リワークは意味ない?しんどいと感じる理由や利用するメリットも解説

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「リワークは復職のために意味があるの?」と、疑問に思っていませんか?

メンタル不調で休職すると、職場から「リワークプログラムを受けるように」と言われる場合もあるでしょう。

しかし、本当に効果があるのか疑問に思ったり、あまり気乗りしなかったりする方もいるかもしれません。

この記事では、リワークの役割と目的、リワークを意味ないと感じる理由・対処法、リワークによる効果を得るためのポイントについて詳しく解説します。

リワークは意味がない?リワークの役割や支援の目的とは

「リワークに行っても意味がない」と思う方もいるかもしれませんが、リワークを効果的に利用するには、リワークの役割や支援の目的を理解することが大切です。

リワーク支援では、復職に向けたプログラムである「リワークプログラム」が用意されています。

リワークプログラムは、ただやらされているのではなく「何のためにやっているのか」を意識すると、リワーク支援の価値を再認識できるでしょう。

リワークの役割と目的

リワークの役割は、メンタル不調で休職した方が復職し、再休職しないように支援することです。

精神疾患は再発率が高く、何も対策せずに職場復帰してしまうと、再び体調を崩す可能性もあります。

厚生労働省によると、うつ病の再発率は約60%です。

また、リワーク支援を利用した場合としなかった場合では、復職後の就労継続率に大きく差がひらきます。

ある研究によると、復職してから約3年後の就労継続率は、以下のとおりです。

  • リワークを利用した方(復職後フォローあり):90%
  • リワークを利用した方(復職後フォローなし):70%
  • リワークを利用しなかった方:20%

上記のように、リワークを利用しないで職場に復帰してしまうと、再休職リスクが高まります。

一方で、リワークを利用すると段階的に復職に向けて準備ができるため、再休職を防げるといわれています。

リワークは、復職を目指すだけでなく、メンタル不調の再発を阻止する目的もあります。

参考:厚生労働省 地域におけるうつ病対策検討会「うつ対応マニュアル-保健医療従事者のために-」

参考:特集「第19回日本産業精神保健学会」2012,Vol.20,No.4

リワークを通じて得られる復職に向けた支援の内容

リワークプログラムの目的は、復帰に向けた準備を行ったり、体調や心理面の自己理解を深めたりすることです。

また、ストレスを感じる状況下でも冷静に対処し、復職後に安定した勤務ができるように、セルフケアの仕方も学びます。

リワークプログラムの具体的な内容は、以下のとおりです。

  • 生活リズムの構築・体調管理
    • 通勤訓練
    • 生活リズム表による体調管理
  • 基礎体力・集中力・持続力の向上
    • 理学療法プログラム
    • オフィストレーニング
  • コミュニケーションスキルの習得
    • ソーシャルスキルトレーニング
    • グループワーク
  • ストレス対処法の習得・キャリアの振り返り
    • 認知行動療法
    • キャリアカウンセリング

リワークプログラムの内容は実施機関によって異なりますが、上記のプログラムは数多くの施設で行われています。

プログラムの進捗状況は職場に共有され、復職にあたっての職務設定やメンタル不調の再発防止策に活用されます。

リワークプログラムに関しては、以下の記事もご覧ください。

リワークプログラムとは?施設ごとの費用や特徴、利用するメリットも解説

リワークが意味ない・しんどいと感じる理由5選

リワーク支援が「意味ない」「しんどい」と感じる理由として、以下の5つが挙げられます。

  • 生活リズムが乱れている
  • 体力がない
  • 周囲とのコミュニケーションが疲れる
  • リワーク施設の環境やスタッフが厳しい
  • 復職許可が下りない

