総務の田中です。
一般枠・障害枠どちらにも共通して、採用選考に必要なのは「意欲と能力」を伝えること。すなわち、その仕事に就いて企業に貢献したいという意思と、その仕事を遂行する実力が備わっていることをアピールすることです。しかし障害枠ならではのこともやはりあります。その最たるものは障害特性とそれに対する配慮でしょうか。当社では訓練生の応募書類を添削する時間、名付けて「赤ペン先生」があります。今回は特性と配慮を選考時に上手にお伝えするポイントをお伝えします。
<診断名や苦手さにプラスしてどんな配慮が必要かを伝える>
就職活動を始めたばかりの方は単に診断名だけを伝えてしまったり、できないことだけを伝えてしまうといった傾向にあるようです。苦手さとあわせて必要な配慮をお伝えすると企業の方に具体的なイメージを持って頂きやすいです。
- 口頭での説明が理解しにくい事があります⇒メールなど文章での説明だとありがたいです。文章の対応が難しい場合はメモを取りながらお話を伺いますので、ゆっくり説明頂けると助かります。
- 複数のことを同時処理することが苦手です⇒指示は都度いただけると助かります。またデータ入力など一点に集中できる業務があれば希望します。
- 音に過敏があり、にぎやかな環境だと集中できないことがあります⇒静かな席に配置してもらえると助かります。場合によっては、イヤホン・耳栓の使用をご許可頂けますでしょうか。
<ポイントを絞って端的に伝える>
働くこと、失敗することに対して不安が強く、苦手さを全て伝えたくなってしまうといった方や、律義さゆえに不利な点を全て伝えることがフェアあるとお考えの方もいらっしゃるようです。ただあまりに沢山の項目を一度に伝えると、企業の方に必要以上に気を遣わせてしまったり、不安感を与えてしまうことがあります。このため苦手さの中でも、応募職種でネックになりそうなことをピックアップして、数点に絞ってお伝えすると効果的です。
<「できること」と苦手さにもチャレンジする姿勢も伝える>
「できないこと」ばかりではなく「できること」やご自身で行っている工夫を伝えたり、苦手さにチャレンジする気持ちがあることも一緒に伝えると前向きな印象に変わります。
- 口頭でのコミュニケーションは苦手ですが、文字ベースでのやり取りはスムーズです。
- 作業手順を覚えるのに時間がかかるため、自分で業務フローやマニュアルを作成して補うことを考えています。
- 人の顔や名前が覚えにくく、同じ部署の方を把握するのに時間が掛かることがあります。このため入社しばらくは電話対応は免除いただけないでしょうか。環境に慣れることで改善が見込めますので、徐々にチャレンジできるとありがたいです。
ご自身の苦手さに向き合うのは、少し苦しい過程ですが、特性を客観的に分析し、対策を考え端的に伝えるという能力も立派な「強み」の一つです。私たちと一緒に少しづつ強みを作っていきましょう。「赤ペン先生」の他にも当社訓練では訓練生おひとりおひとりに専任のカウンセラーがつき、一緒に特性の把握や職種に応じた必要な配慮について考えていきます。また必要な配慮は就職後状況の変化に応じて変わっていくもの。定着訪問制度を利用して訓練生・企業担当者双方にお話を伺い、それぞれの修了生の今にぴったりの働き方を作っていくお手伝いをさせて頂いています。