就活は大学生活の集大成で、今後の人生を左右する重大なイベントです。うまくいかないと感じているときは、内定がもらえない理由などを分析し、早めに対策を講じる必要があります。
この記事では、就活がうまくいかない方の特徴やうまくいかない原因、近年の就活事情などについて解説します。就活を成功に導くための対処法も紹介しているので、就活に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
就職がうまくいかないと感じるのはなぜ?
「就活がうまくいかない」と感じる理由は人それぞれです。よくあるケースとしては、以下のような理由が挙げられます。
・内定が1つもない
・興味のある企業が見つからない
・志望企業から内定がもらえなかった
・周りに比べて内定が少ない
・面接で失敗してしまう
・書類選考に通らない
・就活のモチベーションが保てない
就活の目的は志望企業から内定をもらうことなので、内定がもらえないときは「うまくいかない」と感じやすいです。興味のある企業が見つからない、モチベーションの保ち方がわからないなど、自身の内的な要因で行き詰まりを感じることもあるでしょう。
また、「友達は内定をもらっているのに」と他人と比較し、うまくいっていないように感じてしまうケースも少なくありません。
就活がうまくいかない人の特徴
就活がうまくいかない人には、以下のような特徴がよく見られます。
・不安やプレッシャーを感じやすい
・人と自分を比べてしまう
・客観的な自己分析ができていない
・悩みを相談できる相手が周りにいない
就活では面接が重視されますが、面接は不安やプレッシャーを感じやすく、緊張から失敗しやすいシーンでもあります。また、必要以上に人と比べて焦ったり、自分一人で悩みを抱え込んだりする性質も、就活では不利に働くでしょう。
就活がうまくいかない原因
就活がうまくいかないときは、まずその原因を見極めることが重要です。自分が行き詰まっているポイントを把握することで、事態を改善するためのアプローチ方法が思いつきやすくなるでしょう。
ここからは、就活がうまくいかないときによくある原因を7つ紹介します。
目標や目的など就活の軸が定まっていない
軸が定まらないまま就活をしていると、モチベーションが保てずにうまくいかないケースも少なくありません。就活では、なぜ就活をしているのか、就活を通してどのようなことを実現したいのかといった目標を立てることが大切です。
目標や目的があいまいだと、就活自体がやりがいのない単なる作業に陥ってしまいがちです。また、ちょっとした失敗でネガティブになり、気力をなくしてしまう場合もあります。
自己分析が正しくできていない
就活では、自分が企業の役に立つ人材であることをアピールしなければなりません。そのためには、自己分析を通して人材としての自分の魅力を理解しておく必要があります。
自己分析が正しくできていないと、客観的に見た自分の強みや得意分野などを把握できません。その結果、ESや面接などで自己PRをしても説得力に欠け、なかなか内定にもつながらなくなります。
就活がうまくいかないと感じているときは、正しく自己分析ができているのかどうかを再確認することが重要です。
企業研究が不十分
就活では、業界や企業を研究することも自己分析と同じくらい大切です。業界や企業を深く知ることで、自分に合った職場も見極められるようになります。また、応募した企業と自分の相性が良いことを伝えるうえでも、企業の特徴を正確に説明できなくてはなりません。
自分の就職したい業界や企業について、深く掘り下げないまま就活を行うのは危険です。後から自分が本当にやりたい仕事に気づき、就活を一からやり直すことにならないよう、企業と自分がマッチしているか企業理念や事業内容などをしっかり研究しておきましょう。
正しいマナーや身だしなみが身についていない
正しいビジネスマナーが身についていなかったり、身だしなみを整える習慣がなかったりすることも、就活がうまくいかない原因の一つです。
就活では、時間を守る、挨拶をするといった基本的なマナーも、人柄を判断する材料として見られています。最低限のマナーも守れない人は、入社後も企業に迷惑をかける恐れがあるためです。身だしなみについても同様で、取引先の人などに不快感を与えない意味でも清潔感を保つことを意識しましょう。
基本的なマナーや身だしなみができていない場合、就活でもなかなか評価してもらえない可能性が高いでしょう。
ESや履歴書の完成度が低い
就活では、まずES(エントリーシート)や履歴書から応募者の人柄や能力を見極めようとします。そのため、ESや履歴書の完成度が低いと、書類選考の段階ではじかれてしまう可能性が高いでしょう。
ESや履歴書では、人材としての自分の価値をわかりやすくアピールすることが重要です。自己分析や企業研究を重ねたうえで、入社後に活躍する自分の姿を具体的に想像しながらESや履歴書を作成するとよいでしょう。
面接で適切なコミュニケーションが取れていない
就活の面接では、面接官と円滑にコミュニケーションを取ることが大切です。面接官の質問の意図を正確に把握し、聞かれた質問に対して自分の考えていることを正確に伝える技術が求められます。面接で適切なコミュニケーションが取れないことは、就活がうまくいかない大きな原因の一つです。
面接はどうしても緊張しやすく、委縮してしまう場合もあります。普段どおりの自分を見せられるように、友達や家族に頼んで面接の練習をしておくのもおすすめです。
誰にも相談せず自己流で進めている
就活ではさまざまな問題に直面するものです。悩んでいることを誰にも相談せず、一人で抱え込んでいると、不安な気持ちが募って焦りも生まれます。就活に関する正しい情報を知らずに面接などに臨み、その結果、就活がうまくいかなくなるケースもあるかもしれません。