リワークプログラムの内容や難易度によっては「自分に合わない」と感じる場合もあるかもしれません。

また、休職によって体力が低下していたり、生活リズムが崩れていたりする場合も、リワークがしんどいと感じる場合があります。

生活リズムが乱れている

生活リズムが乱れていると、リワークをしんどいと感じやすいでしょう。

リワークの目的の一つとして「生活リズムを整えること」が挙げられます。

休職中にリワークに通う方のなかには、生活リズムが乱れている方もいるため、しんどいと感じる場合もあります。

休職前は「決まった時間に起きて出勤退勤し、決まった時間に寝る」といった生活リズムができていたかもしれません。

しかし、休職中はメンタル不調の影響で睡眠時間が不規則になり、生活リズムが崩れてしまう方もいます。

リワークに行き始めた頃は、決まった時刻に起床・食事・就寝することを目標にしましょう。

生活リズムが整ってきたら個人プログラムに取り組み、体調を崩さずに継続できたら、少しずつ集団プログラムにも参加することをおすすめします。

休職中に生活リズムが乱れてしまうのは、珍しいことではありません。

定期的にリワークに通い、自宅療養によって乱れた生活リズムを立て直しましょう。

体力がない

体力がない方も、リワークを苦痛に感じやすい傾向にあります。

休職中は体を休めている時が多いため、体力が落ちている方が多いためです。

特にリワークに通い始めたばかりで、体力があまりない状態にあると「リワークに通っても意味がないのでは?」と思うかもしれません。

自宅療養で体力が落ちると、休職前は当たり前にできていたことも、想像以上にしんどいと感じるでしょう。

通所当初は、電車やバスで施設に通ったり、半日プログラムに参加したりするだけでも、疲れてしまいます。

しかし、リワークを始めた頃は誰もがしんどいと感じるため、少しずつ取り組むことが重要です。

「最初は週2日から」など、できる範囲から始めても問題ありません。

リワークは、疲労やストレスとの付き合い方を学ぶために実施されます。

「体力がないからリワークに行く意味がない」と思うかもしれませんが、まずは通所に慣れていきましょう。

参考:高齢障害求職者雇用支援機構「職場復帰支援についてよくいただくご質問への回答」p1

周囲とのコミュニケーションが疲れる

周囲とのコミュニケーションも、リワークがしんどいと感じる原因の一つです。

休職中は人との関わりが少ないため、コミュニケーションを取ると精神的に疲れてしまう方もいます。

リワークに通い始めると、他の参加者や支援スタッフとコミュニケーションを取る機会が増えるでしょう。

さまざまな人と関わるため、人によっては「この人とは合わないな」と感じるかもしれません。

また、リワークを利用する場合、支援スタッフとの相性も重要です。

リワーク参加者と支援スタッフの考え方に相違があると、効果を感じられない場合もあるためです。

「リワークに苦手な人がいる」「居心地がよくない」と感じる場合は、次の対処法を取ってみましょう。

  • 信頼できる支援スタッフに相談する
  • リワーク施設を変更する

参加者や支援スタッフとの相性を見極めるには、体験利用がおすすめです。

人間関係が原因でリワークがしんどいと感じる前に、ぜひ体験プログラムにご参加ください。

リワーク施設の環境やスタッフが厳しい

リワーク施設の環境やスタッフが厳しい場合も、しんどいと感じやすいです。

施設によっては「週に〇日休んだら退所」といった、厳しいルールを設けているところもあります。

ルールを破ってはいけないプレッシャーから、リワークをしんどいと思う方もいるでしょう。

また、プログラムのレベルが合ってないのが原因で「厳しい」と感じるケースもあります。

「リワーク施設が厳しすぎる」と感じる場合は、プログラムを中断して別の施設に変更してもよいでしょう。

復職を目指してリワークに通っているにもかかわらず、リワークによって精神的に辛い思いをして、調子を崩す事態は避けるべきです。

リワーク支援はさまざまな施設で行われていますが、必ずしも自分に合うとは限りません。厳しい環境や支援スタッフが合う方もいれば、できるだけ優しく支援して欲しい方もいます。

