Kaienの安間です。内定おめでとうシリーズ第5弾は、Tさんにお話をうかがいました。
Tさん(20代・男性)
兵庫県出身、大学入学にあわせて上京。大学進級と就職活動のタイミングで特性に気付いた。一般枠で就職したが、数か月で退職。その後ガクプロを経て、2015年12月にKaien川崎に入所した。障がい者枠での就職活動を経て、この春から服飾雑貨を主に取り扱う大手小売業の会社に就職。
内定が出ても訓練には手を抜かない
内定おめでとうございます。まずは、率直なお気持ちをお聞かせください。
いよいよだな、という気はしています。内定が出た後も、自分なりに訓練に課題を持って取り組むことができていると思います。報連相の仕方や、作業計画の立て方の部分で、内定をもらう前よりも大きく改善はできたと思います。自分としては本当にKaienに通えて良かったと思っています。
うれしいというよりは、仕事なので、小さいながらも責任が伴ってくるはずなので、心してやっていきたいなと思う気持ちですね。
就活をきっかけに特性に気付いた
Tさんの自己紹介をしていただけますか?
生まれは兵庫県で、大学入学とともに上京しました。大学進級と、就活のタイミングで自分の特性に気付き、在学5年目の4月に知り合いの会社に入社しましたが、自分の特性の難しさ、未熟さに直面して、数か月で離職しました。その後、自分の特性と向き合おうと、学生向けのガクプロにお世話になり、12月にKaien川崎の開所と同時に入所しました。大学卒業は今年3月になります。
周囲からの指摘を変化の糧に
Kaienの訓練の中で、印象的だったことを教えてください。
報告・連絡・相談や計画を立ててその通りに作業を進めることは、Kaienに入った当初、それはそうだろう、当たり前のことと思っていたんです。それが何回も同じ失敗をすることで、こんなに自分はできないのだということがわかってきました。例えば訓練中の上司への報告時に、どうしても自分の近くで起こったことから順番に羅列して話してしまったり。そこで、相手が欲しい情報を考えて言葉を選んで、ポイントを伝えてみました。それで少し変われたところがあります。講師やスタッフにはとてもよく見てもらっていて、この調子でいいんだよなどのフィードバックをもらいました。自分が気付けたのもありますし、根気強く面倒見てもらえたということ。Kaienの訓練にはそういう良さがあると思います。
グループワークを通じての成長
Kaienを利用する前と、利用した後でご自分の変化はどんなことがありましたか?
人に自分の考えや思いを伝えようとするようになったことです。例えば、グループワークで自分の役割を見いだせずに、ただ言われるがまま作業に取り組んでいた時期があったのですが、少しずつですが、相手と自分の意見が違う局面があっても、相手の考えていることに沿うように自分の考えを伝えるようになりました。また、相手の言っていることでよくわからない事は、もう少し教えてもらえませんかと踏み込んで引き出したりするようになりました。まだまだ未熟ですが、こうしたことができるようになったのは、今後のためにもすごく大きなことだと思います。
自分の苦手と付き合いながらの就活
就職活動をするにあたって、ご自分では何が一番大変でしたか?
大きく分けて二つあって、一つは選考してくれる側の立場に立って話をすることでした。どうしても自分目線になり、自分のやりたい事を言ってしまいやすいのです。けれども、やっぱり組織に入るのだから、相手から見て自分はどう働けるのか、どう配慮いただければ安心して働けるのかを納得してもらえるようになるまでがすごく大変でした。もう一つは、書類を準備したり、期限までに必要なものを揃えたりなど、そういった手作業を、どうしても先延ばししてしまうことでした。ギリギリまで応募書類用の写真を用意しないなど、悪い癖が出てしまっていました。年が明けてからは、応募書類の添削の予約などをペースメーカーにして、何とか面接を受けに行くことができました。
自分なりの役割を見つける10年になれば
社会人として、今から10年後はどうなっていたいですか?
仕事をしていく上で、自分の役割というものがある程度、確信とまではいかなくても、固まっているといいと思います。
これから出会う人や環境もあるだろうし、その中で自分の出来ることできないこと、やりたいことがまた変わってきたり、ちょっとずつ明らかになってくると思います。仕事を続けることでその場所に返せるものが出てくると思います。目の前の仕事に一生懸命挑戦して、例えば小さなグループを率いるようになれたら。そういうことを続けるうちに自分なりの役割を見つけることが、一人の人間として大切だし、そうであったら幸せだなと思います。
誰かの良さを、自分のエネルギーに
最後に、仕事への期待と、後輩に対するメッセージをお願いします。
できることが増えていくにつれて楽しいと思う場面が出てきますし、もちろん大変ではありますが、もっとこの場所でこういうことをしたいとか、こういう人たちの役に立ちたいという意欲が増していけば幸せだなと。
Kaienに通っていて、訓練でこの訓練生には勝てないなと思う場面が何度もありました。でも自分は別のことであれば役に立つことができると、自信をつけることもできました。他の訓練生や講師の方やスタッフの誰でも、目の前にいるの人の良いところを少しでも見つけていくことが、逆に自分のエネルギーの源になるのではないかと思います。
後輩に対しては、あんまり偉そうなことを言っても自分ができてないしとか思ってしまうのですが、自分の理想や皆がこういくべきだ、みたいなものはいったん手放して、今いるメンバー、今行っている作業の中で、自分に何ができるかだけに集中したら、気持ちが楽になるかもしれません。