40代の障害者の転職は可能?転職活動のポイントと相談先を紹介

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障害を持つ方が40代の転職を考えたとき、「自分に合う転職先が見つかるのか」「そもそも雇ってくれるところがあるのか」など、不安に思うことがたくさんあるでしょう。近年の日本は障害者雇用が増加傾向にあり、40代でも転職のチャンスは十分にあります。

この記事では、40代の障害者が転職活動を進める際のポイントや、転職について相談できる支援機関について詳しく解説します。これから転職を考えている方や、すでに転職活動に取り組んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

障害者雇用は増加傾向にある

厚生労働省では障害者雇用状況の集計結果を公表しており、令和5年度は雇用障害者数と実雇用率がともに過去最高を更新しました。令和5年度の雇用障害者数は64万2,178.0人で、前年度より2万8,220.0人増加しています。

障害者雇用促進法では企業や自治体に対して、常時雇用する従業員数の一定割合以上の障害者を雇用することを義務付けており、この割合を「法定雇用率」といいます。民間企業の法定雇用率は令和6年4月に2.5%に引き上げられ、令和8年7月にはさらに2.7%に引き上げられる予定です。

このような国の方針もあり、障害者雇用で働く人の数は今後も増えていくことが期待されます。

参考:厚生労働省「令和5年 障害者雇用状況の集計結果」

そもそも障害者雇用とは?

これまで障害者雇用で働いたことがない人にとっては、一般企業と障害者雇用の具体的な違いが気になるポイントですよね。

障害者雇用とはその名のとおり障害を持つ人を対象とした雇用枠のことで、障害者手帳を取得していると障害者雇用の求人に応募できます。一方、一般雇用は障害者手帳の有無に関わらず、経歴や資格などそれぞれの求人の応募条件を満たせば誰でも応募できます。

障害者雇用のメリットは、障害の程度や特性など、それぞれの事情に対して理解や配慮を受けやすい点です。面接や入社の際に自分の障害や必要とする配慮について話しやすく、業務内容や勤務時間などを柔軟に調整してもらえる可能性があります。

一方、障害者雇用の注意点は求人数の少なさです。障害者雇用で働く人の数が増えているとはいえ、一般雇用の求人と比べると種類や数は少ない傾向にあります。

40代の障害者が転職活動を行う際のポイント

40代の障害者の転職活動では、いくつかのポイントを押さえておくと自分に合った職場に転職できる可能性が上がります。具体的には、次の4つを意識して就職活動を進めましょう。

  • 新しいことを学ぶ姿勢や柔軟性をアピールする
  • 食事や睡眠など30代以上に体調管理に気をつける
  • 自身の障害特性についての理解を深める
  • 支援機関をうまく利用する

これらのポイントについて、以下で詳しく解説します。

新しいことを学ぶ姿勢や柔軟性をアピールする

40代の転職活動では、30代以前よりも経験やスキルが求められるようになります。そのため、選考ではこれまでのスキルや経験をアピールしがちですが、やりすぎると逆効果になる可能性があるので注意しましょう。

40代の障害者の転職活動では、むしろ新しいことを学ぶ姿勢や柔軟性をアピールしたほうが効果的です。もちろんこれまでの経歴も選考材料のひとつなので、適度に経歴をアピールしつつ「新しいことも積極的に学びたい」という姿勢を見せると良いでしょう。

食事や睡眠など30代以上に体調管理に気をつける

40代になると、30代の頃以上に体調管理が重要になります。睡眠や食事に気をつけて、年齢に応じたケアに力を入れましょう。体調を崩すと説明会や面接に行けず、転職活動が長引くリスクがあります。

せっかく希望の求人が見つかったのに、体調を崩して選考に支障が出るのは避けたいですよね。働きながらの転職活動は忙しくて疲労が溜まり、しっかりとケアをしておかないと体調を崩しやすくなるので、日々の体調管理に注意してください。

自身の障害特性についての理解を深める

障害を持つ方の転職活動で重要なのは、自身の障害特性についての理解を深めることです。得意・不得意を見極め、自分に向いている仕事を探しましょう。

「向いている仕事」というのは、「やりたい仕事」と必ずしも一致するとは限りません。たとえ興味を持った仕事でも、障害特性に合わないと働く上で大きな負担やストレスになります。自身の障害特性について理解しておけば、苦手で負担の大きい仕事を避けることができます。

また、障害特性について企業側に伝え、働く上で必要な配慮を求めることも大切です。障害特性を理解すると自分の苦手な作業や負担の大きい作業がわかるので、適切な配慮を求めやすくなるというメリットもあります。

