大学を休学することによる就活への影響と就活のポイントを紹介

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大学の休学を考えている場合や既に休学している場合、「大学を休学すると就活に不利になるの?」と不安に思うこともあるでしょう。

そこでこの記事では、大学の休学が就活にどう影響するのかについて解説します。また、発達障害*の特性と休学との関連性や休学に関する相談先についても紹介します。

大学を休学した場合の就活におけるポイントについても解説するので、休学で就活にお悩みの場合はぜひ最後まで目を通してみて下さい。

休学の代表的な理由と発達障害

休学の就活への影響を解説する前に、休学の代表的な理由と発達障害との関連性について解説します。発達障害が休学の原因となっていることも少なくないため、関連性を把握し適切に対処することで、今後の就職活動をスムーズに進めることができるでしょう。休学に関する相談先も紹介しますので、合わせて確認して下さい。

休学の代表的な理由

文部科学省の調査によると、大学を休学する代表的な理由として多いものから順に挙げると次の通りです。

  • 経済的困窮(14.0%)
  • 心神耗弱・疾患(10.7%)
  • 病気・けが・死亡(7.3%)
  • 学生生活不適応・修学意欲低下(6.8%)
  • 海外留学(6.0%)

最も多いのは、経済的に困窮していることです。それ以外では、心神耗弱・疾患といった精神的な病、学生生活不適応・修学意欲の低下といった生きづらさや学びづらさを理由とした休学が多いことが伺えます。

参考:文部科学省「令和4年度前期の大学等における授業の実施方針等に関する調査」

発達障害と休学の関連性

発達障害の場合、大学生活において下記のような悩みを持つ傾向があるといわれています。

  • 必要な単位数を踏まえて時間割を組むことができず、履修登録ができない
  • スケジュールやタスクの管理ができないため学習が進まない
  • 論文提出日や提出物を忘れてしまう
  • 文字の読み書きに人一倍時間がかかる
  • ゼミやサークルで人とうまくコミュニケーションが取れない

発達障害が原因であると気づかず適切な介入もされないままに、このような悩みを抱えて過ごしてしまうと、精神疾患や不登校、休学や中退につながってしまうことがあります。

また、こうした悩みを抱えている場合、逃避行動としてやりたいことだけに熱中してしまうことも多く、結果として生活リズムを壊してしまうことが少なくありません。

発達障害で上記のような休学につながりかねない悩みがある場合には、次で紹介する相談先に相談することがおすすめです。

休学に関する相談先

休学に関する相談ができる主な相談先は次の通りです。

  • 学生支援センター・学生相談室
  • 保健管理センター
  • 障害学生支援室
  • 医療機関

学生支援センター・学生相談室、保健管理センターは大学に設置されています。学生支援センターおよび学生相談室は、学生生活におけるさまざまな悩みごとについて相談ができます。学業や進路の相談だけでなく、人間関係や日常生活における悩みの相談も可能です。

保健管理センターは、医師や看護師が対応しており、体の健康についての相談のほか、心の健康の悩みについても相談できます。

大学によっては、障害学生支援室を設置している大学もあります。障害学生支援室とは、

障害のある学生が他の学生と同じように修学や学校生活が進められるように、関係する教職員などと連携して支援調整を行う部門です。相談をすると障害の特性に寄り添ったサポートをしてもらえます。

また、継続的な治療が必要になった場合や、発達障害で生きづらさを抱えている場合などは、専門の医療機関に相談することがおすすめです。

休学すると就活が不利になる?就活への影響は?

大学を休学すると就職活動で不利になるのではと考えている人は多いでしょう。しかし、休学をしていること自体が、就活において、即不利になるということはほぼないといえます。

確かに、休学をしていると、企業から、入社してからも仕事を休みがちになってしまうのではないかと懸念されてしまうことはあります。

しかし、休学していた事情についてしっかりと説明をし、今後、体調管理を適切に行っていくことも示せれば、企業のそうした懸念を払しょくすることも可能です。

面接では、休学の理由について聞かれる可能性が高いため、事前に対策を行っておきましょう。休学の理由や伝え方が不十分であれば、マイナスの印象を持たれてしまう可能性があるものの、反対にしっかりと理由が伝えられれば、問題はないといえます。

休学に関する内容を就活で伝える上でのポイント

休学に関する内容ついて、就活でどう伝えればいいか不安に思うこともあるでしょう。以下では休学について就活で伝える際のポイントを解説します。

  • 休学の事実は正直に伝える
  • 休学した理由や目的を説明できるようにする
  • 休学したことで得た学びや経験を伝える

詳しくは次の通りです。

休学の事実は正直に伝える

休学をしていたという事実は正直に伝えるようにしましょう。 休学の事実を隠そうと思っても選考の過程で事実が発覚してしまうことも少なくありません。

休学の事実を隠すことは、学歴詐称とみなされてしまうため、発覚すると企業に悪い印象を与えてしまいます。選考を通過できなくなるほか、仮に通過していても入社前であれば内定取り消しになることもあります。

