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Decobo通信 では当社のノウハウをお届けしています。Kindleや冊子で購入できます。
- 第1号 特集「10代の発達障害*」
- 第2号 特集「発達障害と間違えられやすい症状」
- 第3号 特集「発達障害者(児)の進路・就職」
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1. Kaien 6周年
Kaienは2009年9月18日に創業しました。今月で創業6周年となります。
元々当社は東京港区の麻布十番にあるマンションの一室で事業を開始しました。六本木ヒルズから徒歩5分程度。まったく経験もつてもない中での起業だったこともあり、とにかくほとんどの企業からは相手にもされませんでした。ヒルズを仰ぎ見ながら、相当な築年数のあるマンションで大きな企業との差を痛感しました。
麻布十番に本社を登記していたのが2012年秋まで。秋葉原に本社を移してからは今年で3年がたったことになります。今のメインの事業である就労移行支援は秋葉原からスタートしています。この3年でずいぶん会社らしくなりました。なぜ当社を立ち上げたのか理由を尋ねられる機会が多くなるほど、最近は普通の企業として見ていただいています。
ただしどのベンチャー企業もそうだと思いますが、うまくいかなかった草創期こそが、いまも力の泉になっている気がします。今は1万人にはまだ届きませんが数千人に配信しているこのニュースレターも麻布時代に細々とスタートさせたものだったと記憶しています。
これからの1年は大きく事業が変わることなく、今の質を高めながら、可能な範囲内で事業規模を自分たちの速度で拡大していくつもりです。ただそういった普通の1年でも、創業の頃の様々な貴重な学びを忘れずに、日々事業を運営していきたいと考えています。
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2. 川崎駅近くに第6拠点を今冬開設予定
現在、Kaienの就労移行支援は5拠点(秋葉原2か所、新宿、池袋、横浜)で運営しています。6拠点目を神奈川県に開設することで準備を進めてきましたが、川崎駅から徒歩5分ほどの物件でオーナー側の理解が得られました。
今後、川崎市の障害福祉課や建築課、消防との相談を経たうえで、この冬に開設を予定しています。現在の目標は12月1日の開設です。提供する訓練内容は既存拠点と同一になる予定です。なお、子ども向けの放課後等デイであるTEENSも同じ場所に開設を予定しています。こちらはやや開始時期が遅くなる可能性があります。
川崎での就労移行支援の利用希望もすでに受け付け始めています。詳しくは利用説明会にお越しください。
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3. 今月のメディア・講演情報
製薬会社の主催するセミナーに登壇しました。
- 08/26 成人期AD/HDに関するメディアセミナー(東京・千代田区)
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4. 今月寄せられたご質問・ご意見にお答えします
代表取締役の鈴木です。ニュースレターの登録時や説明会の申込みフォームなどでお寄せいただいたご質問、ご意見にお答えします。
病院・クリニック情報
Q1-1. どの病院・クリニックに行ったらいいのか迷います。病院・クリニック情報があるといいです。
Q1-2. 34才の息子が就職しましたが先輩達から嫌われているといいます。上司は親切に接してくれますが相手にされない辛さがあって仕事を辞めたいと言います。中学ではいじめを受けて登校拒否していました。介護の仕事が好きで老人ホームに就職したのですが、ミスが多く、忘れることもあって事務連絡が滞り、うまく行かないようです。母の私がそうではないかと思うのですがどんなところに受診すればいいか分かりません。教えて頂けると有り難いと思います。