支援機関をうまく利用する

1人だけで転職活動に取り組んでいると、思うように進まず落ち込むこともあるでしょう。障害を持つ方の転職活動では、支援機関をうまく利用することも大切です。日本には障害者総合支援法に基づいた障害福祉サービスが多くあり、就労をサポートするものもあります。

就労系の障害福祉サービスは一人ひとりの障害特性に合わせて就職活動や転職活動のサポートを行い、新しい職場で働き始めてからも、その職場で長く働けるように専門スタッフが支援します。「新しい職場が決まればゴール」というわけではないので、転職後の支援も受けられるサービスの活用も検討してみてはいかがでしょうか。

40代の転職に関する相談先

障害者の転職に関する相談を受け付けている機関は複数あります。1人で転職活動をするのが不安な方や、転職活動を始めたもののスムーズに進まないという方は、次のような支援機関に相談してみましょう。

  • ハローワーク
  • 障害者就業・生活支援センター
  • 地域障害者職業センター
  • 就労移行支援事業所

それぞれどのような機関なのか、以下で解説します。

ハローワーク

全国のハローワークでは、障害を持つ方向けの専門窓口を設置しています。専門窓口のスタッフは障害について専門知識を持っているので、心配事や困りごとを相談しながら安心して転職活動を進められるのがメリットです。

ハローワークでは他の支援機関と連携しながら転職をサポートしていて、働く前に転職先企業で実習を受けたり、条件に合うような求人を出すよう事業主に依頼したりできます。「転職先で問題なく働けるか不安」「希望の求人が見つからない」といった方は、ハローワークに相談してみましょう。

障害者就業・生活支援センター

障害者就業・生活支援センターは、障害を持つ方の就業面と生活面を一体的に支援する機関です。利用者には就業支援担当と生活支援担当のそれぞれが付いて、就業や日常生活がスムーズに進むよう必要なサポートを行います。

就業支援としては、それぞれの障害特性や能力に合った仕事選びのサポートや、職場定着に向けたサポートなどがあります。生活支援の支援内容は、生活習慣の形成や金銭管理、健康管理などに関する助言です。転職だけでなく自立した日常生活が送れるよう支援や助言を受けたいという方は、障害者就業・生活支援センターに相談してみてください。

地域障害者職業センター

地域障害者職業センターは、ハローワークなどの支援機関と連携しながら障害を持つ方への専門的な職業リハビリテーションを行う機関です。就職に関する希望を踏まえて職業能力などを評価したり、ハローワークと連携して求人を紹介したりするほか、職場へのジョブコーチ派遣も行っています。

ジョブコーチとは、障害者と事業主の間に立って支援や調整を行うスタッフのことです。障害を持つ人が働きやすい環境を整えられるよう、直接的・専門的な援助を実施しています。

就労移行支援

就労移行支援とは一般企業への就職を目指す障害者のためのサービスで、職業訓練や事業所内作業を通してスキルを身につけながら、面接練習などの支援を受けて企業への就職を目指します。

専門スタッフと一緒に一人ひとりに合った就労プランを立てるため、障害特性を考慮して無理なく働ける職場を探せるのがメリットです。これまでとは違う職種にチャレンジしたいという場合でも、職業訓練によって希望のスキルを身につけられます。

自立訓練(生活訓練)

転職活動を始めるにあたって、生活習慣を整えたいという人もいるでしょう。その場合は、自立訓練(生活訓練)という障害福祉サービスがおすすめです。自立訓練(生活訓練)では障害を持つ方が自立した生活を送れるように、トレーニングや助言を行います。

どのような支援を受けたいのかによって、適した障害福祉サービスが異なります。どのサービスを選ぶべきかわからないという場合は、地域の障害福祉窓口に相談してみても良いでしょう。

40代の転職は十分に可能!自分にあった仕事を見つけよう

「40代の障害者の転職は難しいのでは」と不安を感じている方もいるかと思いますが、自分に合った転職先を見つけることは十分に可能です。法定雇用率の引き上げなどで雇用障害者数は年々増えているので、必要に応じて障害者雇用の利用も検討してみてください。

転職活動に不安を感じる場合は、障害者の就労をサポートする支援機関に相談する方法があります。すぐに転職活動を始めたい方はハローワーク、障害特性への理解を深めたり職業訓練を受けたりしてから転職を進めたい方は、就労移行支援などの障害福祉サービスの利用がおすすめです。

就労移行支援や自立訓練(生活訓練)の利用を考えている方は、ぜひKaienにご相談ください。Kaienの就労移行支援や自立訓練(生活訓練)では、発達障害*の強みを活かせる実践的なプログラムをご用意しています。見学・個別相談会も行っているので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます