発達障害*だと必ず困るわけではありません。困っていない発達障害の人はいるはずです。
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困る - 困る → 原因を探す → 発達障害が原因の一つ
診断を受けるためには困っていることが必要というわけですが、もしかしたら診断を受けたけれども困っていないという人もいるかもということでリサーチを始めました。具体的には数百人の当社名簿に「困っていない当事者のイベントを開きたいのだが、登壇してくださる方はいますか?」というものです。
すると…ある程度は予想していたけれども、周囲は困っていると思うけれども、当人は困っていないと思っている人が多数いらっしゃいました。いわゆるカサンドラ的な感じでしょうか。そういえば、自他の認知の違いが発達障害の本質だったと改めて感じたわけですね…。
具体的には、困っているというのは主観であることを私が忘れていたこと。きちんと「親子関係や周囲との人間関係がある程度良好である」「職を転々としたり、無職だったりがなく、安定して働けている」「身の回りのことが一人でできるなど自立した生活を送れている」「精神肉体的に安定していて休日も活動できている」などを書くべきだったなぁと反省しました。それと「人間関係」のところをより明確化すると、周囲の人が困っていないかは重要なのですよね…。
ちなみに、発達障害(の診断を受けるレベル)だけれども自分も周囲もそれほど困っていない人がいるであろうのはまだ信じており、イベントは年明けぐらいをめどに考えています。
困らない要因は、周囲の環境がご本人にフィットしているというのがおそらく一番大きい。この部分は、自分からでも動けるので、発達障害の人の支援となると自己理解→環境調整や援助要請が王道なのはそれがためです。なお、環境以外では処理速度(下の記事が参考になるでしょう)の高さ、レジリエンスの高さ、高IQなどがあり得ると思います。
文責: 鈴木慶太 ㈱Kaien代表取締役
長男の診断を機に発達障害に特化した就労支援企業Kaienを2009年に起業。放課後等デイサービス TEENS、大学生向けの就活サークル ガクプロ、就労移行支援 Kaien の立ち上げを通じて、これまで1,000人以上の発達障害の人たちの就職支援に現場で携わる。日本精神神経学会・日本LD学会等への登壇や『月刊精神科』、『臨床心理学』、『労働の科学』等の専門誌への寄稿多数。文科省の第1・2回障害のある学生の修学支援に関する検討会委員。著書に『親子で理解する発達障害 進学・就労準備のススメ』(河出書房新社)、『発達障害の子のためのハローワーク』(合同出版)、『知ってラクになる! 発達障害の悩みにこたえる本』(大和書房)。東京大学経済学部卒・ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院修了(MBA)。星槎大学共生科学部 特任教授 。 代表メッセージ ・ メディア掲載歴
*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます
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