就労移行支援事業所Kaien秋葉原サテライトの酒匂です。
現役訓練生や体験セッションに参加してくださった方々に向けて自分の経験をお話しいただくのが「ようこそ先輩」です。Kaienに入る前はどうだったか、自分の障害特性について、Kaienでの訓練はどうだったか、就活について、就職してからのこと、失敗談、趣味についてなど様々なことをお話しくださいます。 どんな気持ちで訓練を受ければ良いのかわからない、どのように就活をすれば良いかわからない、自分は何をどうすればいいかわからない、弱みの対処法なんて難しい・・・など、何を、どうしてよいかわからない人や、ある程度方向性は固まった、さて次にどういう一歩を踏み出せばいいのか、これで間違っていないのか、など先輩の経験談を聞いて参考にしていただきたいことが目的です。
発表には先輩たちの経験が詰まっている
ご登壇していただく先輩は、どんな話をすれば言いたいことが伝わるか、どういう資料だとわかりやすいか、自分が聞く側だった時にはどんな話を聞きたかったかなど、仕事が終わった後やお休みの日、貴重な時間を費やして何度も修正をしながら準備をしてくださいます。どんな質問が多いのか、どんなことに答えられるようにしておけばよいのか、まで考えてくださっていたりと、先輩と準備を進めているとありがたい気持ちになることがよくあります。ある先輩は、自分の話が参考になるならと、人前で話すのが苦手なのにも関わらず登壇してくださいました。昔のことを思い出すと辛いけど、同じ思いをした人にもやればできるという気持ちが伝わるなら話します、と言ってくれた先輩もいました。緊張しつつも自分の言葉で、準備した原稿を読みながら話してくださった先輩や、登壇前日のサロン(茶話会)でも資料作成に取り組んでくださった先輩もいました。直前まで気持ち的に落ち込んでいる状況が続いており大丈夫だろうかと心配していましたが、発表はとても素晴らしく、訓練でのエピソードや今はどんな仕事をしているか写真などを取り混ぜて説明、さらにご自身の趣味の資料などを見せながらの発表に場は盛り上がりました。何よりスタッフとしては、先輩たちの堂々とした話しぶりに自信と成長を感じることができ、嬉しい気持ちでいっぱいになります。
先輩たちが作成してくれた資料のほんの一部 プレゼン資料にもインタビュー原稿にも真摯な思いが込められています。 |
経験者の話は素直に受け入れられることが多い
先輩のお話しを聞いている人たちの表情は真剣そのものです。感想には、自分と同じ特性の人が頑張っている、同じ苦労を経験している、弱みの対処法を参考にしたい、自分ももう少し頑張れる気がする・・・などなど日頃の不安が、前向きに頑張ってみようという気持ちに変わる時間なのだと感じます。質疑応答では「弱みの対処法」や「気持ちの切り替え方」、「企業への配慮についてどこまで伝えていいものか」など多岐にわたり、生の声を聞けるチャンスを逃さない気持ち、今の状況を変えたい気持ちがじわじわと伝わってきます。スタッフが伝えてもなかなか受け入れられない言葉が、先輩の言葉だとすっと受け止められる、実際に頑張っている現実感が大きいのだろうと思います。メモを取っている方も多く、ビジネススキル講座よりも真剣に聞き入っている(!?)姿に、大切ななにかを持ち帰ってもらいたいという気持ちになります。
話すことをきっかけに成長を感じられる先輩たち
先輩にはご登壇後、お話しを聞いたみなさんからのメッセージをお届けします。そのお返事には、伝えたいことが伝わったようで安心しました。参考になったようで良かったです。と、喜びの声をいただくことが多いのですが、さらに、先輩自身の振り返りの良い機会となったという言葉をいただくことも多いのです。登壇してくれた先輩全員が順風満帆に日々を過ごしているわけではなく、とにかく仕事を頑張らないと、周囲とうまくやっていかないと、など実は日々プレッシャーを感じながら過ごしている先輩もいるのだということを強く感じます。それが、「ようこそ先輩」に登壇することがきっかけで、自分の強み弱みを再確認できた、自分はこんなことができるようになっていた、気付ける機会になったから登壇して良かった、など何にも代えがたい嬉しい言葉をかけていただけるのは、この企画を続けていて良かったと思える理由のひとつでもあります。そして、話しを聞く側だけでなく、話をする側にも何かしらのプラスがあるのが「ようこそ先輩」の醍醐味ではないかと思います。
「ようこそ先輩」は第1土曜日(秋葉原本社、横浜事業所)、第3土曜日(秋葉原本社、川崎事業所)に開催しています。まだお声掛けできていない先輩もたくさんいらっしゃいますので、ぜひ話してみたいという先輩がいらっしゃいましたらKaienキャリア相談(career@kaien-lab.com)までご連絡ください。