鈴木. 具体的には利用説明会や個別相談の場でお伝えしています。以前、ウェブサイトでお勧めクリニック情報を公開することも考えたのですが、当社の主観であり、きちんとした調査をしたわけでもなく、また小さなクリニックもあり予約などで混乱が予想されるため、結局公開をしないことになりました。その分、ご利用説明会などの口頭でお伝えできる場ではニュアンスを含め当社の各クリニックについての印象をお伝えしています。以下からご予約いただけますと幸いです。
職場での目標シート記入
Q2. 今、会社の上司からいい加減なんとかしなさい、と言われています。残業時間が多い。時間のやりくりが出来ない。忘れることが多い。等です。毎年成果目標を書き、中間面談があり、「具体策を書け」と言われていますが、どう具体策を出したらいいか、自分では書いてるつもりですが、伝わりません。
鈴木. この辺りの”作文”で苦労される方は多いです。私も定着支援で、目標シートを代筆することが支援であることも何度かありました。発達障害的な悩みと考えなくてもよいかもしれませんが、将来のことを想像しながら、自分に不利にならないように、相手に受け入れられるように書くというのは確かに発達障害的にも説明できる弱みです。成果目標は的を射た内容にする必要がありますし、数字を具体的に記載する必要がありますが、ある程度ぼやかして曖昧に書く技術というのが必要になり、もしご自分で難しければ周囲の人に手伝ってもらうというのが良いと思います。
グループホームと発達障害
Q3. 障害者のグループホームを運営しています。最近は純粋な精神障害者が少なくなり発達障害というひと括りの言葉で片付けられる利用者が多くなりました。職員の中にもちょっと彼は違うかな?と思われる人もいます。
鈴木. Kaienの平均利用的な利用者(成人)は30歳前後です。ご家族と一緒に住んでいる方が多いため、まだ生活面でサポートが必要な方はどちらかというと少数派ではあります。しかし今後5年10年経ち、親からのサポートが受けられなくなる人がどんどんと増えてくると思います。その際には当社としてもグループホームなど生活の支援を求める人が急増すると考えており、何らかのアクションを会社としておこす必要があると思っています。その兆しがすでに運営されているグループホームであるということ、当社の時間軸ももう少し早くしていかないといけないかなと読ませていただきました。また「職員の中にも」のくだり。たしかに福祉関係者には一般の比率よりも高めに発達障害の(傾向のある)人が働いていると思われます。平等意識や生真面目さは職種とフィットする特性だと思うからです。課題もありますが、福祉の分野で発達障害の人の力を使うというのは、鈴木としては一度ありえないかなと思っていたアイデアですが、最近また頭の中で復活してきています。今すぐは難しいかもしれませんが、将来的に何らかの動きをとれればと思います。
障害者手帳のメリット・デメリット
Q4. 手帳の発行や支援を受けることができるようになる基準・手帳を持つことのメリット・デメリットについて詳しく知りたいです。
鈴木. まずデメリットからですが、一切ない、はずです。ただし「障害者」としての最も一般的な証明書になるわけですので、心理的な負担がかかるというのが唯一そして最大の壁だと思います。メリットは多様で、自治体によっても若干異なりますが、税金の優遇措置、医療費の助成、公共料金・電話料金などの割引、公共交通機関・公共施設・映画館などの無料化・割引、生活保護の障害者加算 (サービスの内容は障害区分・自治体によって異なる部分があります)などがあります。詳しくは当社の大人向け、あるいはより詳しい子ども向けのサイトをご確認ください。
Kaien障害者手帳・受給者証
TEENS障害者手帳・受給者証
知的を伴う発達障害
Q5. 広汎性発達障害だが知的を伴う(横浜療育手帳を取得)。これまでの就労の繰り返しにより二次的障害(不安・恐怖)を発症。現在は服薬あり。配慮いただけるところで仕事ができればよいと思っている。
鈴木.
