本日は「職場の発達障害 ゲームで学ぶ体験型研修 8/28(水)秋葉原で先行開催 」というイベントを行いました。その場で参加した方から聞いたのが…中央官庁が6・1報告をしたとのこと。なんと!!
まず前提知識を。障害者雇用率というのは、実は6月1日時点の雇用率がカウントされます。(違う言い方をすると他の時期に雇用しているかどうかはあまり関係なく、6月1日時点の雇用者数が重要なんです。)6月1日時点の雇用率の報告ということで6・1報告(ロクイチ報告)と呼ばれています。
で、それらを集計する作業が半年ぐらいかかるので、通常毎年12月に6・1報告の結果が発表されます。それが今年は中央官庁については今日(つまり3ヶ月未満)で発表されたということなのです。やればできるじゃないか…という感じでしょうか。
さて、その内容ですが、「国の障害者雇用率2.31% 4割で基準未達、19年6月時点」 の記事にあるように、未達の機関が4割もあったということです。違う見方をすると6割は急激に雇用者を増やしたということになります。
実は当社からもこの上げ潮に合わせる形で多くの修了生が行政に雇われ始めました。就労移行支援ダイレクトで就職を果たす方もいますが、就労移行支援の後、一度他の企業に勤めていた「障害者枠のエリート」的な人がこの機に行政に雇用される例が、特に正規職員の枠では多かったなぁという印象です。(民間企業から「新手の民業圧迫」と影で言われています…)
障害者雇用というのは、個人的には達成していないものが悪、達成したら善、というものでもなく、そこで働く人達が、また周囲で働く人達が、どのような意義を感じられるか、必要とされているか、戦力になっているかが大きいと思っています。が、中央官庁の関係者から漏れ聞こえるところを総合すると、まだまだそうした状況にはなっていないなぁという印象です。(だからこそ我田引水的には、冒頭の体験型研修などがお勧めなのですが!!)
水増し問題という、日本の行政に対する超がっかり感、から火が着いた本問題ですが、せっかくメディアも追ってくれていますので、まともな挑戦を各所で進めてほしいところですし、当社もしっかり絡んでいきたいと思っています。
文責: 鈴木慶太 ㈱Kaien代表取締役
長男の診断を機に発達障害に特化した就労支援企業Kaienを2009年に起業。放課後等デイサービス TEENS、大学生向けの就活サークル ガクプロ、就労移行支援 Kaien の立ち上げを通じて、これまで1,000人以上の発達障害の人たちの就職支援に現場で携わる。日本精神神経学会・日本LD学会等への登壇や『月刊精神科』、『臨床心理学』、『労働の科学』等の専門誌への寄稿多数。文科省の第1・2回障害のある学生の修学支援に関する検討会委員。著書に『親子で理解する発達障害 進学・就労準備のススメ』(河出書房新社)、『発達障害の子のためのハローワーク』(合同出版)、『知ってラクになる! 発達障害の悩みにこたえる本』(大和書房)。東京大学経済学部卒・ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院修了(MBA) 。 代表メッセージ ・ メディア掲載歴・社長ブログ一覧