就活が無理と感じる場面や理由と対処法について解説

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就職活動では「なかなか内定がもらえない」「やりたい仕事が見つからない」など、多くの困難に直面し、「もう無理だ」と感じて落ち込んでしまう人も多いでしょう。このような状態に陥ったときは、就活に対して感じる不安やストレスの理由を明確にし、適切な対処法を取ることで、前向きに取り組めるようになります。

この記事では、就活が無理と感じる理由とその対処法について詳しく解説します。就活のストレスを軽減し、自分に合う企業を見つけるためのヒントにしてください。

就活が無理と感じることはダメなことではない

就職活動を進める中で、「もう無理だ」と思ってしまう瞬間は誰にでも訪れます。就職活動が思うように進まずに悩んでいる人は多く、そのように感じることは悪いことではありません。

「面接でうまく答えられなかった」「第一希望の企業の選考に落ちてしまった」など、就職活動ではさまざまなストレスを感じる場面があります。また、大学の勉強や試験、アルバイトなどとの両立に疲れてしまうこともあるでしょう。

就活が順調に進む人のほうが少ないのが現実です。「無理だ」と思う自分を責めず、まずはその気持ちを素直に受け止めてみてください。

就活が無理だと感じやすい場面や理由とは?

就活が無理だと感じる人が多いのは、就活中にさまざまなストレスや困難に見舞われるためです。具体的には、次のような場面や理由が挙げられます。

  • 選考に通らない・内定がもらえない
  • やりたい仕事がわからない
  • 自分の強みがわからない
  • 友人と比べて気持ちが焦る
  • 学歴や経歴にコンプレックスを感じている

ここでは、どんなときに就活が無理だと感じやすいのかについて見ていきましょう。

選考に通らない・内定がもらえない

何度も選考に落ち、なかなか内定がもらえないと、「このまま自分は就職できないのでは」と感じやすくなります。特に、第一志望の企業から不採用の通知を受けると、大きなショックを受ける人が多いでしょう。

選考に通らないのは、その企業が求める人材と自分がマッチしなかっただけです。しかし、不採用が続くと、まるで自分自身が否定されているような気持ちになってしまう人も少なくありません。

また、就活は就職先を見つけることがゴールになるため、内定がもらえないと「いつまでこの状態が続くのか」と不安を抱えてしまうケースも多く見られます。

やりたい仕事がわからない

「やりたい仕事がわからない」というのは、多くの人が抱えている悩みです。何がしたいのかはっきりと見えない状態では、就活へのモチベーションが上がりません。このような状態で説明会に参加したり志望動機を考えたりするのは、大きなストレスを感じるでしょう。

選考が進んでも「本当にこの仕事が自分に向いているのか」という気持ちが湧いてきて、不安が募ります。特に、周囲の友人が次々とやりたいことを見つけていく姿を見ると、焦りやプレッシャーを感じることも少なくありません。

自分の強みがわからない

ESや面接では、自分の強みをアピールしなければなりません。「自分の強みがわからない」「自分には他の人のような強みがない」と感じている人にとって、これは大きな負担となります。

他の人と比べて自分に何か際立った強みがないと感じると、どうしても自信を持てなくなり、選考の際に効果的に自分をアピールできません。その結果、選考に通るのが難しくなり、さらに「無理だ」と感じる悪循環に陥っている人も多いでしょう。

友人と比べて気持ちが焦る

友人が次々と内定を得る姿を見て、「自分だけ取り残されている」と感じることはよくあります。特に、SNSなどで友人の内定報告を頻繁に見ると、自分の状況と自然に比較してしまい、気持ちが焦ってしまう人も多いでしょう。また、「自分は友人よりも能力が低いから内定が出ないのだ」と、さらに悲観的になってしまう人もいます。

「友人はもう内定が決まったのに、自分はまだ何も決まっていない」という状況は大きなストレスになり、就活が無理だと思ってしまう原因のひとつです。頭では「人と比べるのはよくない」とわかっていても、どうしても友人と自分を比べてしまうこともあるでしょう。

学歴や経歴にコンプレックスを感じている

学歴や経歴にコンプレックスを持っている場合、それが原因で「どうせ自分なんて選ばれない」と感じてしまう人も少なくありません。たとえ学歴や経歴がすべてではないと理解していても、不採用が続くと自信を失い、学歴に対するコンプレックスが強く刺激されてしまいます。