このように就活を自己流で進めていると、どうしても視野が狭まりがちです。自分自身を客観的に見るためにも、悩んでいることを友達や家族、支援機関などに相談しながら、必要な情報を集めて就活に取り組む姿勢が求められます。
近年の就活事情
株式会社リクルートが実施している「就職プロセス調査(2025年卒)」によると、2025年卒の内定取得者における10月1日時点の内定取得企業数は平均2.52社です。また、就職内定率は95.9%となっています。
内定取得企業数では「1社」の割合が最も高く、34.0%です。「2社」の割合も28.5%と高くなっており、多くの企業から内定をもらっている一部の人が、平均の数字を引き上げていることがわかります。
出典:株式会社リクルート 就職プロセス調査(2025年卒)「2024年10月1日時点 内定状況」
また、文部科学省が2022年に実施した調査によると、通常学級における発達障害*の可能性がある児童(学習面または行動面で著しい困難を示す)の割合は、小中学校で8.8%、高等学校で2.2%です。発達障害の特性にはさまざまな種類がありますが、コミュニケーションが困難、適切なマナーがわからないといった特性は就活にも大きな影響を与える場合が多いでしょう。
このように、発達障害の特性が原因で就職が困難になっている可能性も考えられます。
出典:文部科学省 通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する 調査結果について│文部科学省
就活がうまくいかないときの対処法
就活が思うように進められないときは、なぜうまくいかないのか、その原因を考えることが重要です。そのうえで、問題を解決するための対策を講じ、志望する企業に就職できるよう対処法を実践しましょう。
ここからは、就活がうまくいかないときの対処法を3つ紹介します。
自己分析をやり直す
前述したように、就活では自己分析で自分の強みや得意分野を見極めることが重要です。自己分析が足りていないと感じる方は、過去の経験などから改めて自分の魅力や強みを洗い出してみるとよいでしょう。
自己分析を行うときのポイントは、自分の将来像をイメージすることです。適性や目指す方向性などを明確にし、マッチする企業を選ぶことが求められます。また、仕事とプライベートのバランスなど自分の価値観を見つめ直し、就職したいと思える企業を探しましょう。
企業研究を徹底する
企業研究を行うときは、まずコーポレートサイトや就活サイトで基本的な企業情報を調べましょう。企業の経営ビジョンや事業内容、評判などを知ることで、エントリーする企業を絞りやすくなります。
OB・OG訪問などを通じて実際に働いている人の意見を聞くことも大切です。企業の雰囲気や活躍している社員のビジネスマインドがわかり、就活のモチベーションも高まるでしょう。
一人で悩まずに相談する
一人で悩まずに第三者に相談することで視野が広がり、就活もうまくいきやすくなります。まずは話しやすい相手として、家族や教師などに悩みを打ち明けてみましょう。
頼れる相談先として、大学内では学生支援センターや学生相談室、キャリアセンターなどが挙げられます。学生支援センターや学生相談室では、就活だけでなく生活や学業の困りごとなども相談できるので、有効活用するとよいでしょう。
発達障害などの障害で就活がうまくいかない方は、障害学生支援室で相談するのがおすすめです。支援の方針などを本人と協議したうえで、関係機関と連携しながらサポートしてくれます。
就活がうまくいかないときは支援機関を活用しよう
就活がうまくいかないときは、就活エージェントやハローワークといった支援機関を活用するのもおすすめです。障害がある方の場合、就労移行支援事業所なども利用できます。特に、「身だしなみやマナー」「ESや履歴書」「面接」などは、客観的に見てもらわないと弱い部分がわからないことも多いでしょう。
専門の支援機関で相談すれば、正しいマナーや身だしなみ、ESの書き方といった基本スキルが習得できます。また、苦手意識のある方が多い面接も、練習やアドバイスをしてもらえるはずです。就活がうまくいかずに悩んでいる方は、自分に合った支援機関をぜひ探してみてください。
Kaienの就活対策支援
発達障害などの障害があり、就活がうまくいかないと感じている方には、Kaienの就活支援サービスがおすすめです。Kaienでは、大学生向けのガクプロや、発達障害に特化した就労移行支援、自立訓練(生活訓練)を実施しています。
ガクプロは発達障害(グレーゾーンを含む)の大学生の方向けの支援で、職業体験や就活に関するセッションなどが利用できます。
就労移行支援では、障害のある方の一般企業への就職や就労サポートを行い、自立訓練(生活訓練)では、自立生活に向けてソーシャルスキルを習得することが可能です。
就活の悩みを解決したい方は、Kaienの支援サービスの利用を検討してみてください。
就活がうまくいかなくても焦らず対策を練ることが大切
就活がうまくいかないときは、自己分析や企業研究をしっかり行ったか、ビジネスマナーは身についているかといった基本的なポイントを振り返ってみましょう。また、就活の悩みは一人で抱え込まず、家族や支援機関の職員に相談することも大切です。
就活がうまくいかないと感じているときこそ、焦らずにしっかりと対策していく姿勢が求められます。Kaienでは幅広い形で就活対策支援を行っているので、就活に悩んだらお気軽にご相談ください。
*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます。