどすると気持ちを切り替えやすいということも書いてありました。

Fさん) 実は私も寝る前についTwitterを見てしまう癖があるんです。大分時間を浪費しているなと感じていて。なので、朝なら通勤前は時間が限られているので、朝、10分ほど時間を作って、その時にだけ見る。夜は見ない。そう決めています。私は自分ルールを作ると、結構それは守るタイプなので、そういう自分の特性に絡めて実行できるようにするといいと思います。

Bさん) 時間を区切るためにアラーム設定などをしているのですか?

Fさん) していません。

Aさん) 僕の場合はスマホを触ってしまうとついつい決めたことを忘れてしまって、自分に甘くなってしまうんですよね……。

Fさん) そしたらさっき、ご褒美シールのお話があったんですけど、例えば夜ふかししてしまった日はカレンダーにバッテンをつけてみたらどうですか。何日自分失敗したかわかりますよ。

Aさん) あとで反省できそうです。

Fさん) 「1回しか出来なかったからもう出来ないんだ自分は」と思うのではなくて「今日失敗したから明日やればいいや」くらいに気楽に取り組みつつ、失敗した日を目で見て気を付けようと思う。失敗した日が少なかったら、「自分意外とやれてるじゃん!」と思えてモチベーションが上がります。

Aさん) 振り返っていくことができそうですね。その方法を今日からやってみようかと思います。ありがとうございます。

スマホ依存から脱出するには朝活!?

Dさん) 「11時前に寝るってこんなに価値があるのか」ということをちょっと調べてみるというのも手かもしれません。皆さんは知らないかもしれませんが、昔は受験のとき「四当五落」と言って、「4時間睡眠で勉強したら受かるけど、5時間睡眠した人は落第、合格しない」なんて、睡眠時間を削ることに価値をおく時代が日本にはあった。でも最近は、11時より前に寝て健康的な生活を送ることが良いという風に変わってきていますよね。

Aさん) そうなんですか。初めて聞きました。

Dさん) 私も実感したのですが、東京にいた頃は朝食もとらずに家を出ていたんですよ。今は地方に住んでいますが、当時と比べて通勤時間がすごく短くなりました。夜遊び歩くこともないので朝も早く起きるようになり、通勤前は30~40分くらいずっと読書をしています。生活のリズムが整っているなという実感があります。

Eさん) 女性の間では、美容の関係で午後10時から午前2時まではシンデレラタイムだから絶対に寝なさい、体の疲れも取れるし栄養もちゃんと吸収されるし……なんて言われた時代もありました。

Cさん) ざっくり7時間ぐらいは寝るべきらしいです。自分はできていないけれど……。初めて聞いたときは「小学生か」なんて思いましたけれど、大人でもそのほうが良いという情報が増えつつあります。

Bさん) SNSに費やす時間をあらかじめスケジュールに入れておくなら、今より1時間早く寝て5時や6時に起きて、今11時から12時にある1時間分を朝に移すという手もありますよね。やりたいことの時間をちゃんと確保しつつ、ともかく早く寝るのもあり。

Eさん) そういえば、夜の11時以降でもつい見てしまうサイトって、どんなものですか?

Aさん) YouTubeで、ゲームの実況動画などをつい見てしまいます……。

Eさん) Youtubeでゲームの動画でどうしても観たいなら曜日を決めると良いんじゃないでしょうか。何曜日はライブ配信のために使うって決めて、他の曜日はなるべく早く寝るようにすれば、仕事に支障をきたすことは少ないと思います。

Aさん) 実況中継って録画なので、生放送ではないです。

Eさん) あ、ライブ配信じゃないんですね。だったら朝観た方が良さそう。

Aさん) 朝ってどうしたら早く起きれるんですか?

Bさん) 早く寝て早く起きる。

Aさん) 答えが出ちゃってる(苦笑)

Dさん) 睡眠時間は1.5時間の倍数が1番いいと聞いています。私の場合は6時間寝るようにしているので、12時には寝ています。今はですけどね、東京に住んでいた頃はめちゃくちゃな生活を送っていましたけれど。睡眠の話も、本屋に行けばちゃんとドクターの方が書いているものがありますし、Youtubeにも参考になる動画が結構あります。


監修者コメント

発達障害の人で、睡眠に苦労している人はたくさんいます。生活習慣を直すだけではうまくいかず、睡眠薬を使ったり、様々な手を打ちますが、うまくいかない人も珍しくありません。

睡眠障害の程度は、同じ発達障害の診断でも、人によって様々ですし、年齢や時期によっても違いますし、薬のあうあわないもあります。治療をしていても、本当に難しいポイントです。いずれにせよ自助努力だけではなく受診も含めて上手に支援を頼ってください。


監修 : 益田 裕介 (医師)

まずはお気軽に!見学・個別相談会へ!

見学したい・相談したい

予約専用ダイヤル 平日10~17時

東京: 03-5823-4960 神奈川: 045-594-7079 埼玉: 050-2018-2725 千葉: 050-2018-7832 大阪: 06-6147-6189