当社は、職業訓練提供当初(2010年ごろ)は知的障害がない発達障害の人向けのプログラムでした。今はだいぶ変わっています。いわゆるボーダー層(知的に境界域と言われる、IQの目安では70・80台)の方向けのプログラムも行っています。他の機関よりも当社で訓練を受けたいというお気持ちがあれば、状況によっては受け入れもできるレベルかもしれません。まずは利用説明会にお越しいただければと思います。横浜市は「発達障害特例」があり、発達障害で療育手帳が取得しやすい自治体です。これもあり、知的な程度がどのぐらいか、つまり当社が対応できるボーダー層程度なのかはわかりませんでしたが、ご相談の文面からは知的な面よりも、むしろ二次障害への対応が重要だと思いました。すぐに就職というよりも、ゆっくりと不安感を取り除く我慢強さがご家族や周囲には必要になりそうな印象を持ちました。
ガクプロの開始時期
Q6. 現在、理系の大学1年生で、本人は大学院に進学したいようなのですが、ガクプロは、いつぐらいに入った方がいいのでしょうか?大学院に入って就職を意識してからの方がいいのでしょうか?(本人はまだ発達障害を自覚しておらず、大学でも何も困っていない様子です)また、こちらにお世話になる場合、親の関わり方はどの程度になるのか、教えて下さい(親は関与しない方がいいのか等)
鈴木. ガクプロが必要な時期は人によって異なります。もしガクプロになじむのであれば、就職云々以外でも仲間ができる場なので1年生のうちからでも楽しめると思います。ただし学内にそういった関係がしっかり築けているならば急いでガクプロにという必要は強くはないでしょう。就活支援を主にガクプロ利用を考えるのであれば、できれば就活開始の1年ほど前から通うとよいと思います。就活は技術も大事ですが、就活のスケジュール感を理解したり、就活を一緒に戦う仲間がいることが必要です。技術以外の要素を獲得するにはやはり年単位が理想です。一緒に活動する人を大学内で探すのが難しそうでしたら、早めにガクプロにつながるとよいと思います。なお、そもそも本当に(統計上も大卒よりも就職率が低くなる)大学院に行ったほうが良いのかは検討を重ねるべきところだと思います。
定着支援
Q7. 職が決まった後のアフターサービスはありますか?また、あるのであれば、どのようなサービスがあるのでしょうか?
鈴木. はい。就労移行支援の修了生で障害者枠の場合、最初の半年は職場訪問します。一般枠でも当社内で開催する懇親会に参加いただいたり、訓練時から無料で使える当社内のSNSでスタッフとやり取りを続けることが可能です。就職から半年経過後も状況に応じてサポートに入っています。また、在職者向けのサービスである「Kaien倶楽部」もございます。当社の就労移行支援(職業訓練)を経由している人も利用していますし、訓練は利用しなかったがKaienの輪に入りたい方も利用しています。
地方からの引越しを経た当社利用
Q8. 単身で東京に引っ越すことを考えています。kaien利用中の生計の立て方について、アドバイス等あればよろしくお願いします。出来れば早めの就職を考えていますが、この人はこれ以上の訓練の必要は無いと判断する基準があれば教えて下さい。
鈴木. 訓練の必要がないという人はどういう人かというのはなかなか難しいです。自主的に自分に合った就職活動ができ、職場でも課題が見られない人、でしょうか。就活の段階で、自己理解の段階で、職場への適応の段階で、など、各段階でそれぞれの課題が見える方が当社に来ています。ただし地方からのご参加は何より慎重を期すようにお願いしています。これまでの例を見ると、首都圏に元々お住まいがあった方、親元から通われている方に比べて、生活リズムを崩されるケースが多めであるからです。Kaienの就労移行支援は多くの方が行政のサポートで無料で使われていますが、それでも期間内に収入がある方は少なく、生計はご家族に頼るか、生活保護、あるいは失業保険を使っている方が多数です。地方から来る方の場合は明らかに生活費の面がゆとりがある場合、精神面も含めて一人暮らしなど問題なく出来る方のみにお勧めしています。
当社の電話番号
Q9. 各事業所の電話番号がどこにも書いていないので記載してください
鈴木. 申し訳ございません。当社方針で各事業所の電話番号は公開していません。メールでのお問い合わせをお願いしています。当社方針というのは「電話を公開してしまうとどうしても相談が多くなり、本来力を注ぐべき、通所者への時間が限られてしまう。なので外部の方はメールでご連絡をもらう。」というものです。ご理解のほどよろしくお願いします。
発達障害者支援センターとの連携
Q10. 発達障害支援センターとの連携は行っているのでしょうか。
鈴木. 個別に了解が得られたケースで発達障害者支援センターなどとの福祉機関、行政機関とはもちろん情報交換や連携した動きを行っています。
*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます
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