リワークに参加する前に体験利用をしてみて、自分に合ったリワーク施設を選びましょう。

復職許可が下りない

主治医から復職許可が下りない場合も、リワークをしんどいと感じるかもしれません。

リワーク参加者の多くは復職を目標にしているため、許可が下りない状況が続くと「リワークに行く意味がない」と考える方もいるでしょう。

人によっては「復職許可が下りない自分はダメな存在なんだ」と、ネガティブな気持ちになり、症状が悪化するケースもあります。

復職許可は、主治医や支援スタッフなどの第三者が客観的に評価するものです。

自分では「もう復職してもいいだろう」と感じていても、条件がクリアできていないと、復職許可が下りない場合もあります。

具体的には、以下の条件がクリアできていないケースが考えられます。

  • 通所が安定していない
  • 集中力が回復していない
  • 生活リズムが乱れている
  • 体調が安定していない

復職可能な条件については、主治医や支援スタッフにご確認ください。

自分の課題を確認したら、関連するプログラムを重点的に取り組んでみましょう。

リワークが意味ないしんどいと感じる時の対処法

リワークが「意味ない」「しんどい」と感じる時の対処法として、以下の3つが挙げられます。

  • 支援スタッフに気持ちを伝えて相談する
  • 一時的にリワークを休む
  • リワーク施設の変更を検討する

リワーク開始当初や、なかなか復職できない時は、リワーク施設への通所がしんどい時もあります。

一人で悩みを抱え込んだり、自己判断で休んだりしないためには、上記の対処法をお試しください。

それぞれの対処法について、以下より詳しく見てみましょう。

支援スタッフに気持ちを伝えて相談する

「リワークがしんどい」「進め方に不安がある」と感じる場合は、その気持ちを支援スタッフに伝えましょう。

リワークには、精神科医や心理カウンセラーなど、メンタルヘルスの専門家が関わっています。

専門家に相談すると、自分の状況に応じたアドバイスをもらえる場合があります。

人によっては、体調不良や人間関係が原因で「リワークをやめたい」と考えている方もいるかもしれません。

これらのケースにおいても、まずは支援スタッフに相談してみましょう。

第三者から客観的な意見を聞くことで、適切な対処法を考えられることもあります。

また、生活リズムやメンタルが回復していない状態でプログラムに参加すると、さらに症状が悪化するおそれがあります。

しんどい時は支援スタッフに相談し、無理なく通えるペースを探してみましょう。

一時的にリワークを休む

体調不良やメンタル不調でリワークを休むのは、決して悪いことではありません。

リワークへの通所が苦痛に感じる場合、一時的に休んでみましょう。

リワークに参加すると、人との関わりの中で精神的な疲労を感じたり、気持ちが焦って調子を崩してしまったりする方もいます。

無理してリワークを続けるよりかは、プログラムを一時中断し、体と心を休養させる方が大事です。

ただし、リワークを休む際には、必ず支援スタッフに相談しましょう。

リワークを無断欠席してしまうと、次の利用日に通所しにくくなり、復職が遠のいてしまうケースもあるためです。

リワークを休むと「なぜ自分は体調不良になったのか」を振り返る機会になります。

再びリワークに通えるようになったら、体調不良やストレスの原因について、支援スタッフと一緒に考えてみましょう。

リワーク施設の変更を検討する

人間関係のトラブルや、プログラム内容が自分に合わないと感じている場合は、リワーク施設を変更するのも一つの方法です。

ただし、まずは支援スタッフに悩みを相談して、解決方法を模索してみましょう。

リワーク施設を変えると、今抱えている問題が解消され、リワークプログラムに集中して取り組める場合もあります。

リワークプログラムの実施機関・特徴は、以下のとおりです。

実施機関プログラムの特徴
医療機関自己理解やコミュニケーションスキル向上を目的としたプログラムが豊富
地域障害者職業センター本人・企業・主治医の3者が連携して支援が行われる
企業実際の職場でリワーク支援を受けられる
就労移行支援復職に必要な知識やスキルの習得を目的とした、独自のプログラムが受けられる

