Kaien社長の鈴木です。
当社では、科学的に柔軟に臨機応変に現場対応しながら、今回の危機を活かし次のステージのサービスを作り出すことを目標に、コロナウイルス予防を行っています。(コロナウイルス関連の過去投稿はこちら)
就労移行などの在宅利用
就労移行支援や相談支援について。今日までに東京都以外の認可自治体からは、柔軟に在宅訓練を認めてよい、という通達を頂きましたので、明日から対応を始めます。もともと創業当初から、当社の教材はほとんどがクラウド上にあり、またZoomやSlack、Gmailのチャット機能などでいつでも在宅利用ができる基礎がありましたので、迅速に対応できています。
朝のラッシュを避け「午後のみ」の開所
それでも大多数の方は来所を希望されたり、面接などのために企業に赴いたりしています。感染リスクを減らすため、3月は午後のみの開所として、特に都市部の朝のラッシュアワーを避ける措置を取ることになりました。
チェックイン時に検温・咳などの症状・睡眠時間
当社の利用者も訪問者もスタッフも、朝の検温で37度以上はNG。そのほか咳などの症状もNG。加えてNG項目ではないですが睡眠時間も確認し記載してもらっています。(睡眠時間については健やかな心と体を維持するためです。もろもろの情報を勘案すると、すでに都内・府内でウイルスを保有している人は相当数になっている可能性があり、その場合は数週間や1・2か月の隔離でやり過ごせる類の状況では残念ながらなく、各自が免疫を上げて行動することが現実的だと考えているからです。)
各種イベントの中止
その他、当社のもろもろのイベントを3月末まで中止しています。リスクが大きすぎるので政府の要請に応えたというよりも、上記の対応をスタッフが行うため、マンパワーを確保するためという面が強いです。
なお、Kaien365という発達障害の人を新たな形(オープンチャレンジ=一般枠オープン、ITなどの専門職、超短時間労働、テレワークなど)で採用してもらおう取り組みもいったん休止させていただいています。これも今は変化に対応するところに力を注ぐためです。メールなどで企業に新たな求人を提案する活動の下準備はこういう機会だからこそしていきたいと思っています。
ほぼ通常通り
ガクプロやペアトレなど、ラッシュとは時間がずれていたり、オンラインでの講座がメインのサービスは、予定通りの運営となっています。
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最後に徒然と…
人類は、これまでも様々な感染症に囲まれて過ごしてきましたし、これからもそうなのだと考えています。感染症の専門家によると、恐れるべき感染症は他にたくさんあり、今回のコロナウイルスへの対策だけで安全になるわけではないと思います。利用者にとっても社員にとっても、日ごろ意識しない様々なリスクの中で暮らしていることを突き付けられているのが今だと思いますし、そういう中でも現実的な暮らしを続けることが長く安定して働く上では必要だ、と学ぶ機会でもあると思います。
当社は65歳以上の社員も多く、リスクありといわれる関係者がいるわけですので、できる対応は取り続けることが必要ですし、日々日々更新される情報をもとに対応もアップデイトしていく必要を感じています。しかし、必要以上に悲観に考えたり、パニックになったりせずに、一日でも早く就職を決めたいという今までと変わらぬ声を無視せぬように、冷静に運営を続けていく予定です。
今はウイルスよりも人々のパニックが怖く、それで採用計画が無くなったり、先を読むのが苦手で不安が募りやすい発達障害のタイプの人が必要以上に不安定になったりするのが心配です。徐々に非常事態に日常感が出てきたり、自粛疲れも出てきたりで、数週間たつと状況も変わりそうですが、まずは世間のパニックや悪感情が収まってほしいなというのが一番の願いです。
不幸中の幸いというか在宅訓練という福祉の中では岩盤規制的な要素も柔軟に対応してもらえる部分も出てきています。気候変動やIT・AIの進化などで変わっていく21世紀の働く形を混乱の中でも見据えていきたいと思います。
文責: 鈴木慶太 ㈱Kaien代表取締役
長男の診断を機に発達障害に特化した就労支援企業Kaienを2009年に起業。放課後等デイサービス TEENS、大学生向けの就活サークル ガクプロ、就労移行支援 Kaien の立ち上げを通じて、これまで1,000人以上の発達障害の人たちの就職支援に現場で携わる。日本精神神経学会・日本LD学会等への登壇や『月刊精神科』、『臨床心理学』、『労働の科学』等の専門誌への寄稿多数。文科省の第1・2回障害のある学生の修学支援に関する検討会委員。著書に『親子で理解する発達障害 進学・就労準備のススメ』(河出書房新社)、『発達障害の子のためのハローワーク』(合同出版)、『知ってラクになる! 発達障害の悩みにこたえる本』(大和書房)。東京大学経済学部卒・ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院修了(MBA)。星槎大学共生科学部 特任教授 。 代表メッセージ ・ メディア掲載歴