なお、一般的に休学は、履歴書に明記した方がよいといわれています。履歴書では大学の入学年と卒業年から自然と在籍年数が計算でき、期間が長いと留年や浪人、停学などと混同されてしまうからです。

休学は自ら学校に申請して行うもののため、単位や合格点が取れなかった留年や浪人ほどネガティブには捉えられないため、明記するのがよいとされています。

休学した理由や目的を説明できるようにする

休学した場合、休学した理由や目的を聞かれる可能性が高いため、休学した理由や目的を具体的に説明できるようにしておくことが大切です。

休学した理由が、自己研鑽のための留学やボランティア、起業といったポジティブなものであれば、伝えた方が、ポジティブに評価してもらえる可能性が高まります。

また、病気や体調不良で休学していた場合でも、企業側の「入社後も休みがちになるのではないか」という疑念を解消するためにもしっかりと理由と目的を伝えた方がいいでしょう。

そのため、病気や体調面が理由で休学した場合には、理由だけでなく、現状や入社後の体調管理の対策についても伝えた方がよいといえます。現状や入社後の対策も伝えることで、企業側の不安を解消するようにしましょう。

休学したことで得た学びや経験を伝える

休学したことで得た学びや経験を伝えることで、企業側にプラスの印象を与えることも可能です。

休学という人とは異なった経験を経て、成長したスキルや考え方、資格などがあればリストアップし、今後の仕事に活かせるものがあれば、積極的に伝えるようにしましょう。

伝える内容については、休学したからこそ得られた学びや経験を中心に伝えることが重要です。休学しなくても学べることばかりを伝えると、マイナスの評価になってしまう可能性もあるため注意しましょう。

就活が不安な方は「ガクプロ」の利用もおすすめ

休学をして就活に不安を覚えている方は、「ガクプロ」の利用がおすすめです。

「ガクプロ」とは、発達障害・グレーゾーンの学生に向けた就活支援サービスです。

リクナビやマイナビ、学校のキャリアセンターだけでは就活が難しい方や障害雇用も検討してみたい学生におすすめです。

就活や生活ノウハウを学べる各種セッションや職業訓練が受けられるほか、面接の練習や書類作成の支援、志望企業の選び方など個別相談もできます。

同世代とのやり取りが出来るワークも豊富なため、大学ではなかなか友人を作りにくかった方でも理解し合える仲間と出会えたという感想も寄せられています。

就労移行支援や自立訓練(生活訓練)のプログラムもオンデマンドで視聴可能です。見学・個別相談会を実施しているため、就活に不安がある方はお気軽にお問い合わせ下さい。

Kaienの発達障害・グレーゾーンの学生向け「ガクプロ」

生活リズムの安定や復学への準備には自立訓練(生活訓練)の利用も検討してみよう

休学をしていると日中定期的に通う場所がなくなるため、生活のリズムが狂って体調がさらに悪化してしまうことも少なくありません。

休学中の生活リズムを整えるためにも、自立訓練(生活訓練)の利用がおすすめです。自立訓練(生活支援)とは、障害のある方が自立した生活を送れるよう、生活能力の維持・向上に向けたトレーニングや相談、助言といった支援を受けられる福祉サービスです。

具体的には、生活する上で必要な食事やお金、体調を管理する能力を身につけたり、困ったことがあればスタッフに相談できたりします。

自立訓練(生活訓練)のサービスを利用するには、市区町村から「障害福祉サービス受給者証」の交付を受ける必要があります。

自立訓練について詳しくは「自立訓練(生活訓練)とは?就労移行支援との違いや併用についても解説 」の記事も参考にして下さい。

休学は過ごし方・伝え方次第でポジティブな印象に

休学の原因には、発達障害が関係しているケースも少なくありません。発達障害が休学に関係していると考えられる場合には、学生支援センター・学生相談室や保健管理センター、医療機関に相談することがおすすめです。

なお、休学は必ずしも、就活にマイナスに影響するわけではありません。

休学した場合は、休学中ならではの学びや経験を得ることや、休学の理由や目的をしっかりと伝えることで、就活でポジティブな印象を与えることもできます。

発達障害による休学で就活にお悩みの場合には、Kaienにご相談下さい。

Kaienでは、発達障害の方のための就労移行支援や自立訓練(生活訓練)サービスを提供しています。

また、先述の通り、発達障害・グレーゾーンの学生に向けた「ガクプロ」といったサービスもご利用いただけます。

見学や相談会も実施しているため、就活にお悩みの場合にはぜひお気軽にお問い合わせ下さい。

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます。