- 7月から仙台・一関 8月から熊本、9月からは石川でも Kaien地域パートナーシップ制度が運用開始
- 今月のメディア・講演情報 いばらき発達障害研究会等
- 今月寄せられたご質問・ご意見にお答えします 「職場でADHDを理解してもらうには?」
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Decobo通信 では当社のノウハウをお届けしています。Kindleや冊子で購入できます。
- 第1号 特集「10代の発達障害」
- 第2号 特集「発達障害と間違えられやすい症状」
- 第3号 特集「発達障害者(児)の進路・就職」
- 第4号 特集「Kaien創業期~違う登山口 同じ頂上~」
- 第5号 特集「Kaien創業期~起業前後のアップダウン 前編~」
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- Kaien主催セミナー は不定期で開催中。 ~なるほど発達障害~ Kaien Meetup
- 子どもの発達障害に関する情報はTEENSのニュースレター を合わせてご購読下さい。
1. 7月から仙台・一関 8月から熊本、9月からは石川でも Kaien地域パートナーシップ制度が運用開始
Kaienでは全国のパートナー企業・団体が当社プログラムを行う「地域パートナーシップ制度」を本年度から導入。地方にお住まいの皆様にも当社サービスがご利用頂ける体制が整いました。地域パートナーシップの導入事業所では、首都圏にある当社事業所で日々現場スタッフが開発している資料・ノウハウをご利用頂けます。
参加企業・団体
- 岩手・一関 一般社団法人 Piece of happiness(放課後等デイTEENS)
- 宮城・仙台 一般社団法人 ぶれいん・ゆに~くす(大人向け就労移行支援 学生向けガクプロ 放課後等デイTEENS)
- 【8月から】熊本・熊本 株式会社 未来パーク(放課後等デイTEENS)
- 【9月から】石川・金沢 一般社団法人 えがお工房8(大人向け就労移行支援 学生向けガクプロ)
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2. 今月のメディア・講演情報 いばらき発達障害研究会等
大学や教員・福祉関係者向けのセミナーで講演を行いました。
講演
- 06/21 横浜国立大学経営学部「経営者から学ぶリーダーシップと経営理論」(神奈川・横浜市)
- 06/23 いばらき発達障害研究会(茨城・つくば市)
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3. 今月寄せられたご質問・ご意見にお答えします 「職場でADHDを理解してもらうには?」他
代表取締役の鈴木です。ニュースレターの登録時や説明会の申込みフォームなどでお寄せいただいたご質問、ご意見にお答えします。
清流でしか生きていけない人へ
Q1.どうしても 人に溶け込めません 周りの人の体力や気の強さに負けてしまいます 自分のことを見失ってしまい 無気力になってしまいます ずっと以前から 自閉症と言われてきましたが やっと最近になって自閉スペクトラム症と診断されましたが 誰にも言えず怪しい目で見られてしまいます 1人暮らしなので これから 自分にふさわしい仕事や職場を探したいのですが。。パソコンスクール行っています 続けたいと思います 。
鈴木. 発達障害の人を見ていると、清流に生きる魚のように見えることがあります。つまり濁りの多い社会では生きていきづらいということです。人が親切で裏切りや嘘がなく、予定調和である程度動く、理想郷のような空間でないと気おされてしまう感じです。
頂いた文章を読むと、濁りのある部分で泳ぎ過ぎて苦しさが限界を超えているようです。自分のことを見失ってしまい、というところなど、ご自身として自覚されているところは良いと思いますが、まずはやや後退に感じられるかもしれませんが、水の合うところで落ち着きを取り戻すのが良いと思います。
その際、経済的にも一時的に後退になるかもしれません。そこは出来れば生活保護などを含めて検討されるとよいと思います。生活保護には抵抗がある方が多いですが、しっかりとした国民の権利ですので、使える時は使わせてもらうとよいと思います。当社でももちろんこの辺りを含めて、就労移行支援や相談支援で対応させていただいています。
職場でADHDを理解してもらうには?
Q2. 53歳です。ADHD。20代、30代の頃はまだADHDを知らず、転職を繰り返して来ました。40歳前にADHDを知り、すぐ診断されましたが、投薬のみで対応して来ました。ここ15年は、同じ職場で働いていますが、障害の特徴からか、だらしなくて信頼できないなど低く評価され、仕事が回ってこない状況が何年も続いて、気づけば経済状態がこの10年以上にわたって緩やかに悪化していてました。ちゃんとしなきゃ、と思いつつも目の前の雑事をこなしてる間にあっという間に数年経ってしまう。職場と言っても、雇用ではなく、完全出来高制の独立事業主です。新規を長いこと貰えなかったため、この10年近く、収入が先細りです。職場の中では浮いていますが、お客様からはとても信頼されていて、10年以上顧客継続率はトップです。(でも新規が増えないので、収入は低い)ちょうど10年位前から、後輩同僚から嫌がらせが始まり、仲の良かった上司がその同僚の話しか信じてもらえなくなるなど、仕事が減り始めたきっかけの一つでもある気がします。昨年後半からは、生活を立て直そうと色々努力しています。溜まった確定申告をしたり、障害者手帳の申請もしました。職場でもなるべく孤立しないよう愛想良くして、新規のお客様を獲得できるように頑張っています。が、結局職場の周囲のADHDの理解がないと、同じことの繰り返しかも知れないので、その、理解への手助けのようなものをお願いできるのでしょうか。(ウッカリする、疲れやすいなど、誰にでもあることなので、ADHDをカミングアウトしても、だらしなさの言い訳程度にしか受け止められていないようです)
鈴木. とてもとても難しい話題です。ADHDのことを理解すること(何が努力不足で、何が特性なのか)は、いわゆる支援者、専門家でも難しいこと。それを職場の人に理解してもらうのはなかなかのハードルです。かつ理解してもらったとしても、許してもらえるというか、納得してもらえるかはまた別になりそうだということです。所詮人は感情で動く生き物で、知識でわかったとしても、その人を職場で受け入れられるかというとそうでもないからです。
ですので、基本的に職場でカミングアウトするのは今の世の中ではそれほどお勧めしていません。仕事や人間関係が上手く行っているうちに知ってもらうのは良いかもしれませんが、評価が下がってからでは、解雇や契約解除に追い込む口実を与えてしまうようなケースを良く見るからです。
ご質問にお答えしますと、まずは①ご自身の特性を理解すること、そして②ご自身が出来る範囲で手を打っていくこと、③その姿を周囲に見てもらうこと、その3段階で周囲の理解が出来る限り進めばと思いますし、そうしたお手伝いは当社で出来ると思います。くれぐれも、ADHDとカミングアウトして、その基本の対策を文章なり本なりで説明してもわかってもらえず、むしろ逆効果になることが多いことはご理解いただければと思います。
発達障害のあるお子様の進路・進学
Q3. ネット閲覧中に偶然、貴社のページを見つけ、とても感動しました。代表者様のお考えに、深く共感をしました。現在中学3年生の息子は、3歳の時、発達障害の診断を受けました。以来、時に親子ともども、ひどく傷つき、苦しんだりしながら日々を送ってきました。高校進学の時期を迎え、将来の就労までを見込んで学校選びを考えていますが、どうしたらいいものか、悩むことも多く、貴社からの情報を是非参考にさせて頂きたいです。
鈴木. 発達障害(含む疑い)のある場合、他のお子様以上に進学・進路で考える事柄が増えるのは致し方ないと思います。広く開けた道を通る感じではなく、ある程度進める道(本人が適応できる選択肢)が限られる中でどこが相応しいかを比較検討しないといけないからです。
当社では小中高生向けサービスのTEENSで合同説明会などを行っており、理解のある中学・高校・大学の情報を集め始めています。その他ネットでも様々な情報が出回っておりますので、実は情報を集めようとすればある程度お分かりいただけるのではないかと思います。
難しいのは、①その子に合った学校・雰囲気、②今だけではなく将来を見据える、の2点です。一点目についてはどうしても成績や行動などのアセスメントが必要になりますし、二点目については大人になった姿を想像する専門家の目利きが必要になると思います。もちろん当社のブログやニュースレター、イベントにお越しいただくのが良いと思いますが、当社など専門機関にしっかりとつながっておくことが重要だと思います。
地方での格差 支援と求人の少なさ
Q4. 現在、大学3年生の娘がいます。理系ですが、コミュニケーションに自信がないようです。自己評価が低いため、今後の厳しい就職活動への不安があり、選択肢の一つとして手帳就労についての情報も集めています。横浜市内では、どれくらい発達障害(精神障害)者への求人があるのでしょうか。あるとすれば、業種や職種に特徴や偏りはあるのでしょうか。また、手帳を利用した就労は、一般的には、雇用形態は一般就労に比べて不安定でお給料も安い傾向であるというのは本当でしょうか。
鈴木. 何回かお答えしてきた話題ですが、念のため再掲します。
- 障害者雇用の求人は東京23区に、もっと言うと山手線沿線に偏りがち。どうしても大企業で障害者雇用の担当となる人事スタッフが手元で雇って様子をみるという形に落ち着くため。つまり支店や店舗が全国にあっても、障害者雇用の求人は首都圏に極端に偏る。横浜は本社を置く会社が多いため、全国的に見ると恵まれているほうだが、それでも山手線沿線や山手線内よりは求人数は少なめである。
- 障害者雇用の場合、業種は原則偏りがないが、どうしても成長企業では求人が増える傾向があり、IT企業など最近の業績を伸ばしている業界が多くなる。
- 職種については事務補助と軽作業(PCを使わない立ち仕事等)が多い。
- 雇用はむしろ安定しているといえる。障害者雇用は契約社員であることが多く、大企業の総合職の一般枠よりは安定度に賭けるが、それでも大企業の雇用であることには変わりない。障害者枠を考える多くの人の場合は「大企業の障害者枠」か「中小企業の一般枠」かで悩む場合が多く、後者は正社員ではあるものの、前者に比べて雇用は安定していないことが多い。
- 給与については、職種の欄で述べた通り、事務補助と軽作業という経済的に付加価値が少ない仕事であるため低めであることが多い。しかし、同じ仕事をした時(例えば清掃の業務を6時間した時)の給料を一般枠と障害者枠で比べるとむしろ障害者枠のほうが割高であることもある。人材が不足していて同一労働同一賃金にはならないことがあるためである。
これらについては地域によっても異なりますし、今後、マクロ環境(制度の変更や技術革新などによる雇用の変化)によって、数年で大きく変わる可能性もあるのですが、今現在ではほぼほぼ実態を表していると思っています。
親から罵られる場合はどう考えるべき
Q5. 人間は働けなければ死ぬしかないと言う父親を(編集追記:Kaienの利用説明会に)同席させてもよろしいでしょうか?発達や精神障害の理解がなく寝たきりの身体障害者や会話成り立たない知的障害者以外は怠けたいだけだと言われて容赦なく責められこう言う人を説得できるでしょうか?もちろん私自身も20年以上の職業生活のなかでブランクは通算で2年ほどで今も働かないと言ってるわけでないのですが、人並みに賃金得られないのが歯がゆいみたいです。
鈴木. ご本人も理解されているようで安心しましたが、おそらくお父様は苛立ちから過激に発言をしがちなのだと思いました。20数年ほぼ働けているのはむしろ誇るべきことだと思います。残念ながら給料はどうしても差がある世の中です。経済的な付加価値をどの程度付けられるかは、個々人によってどうしても異なります。典型的な例がプロスポーツの選手で、一生懸命しても給料が低い選手もいますし、いろいろと問題を起こしながら本来の力を持て余している人でも結果を残せばたくさんお金をもらえたりします。そのあたり、わかってはいるけれども、という方は多いと思います。他人と比べる、特に学齢が一緒、年齢が一緒、育った地域が一緒、の人とはどうしても比較して物事を理解するのは人間の性でしょう。難しいことではありますが、お父様もそのあたりを理解しながらもどうしても口に出てしまうというと思いますので、気持ちに共感・理解を示してあげられると良いと思います。
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