各機関の特徴を理解し、自分に合ったリワーク施設を選びましょう。

リワーク支援による効果を得るためのポイント

リワークに対して「意味ない」「しんどい」と感じている方は、リワークに対する意識や取り組み方を変えてみましょう。

リワーク支援による効果を得るには、以下のポイントが重要です。

  • 前向きに取り組む
  • リワークの正しい役割や目的を理解する
  • 積極的にスタッフに頼る

これらのポイントを踏まえたうえでリワークプログラムに取り組むと、効果を最大限に引き出せます。

できるだけ早く、確実に職場復帰したい方は、ぜひご参考になさってください。

前向きに取り組む

前向きな気持ちでプログラムに取り組むと、リワークの効果を感じられるでしょう。

自信や楽観性、希望といったポジティブな感情を高めることは、復職を目指すうえで大きなポイントとなります。

2001年に発表された「拡張-形成理論」では、ポジティブな感情は思考や行動範囲を広げ、困難から立ち直る力を高められると報告されています。

ポジティブな感情を高める方法は、以下の3つです。

  • その日にあった嬉しい楽しい出来事を3つ書く
  • 物事の見方を変える
  • 他の人に親切にする

リワークで例えると「今日は朝7時に起きて電車で施設まで行けた」「このプログラムが楽しかった」などを、ノートに書くとよいでしょう。

また、リワークをやらされているのではなく「自分の成長のための機会」と捉えると、ポジティブ感情を高め、前向きな姿勢でプログラムに取り組めます。

リワークに対して前向きに取り組むと、思考や行動の幅が広がるため、リワークの効果が得られるでしょう。

リワークの正しい役割や目的を理解する

リワークの効果を上げるには、リワークの正しい役割や目的を理解することが重要です。

リワークの目的は「復職を目指し、再休職を防ぐこと」です。

この目的を達成するためには、自宅療養で落ちた体力や気力を徐々に回復させ、段階的な復職準備を行う必要があります。

また「自分はなぜ休職するに至ったのか?」「どのような環境が自分にとってストレスか?」を分析し、新しい考え方を身につけることも大切です。

休職前と同じ考え方のままで復職すると、同じ状況に立たされた時に対処できず、再休職してしまうかもしれません。

リワークプログラムには、それぞれ目的があります。

例えば、ソーシャルスキルトレーニングは、対人関係で起こりがちな状況をロールプレイで再現し、最適な対処法を身につけるために行われています。

上記のように、リワークの目的を意識し、積極的にプログラムに取り組むことで、より効果を実感できるでしょう。

積極的にスタッフに頼る

リワークによる効果を得るには、積極的に支援スタッフを頼ってください。

支援スタッフを頼ることで、プログラムが合わなかったり、しんどいと感じたりするのを防げるためです。

どのリワーク施設にも支援スタッフが配置されているため、何か困ったことがあれば、すぐに相談できます。

一人で悩まず、誰かに話を聞いてもらうだけでも、不安感や孤独感を減らせるでしょう。

例えば、定期面談で進捗を確認したり、復職に向けた課題や不安を共有したりすると、自分が現在置かれている状況を理解し、精神の安定につながります。

また、リワークを経て復職しても、業務量が少ない状態から通常業務に移行する際に、うまく対応できない場合もあります。

不安を感じた時は遠慮なく支援スタッフに相談し、助けを求めましょう。

積極的に支援スタッフを頼ると、職場復帰への道が近づきます。

「頼れる人の存在」を認識することで、安心してリワークプログラムに取り組めるでしょう。

リワークが意味ないと感じている方は他の支援サービスの利用も検討してみて

リワークの効果を得るには、正しい役割や意味を理解し、前向きな気持ちで取り組みましょう。

再休職しないためには、自宅療養によって低下した体力や集中力などを少しずつ回復させる必要があります。

休職原因の分析を行い、ストレスへの対処法を身につけることも大切です。

もしリワークの効果が感じられない場合は、他の支援サービスの利用も検討してみましょう。

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