就労移行支援を利用する際に、生活費を稼ぐためにアルバイトをしたいと考える人もいるのではないでしょうか。結論から言うと、就労移行支援の利用中は原則としてアルバイトを行うことは禁止されています。しかし、アルバイトの頻度などによっては認められる可能性があります。
本記事では、就労移行支援利用中のアルバイトが認められるケースやアルバイトがバレた場合のリスク、アルバイトができない場合に利用できる制度などについて紹介します。就労移行支援の利用を検討している方はぜひご覧ください。
就労移行支援の制度について詳しく知りたい方は、下記の記事で解説していますので、ぜひご参考ください。
就労移行支援とは?受けられる支援や利用方法をわかりやすく解説
就労移行支援はアルバイトをしながらでも利用できる?
就労移行支援を受けている人がアルバイトを行うことは基本的にはできません。その理由や例外について見ていきましょう。
就労支援を利用しながらのアルバイトは原則禁止
就労移行支援の利用中にアルバイトをすることは、原則禁止されています。そもそも就労移行支援は障害や難病を持った人が仕事に就くための支援制度です。厚生労働省でも制度の対象者として以下の通り提示されています。
就労を希望する65歳未満の障害者であって、通常の事業所に雇用されることが可能と見込まれる者。具体的には次のような例が挙げられます。
(1) 就労を希望する者であって、単独で就労することが困難であるため、就労に必要な知識及び技術の習得若しくは就労先の紹介その他の支援が必要な者
(2) あん摩マッサージ指圧師免許、はり師免許又はきゅう師免許を取得することにより、就労を希望する者
※ただし、65歳以上の者については、65歳に達する前5年間(入院その他やむを得ない事由により障害福祉サービスに係る支給決定を受けていなかった期間を除く。)に引き続き障害福祉サービスに係る支給決定を受けていたものであって、65歳に達する前日において就労移行支援に係る支給決定を受けていた者に限り対象とします。
引用:厚生労働省「障害福祉サービスについて」
就労には正社員雇用や契約社員だけでなく、アルバイトも含まれます。そのため、アルバイトができるということは就労支援が必要ないと判断される可能性が高いのです。
加えて、就労移行支援は国の給付金など公的資金で運営されており、アルバイトができる人は上記の「単独で就労することが困難」という部分に反するため、制度の公平性を保つことが難しくなります。
以上より、就労移行支援とアルバイトの両立は原則禁止という解釈であることがわかります。なお、アルバイトは長期、単発などの種類によらず、すべて対象です。
週2回程度のアルバイトなら利用できる可能性がある
アルバイトは原則不可であるものの、週2回程度など労働時間が短い場合や、特別な事情があると認められた場合には、就労移行支援を受けながらアルバイトができる可能性があります。
やむを得ない事情があり、どうしてもアルバイトをしながら就労移行支援を受けたい場合は、諦めずに自治体や利用している就労移行支援事業所へ相談してみましょう。
アルバイトしていることがバレたらどうなる?
万が一アルバイトをしていて、就労移行支援事業所や自治体にバレてしまった場合、アルバイトを辞めるように言われる可能性が高まります。就労移行支援の利用者としてルール違反であり、事業所が黙認すれば運営停止を言い渡される場合もあるからです。
また、アルバイトが発覚した時点で事業所の退所を命じられるかもしれません。厳しい措置を受ける前に事業所に相談してみましょう。
アルバイトは申告しなければバレない?
「アルバイトについて申告しなければ、就労移行支援事業所に知られることはない」と考える人もいるかもしれませんが、バレる可能性が高いでしょう。ここでは、アルバイトがバレやすい主な2つの理由を説明します。
住民税の増額でバレる可能性が高い
アルバイトによって収入が増え、一定以上の収入になった場合、住民税が発生します。就労移行支援事業の運営費は国から出ており、行政との関わりが深い制度です。住民税額が不自然に上がることがあれば、納税情報を見た役所から就労移行支援事業所に報告が入る可能性が高いため、アルバイトなどで収入を得ていることを疑われやすくなります。
欠席や遅刻が増えて気づかれる可能性もある
就労移行支援の利用中は、平日の日中に事業所に通う必要があり、アルバイトができるのは平日の夜や週末です。
アルバイトによって生活が忙しくなり、十分な休息が取れず、就労移行支援事務所の欠席や遅刻が増えることで気づかれてしまう可能性があります。また、欠席や遅刻の理由を聞かれた際にボロが出て、自分から口をすべらせてしまう可能性もあるでしょう。
アルバイトできない場合は生活費はどうすれば良い?利用できる制度を紹介
就労移行支援の利用を希望している人がアルバイトできない場合に、各種制度を利用して生活費を確保するという選択肢があります。主な方法として、以下があります。
- 失業保険(雇用保険)
- 傷病手当金
- 生活保護
- 給付金
対象となる条件や受け取れる金額は制度によって変わるため、自治体の窓口で確認してみましょう。
就労移行支援を利用する間の生活費については、下記記事で詳しく解説しておりますので、ぜひご参考ください。
どうしてもアルバイトが必要な場合は就労支援事業者や自治体に相談してみよう
就労移行支援利用中のアルバイトは原則禁止されていますが、週2日など短い時間や、やむを得ない事情があれば許可される場合があります。隠れてアルバイトをしていて事業所にバレた場合、利用停止や退所などを求められる場合があるため注意が必要です。
アルバイトを申告しなくても、住民税の増額や就労移行支援の欠席、遅刻などによって気づかれる可能性があります。どうしてもアルバイトが必要な場合には、生活費を得るために役立つ制度も検討しつつ、自治体や事業所へ事前に相談することが大切です。
Kaienでは、就労移行支援や自立訓練(生活訓練)のサービスを提供しています。就労を目指した職業訓練やスキル向上の取り組みに参加できる他、独自の求人紹介も可能です。事業所の見学会や説明会を随時開催していますので、お気軽にご相談ください。
あなたのタイプは?Kaienの支援プログラム
お電話の方はこちらから
予約専用ダイヤル 平日10~17時
東京: 03-5823-4960 神奈川: 045-594-7079 埼玉: 050-2018-2725 千葉: 050-2018-7832 大阪: 06-6147-6189