その結果、「やはり自分には無理だ」という気持ちがどんどん強まってしまう人も多いでしょう。前向きに就活を頑張っていても、選考で落ちるたびに自分の過去が否定されているように感じてしまい、就活を続けるのが大きな負担になることがあります。

就活が無理!から抜け出すための対処法

「無理だ」という感情を抱えながら就活を続けるのは、大きなストレスになります。また、このような状態で選考を受けても、うまくいかないことのほうが多いでしょう。就活が無理だと感じたら、まずはそこから抜け出すことが大切です。

ここでは、就活が無理!から抜け出すための11の対処法を紹介します。「就活をやめてしまいたい」「このまま内定をもらえないのでは」と感じている人は、ぜひ参考にしてください。

自己分析を改めて行う

就活がうまくいっていないと感じたら、自己分析を改めて行いましょう。しっかりと自己分析を行うことで、自分の強みや価値観、やりたいことや目指すべき方向性などが見えてくる可能性があります。志望動機や自己PRに説得力が増し、選考に通過しやすくなるかもしれません。

自己分析は、就活の土台だと考えてください。自分の強みや適性、価値観などを理解できていない状態では、自分を効果的にアピールすることができません。また、自分にマッチしない企業に応募してしまうリスクもあります。

自己分析によって今まで気付かなかった強みを発見できれば、自信を取り戻すきっかけにもなるでしょう。「もう無理だ」と感じたら、一度自分を見つめ直す時間を作ってみてください。

就活の軸を見つける

自己分析を深めたら、自分なりの就活の軸を見つけましょう。就活の軸とは、企業選びで譲れない条件や、働くうえで大切にしたい価値観のことです。「チームで協力して成果を上げる仕事がしたい」「仕事も大事にしながらプライベートも充実させたい」「社会貢献できる業界で働きたい」など、その軸は人によって異なります。

譲れない条件が明確になると、企業選びで迷うことが少なくなります。自分に合わない企業に応募してしまうリスクが減り、志望動機もスムーズに考えられるようになるでしょう。特に「やりたいことがない」と感じている人は、就職活動の軸を見つけることでストレスを大幅に軽減できる可能性があります。

視野を広げる

就活が無理だと感じたら、視野を広げてみてください。特に、大企業や有名企業にこだわっていたり、特定の業界・業種にしか応募していなかったりする場合は、そのほかの選択肢にも目を向けてみましょう。

「自分にはこの仕事しかない」と強いこだわりを持っている人もいるかもしれませんが、選考がうまく進まない場合は適性が合っていない可能性があります。一度立ち止まって視野を広げてみると、もっと自分に合う業界・業種が見つかるかもしれません。

最初の考えに縛られすぎず、柔軟な姿勢で就活に取り組んでみてください。

志望企業について企業研究を行う

就活の軸をもとに志望企業を選んだら、念入りに企業研究を行いましょう。企業研究を行うとその企業のビジョンや価値観、求める人物像などを深く理解することができます。この作業によって、自分がその企業に対してどのような貢献ができるのかを具体的にイメージできるようになり、志望動機や自己PRがより魅力的なものになるでしょう。

企業研究を行うと、自分と企業とのミスマッチを防げるというメリットもあります。最初は魅力的に感じた企業であっても、企業研究を進めていくうちに自分の就活の軸に合わない部分が見つかるかもしれません。就活を効率的に進めるためにも、企業研究はとても重要です。

ESを添削してもらう

「なかなか書類選考を通過できない」という人は、一度ESを添削してもらいましょう。第三者に添削してもらうことで、文章のわかりにくい部分や改善点を指摘してもらえるのが大きなメリットです。

大学に常駐しているキャリアアドバイザーや、就活を成功させた先輩に相談すれば、より実践的で具体的なアドバイスがもらえます。自分では見落としがちな誤字脱字などのミスも発見しやすくなり、より完成度の高いESを作成できるようになるでしょう。

また、身近な友人や家族に相談すると、自分では気づいていない強みやスキルを指摘してもらえるかもしれません。

面接を練習する

面接で落ちることが多い場合は、面接の練習が必要です。内定を得るためには面接の通過が必須で、準備が不十分なまま面接に臨むのはおすすめできません。面接練習を繰り返すことで、本番でも緊張せずに自分をアピールできるようになり、面接の通過率がアップするでしょう。

特に、キャリアアドバイザーや就活を経験した先輩を相手に面接を練習すると、面接官からよく聞かれる質問への適切な回答や、印象の良い話し方などのアドバイスが受けられるのでおすすめです。また、「早口で聞き取りづらい」「話が長くなりやすい」など、改善すべき点も的確に指摘してもらえるでしょう。

就活マナーが守れているか確認する

自分では就活マナーを守れているつもりでも、実際には何らかのミスをしてしまっているケースも少なくありません。面接時の挨拶の仕方や身だしなみ、メールの書き方など、しっかり就活マナーが守れているか改めて確認してみてください。

どれほど学歴やスキルが高くても、実際に対面したときにマナーが守られていないと面接官に悪い印象を与えてしまいます。就活では企業から「この人と一緒に働きたい」と思ってもらうことが大切なので、遅刻をしないといった最低限のマナーを守るのはもちろん、清潔感のある服装や明るい挨拶など、細部にまで気を配りましょう。

選考の振り返りを行う

就活では、選考について振り返りを行うことも大切です。失敗や不採用が続くと気分が落ち込んでしまい、あまり思い出したくないという人もいるでしょう。しかし、失敗を振り返ることで、次の選考に向けた改善点を見つけることができます。

「ESに誤字脱字がなかったか」「面接時の回答内容や話し方に問題がなかったか」など、不採用の原因をできるだけ具体的に分析してみてください。これにより、同じ失敗を繰り返すリスクを減らし、次の選考での成功率を高めることができます。

また、悪かった点だけでなく良かった点も振り返りましょう。うまくできた部分を確認すると、それが自信に繋がり、自分の強みをさらに伸ばすきっかけとなります。

周りとの比較をしない

就活が無理だと感じる理由のひとつとして、周りとの比較を挙げました。自分と周りを比較すると不安や焦りが生まれ、モチベーションの低下や自信の喪失などを招くことがあるので注意が必要です。

就活は自分に合う企業と出会えるかどうかが大きなポイントで、周囲より内定が出るのが遅いからといって能力が劣っているというわけではありません。焦りや不安を感じながら就活に取り組んでもうまくいかない可能性があるため、他人と比較せず自分のペースで進めることが大切です。

時間の使い方を見直す

授業や研究に時間がかかり、就活のためにあまり時間を割けていないという人もいるでしょう。就活は企業研究やESの作成、面接練習などに多くの時間が必要で、準備が不十分では選考の通過率が落ちてしまう可能性があります。

就活にも時間を割けるよう、無駄な時間がないかなど、日々の時間の使い方を見直してみてください。また、「今週中に3社分のESを作成する」「◯日までに企業研究を終わらせる」など、具体的なスケジュールを立てて計画的に進めることも大切です。

就労移行支援を利用する

就活に大きなストレスを感じている人や、体調にまで影響が出ている人は、就労移行支援の利用も検討してみましょう。就労移行支援は障害を持つ人の就職活動を支援する障害福祉サービスで、就労移行支援事業所に通いながら自分のペースで就活を進められます。

就労移行支援の支援内容は、職業訓練・就活支援・定着支援の3つです。職業訓練では就職に必要なスキルやマナーの習得、就活支援ではESの作成や自己PRの仕方などを学べます。定着支援では、内定が出たあと、その企業で長く働けるようにフォローが受けられます。

就労移行支援は障害特性や体調に合わせて個別支援計画を作成し、その人に合ったペースで就活を進められるのが特徴です。専門スタッフのサポートを受けながら就活を進められるので、自分一人での就活が難しいと感じている人は、就労移行支援も選択肢のひとつに加えてみてください。

就活が無理と感じたら就労移行支援の利用も検討してみよう

就活を進めているとさまざまな壁にぶつかり、「もう無理だ」と感じてしまう人も少なくありません。就活でのストレスを軽減して無事に内定を獲得できるよう、まずは無理だと思う原因を明らかにして、それに合う対処法を見つけることが大切です。今回紹介した11の対処法を参考に、自分に合った効果的な就活の進め方を探してみてください。

「自分一人では就活を進める自信がない」「障害や体調と向き合いながら就活を進めたい」といった場合は、就労移行支援の利用を検討してみましょう。就労移行支援では専門スタッフによるサポートを受けながら、自分のペースで就活を進められます。

就労移行支援の利用を検討している方は、ぜひKaienにご相談ください。Kaienでは発達障害*の強みを活かした就労移行支援を実施していて、多くの就職実績があります。見学・個別相談会も実施しているので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます