大学での人間関係の悩みを解消する方法!大学生活に適応するには?

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大学生活は、高校までの学生生活と大きく異なります。うまく適応できるか不安に思っている人も多いでしょう。

大学生になると、これまでになかった人間関係の悩みも出てきます。「友達ができない」「周囲と比べて自分が劣っているように感じてしまう」といった悩みを抱える人はあなただけではありません。

この記事では、大学での人間関係の悩みを解消する方法を解説します。現在の大学生活で困っている人はもちろん、これから大学生になる人もぜひ参考にしてみてください。

大学における人間関係の特徴とは?高校までとの違い

大学における人間関係は、高校までとは大きく異なります。大学における人間関係の主な特徴は、次のとおりです。

  • クラスがなくなり付き合う人を自由に選べるようになる
  • 多様なバックグラウンドを持った人との関係が生まれる
  • 高校までの部活とは異なる「サークル」といった集まりができる

高校まではクラス単位で授業や行事を行いますが、大学には1組・2組のようなクラスがありません。授業は生徒がいる教室に先生が来て講義を行うのではなく、生徒が指定された教室に集まって講義を受けます。

クラスが無くなると、自分の所属先が曖昧になる面がある一方で、苦手な人と無理に付き合う必要が無くなります。そのため、自分から積極的に人間関係を広げようとしなければ、まったく友達ができなくなってしまいやすいでしょう。

また大学には、さまざまな人が入学してくるのも特徴です。高校までは、同じ年齢もしくは1歳違いの先輩・後輩との人間関係が主でした。しかし、大学には社会人を経験してから入学した人や何年も浪人して入学を果たした人など、多種多様な人がいます。そのため、これまでに出会ったことがないタイプの人との出会いも多くあるでしょう。

そして大学に特有のものに「サークル」があります。

高校までの部活と似たようなものと考えられることが多い大学のサークルですが、サークルは部活よりももっと自由で気軽な集まりです。趣味や好きなものを通じて集まった人の団体で、種類や活動も多岐にわたります。

大学のサークルはあくまでも学生が主体で運営するものです。そのため、高校の部活では起こりにくかった人間関係のトラブルが起こってしまう場合もあります。

大学で抱えやすい人間関係の悩み5選

ここからは、大学で抱えやすい人間関係の悩みを紹介します。よく聞かれる悩みは次の5つです。

  • 友達を作るのが難しい
  • 喧嘩した後の関係修復が難しい
  • 恋愛関係のトラブル
  • 孤立しているように感じてしまう
  • 周囲と比べて劣っているように感じてしまう

友達を作るのが難しい

先に述べたように、大学にはクラスというものがありません。30人程度の決められた集団で過ごす時間はなく、一人ひとり自由に過ごす時間が増えます。

クラスがあれば「たまたま同じクラスになった」「席が隣だった」という理由で交流が始まるケースもありますが、クラスがないと同じ人と同じ経験をともにする機会は減り、座席も固定ではないため、なかなか交流のきっかけがつかめなくなります。

大学で友達を作るには、自分から積極的に人間関係を築く努力が必要です。そのため、自分から人に話しかけるのが苦手な人は、友達が作りにくいと感じるでしょう。

友達と喧嘩をした

大学に入ると同じゼミや同じバイト先の人など、よく会う人と喧嘩になるケースがあります。高校までも友達と喧嘩する場面はあったかもしれませんが、関係修復に手こずるケースは多くなかったのではないでしょうか。

大学での人間関係に悩んでいる人のなかには、よく会う人と喧嘩になり関係が修復できずに、ゼミやバイトに行きにくくなり悩んでいる人もいます。

特に大学のサークルは学生だけで運営されるケースが多いため、小さな出来事をきっかけに大きなトラブルが発生しやすい場です。さらにサークル内に派閥のようなものが生まれるケースもあるため、より人間関係が複雑になっていき関係修復が難しくなる場合もあります。

恋愛関係におけるトラブルを抱えている

大学に入ると恋愛をする人も増えます。なかには恋人とのトラブルや、知人の恋人とのトラブルなどを抱える人もいるでしょう。

恋愛関係がこじれて、大きなトラブルに発展してしまったり、大切な友人を失う結果になってしまったりする人もいます。サークル内の恋愛が活発になると相関関係が複雑になって、それが原因でサークルの運営がままならなくなるケースもあります。

なかには、自分自身は恋愛に興味がないのに、周囲が次々と恋愛を始めると「自分も恋愛をしなければならないのでは?」「パートナーがいないのは恥ずかしいことなのでは?」と居心地の悪さを感じる人もいるでしょう。

孤立しているように感じる

高校までは、クラスや部活などの所属先がはっきりしていて、自分はどこの何者かという立場が明確でした。しかし、大学に入るとクラスはなくなり、部活のような強固な結びつきの集団に入る機会も減ります。そのため「自分の居場所がない」と孤立しているように感じる人もいるでしょう。

高校までは時間割に従って連続して授業を受けていましたが、大学では空き時間が発生する場合もあります。授業がない時間に自分が心地よく過ごせる居場所がなければ、大学に行くのを苦痛に感じる人もいるでしょう。

周囲より劣っていると感じる

高校には地元の人が多く通っていましたが、大学となると全国から学生が集まってきます。その学力や家庭の経済力、コミュニケーションの方法も様々です。そのため、相手と自分を比べて、自分の方が劣っていると感じたり、相手のコミュニケーションの取り方に違和感を覚えたりする場面もあるでしょう。

人は劣等感が強くなると他人とうまく関われなくなっていく場合が多いです。自分のような人間が話しかけたら迷惑なのではないかと話しかけるのをためらってしまったり、友達になるきっかけを掴んでも「自分なんて」と自分を卑下して相手に気を使わせてしまったりして、良好な人間関係を築けなくなる場合があります。

大学での人間関係がうまく築けない原因と対処法

ここからは、大学で人間関係がうまく築けない原因とその対処法を解説します。

大学では高校までと違い、自分から積極的に人間関係を築く努力をするのが大切です。内気で人に話しかけるのが苦手な人も、少しだけ勇気を出して自分から声をかけてみましょう。

人と関わるきっかけがない

大学に入ると、高校のときに比べて人と関わるきっかけが減る場合もあります。きっかけがあったとしても、良好な人間関係を構築するのが難しいケースもあるでしょう。

見ず知らずの人に話しかけるのは、とても勇気がいります。特に、何か用事があるわけでもないのに話しかけるのは、相手にどう思われるか考えると難しいと感じる方も多いでしょう。

しかし、大学において良好な人間関係を築くには、自分からきっかけを作ることが大切です。

興味があるサークルに入ってみたり、アルバイトを始めてみたり、興味があるものにはとりあえず参加してみましょう。サークル活動やアルバイトはハードルが高いと感じるなら、グループワークに参加するのも良い選択肢です。

特に新年度はサークルの勧誘が盛んなので、気になるサークルがあればぜひ見学に行ってみましょう。

人が集まる場所に顔を出せば、それだけで他の人と交流するきっかけが生まれます。自分から積極的に話しかけるのが難しくても、同じ活動や作業を通じて顔を覚えてもらえれば、それがきっかけで交流が生まれる場合もあるでしょう。

消極的で周りと関わるのに不安を感じる

大学には、全国からさまざまな人がやってきます。高校の時よりも多くの人と出会えますが、一人ひとりと深い関係を築くのが難しいと感じる人もいるでしょう。特に、もともと積極的ではなく、人と仲良くなるのに不安を感じる人は、どうすれば初対面の相手と良い関係が築けるか戸惑ってしまうかもしれません。

消極的な人に「積極的になりましょう」といっても、一朝一夕で性格を変えるのは不可能です。しかし、消極的なままでは良い人間関係を築くきっかけは生まれにくいです。

消極的な人も、少しだけ勇気を出して近くの人に話しかけてみましょう。うまく話そうとしなくてかまいません。講義で隣の席になった人、グループワークで同じグループになった人など、「この講義、難しいですよね」「前回のところがわからなくて」など一言でも話しかけてみると、人間関係づくりのきっかけとなる場合があります。

周りと比較してしまう

周りの人と自分を比較して「自分も早く友達を作らなければ」「自分も早く恋人を作らなければ」などと焦ってしまうと、良い人間関係が築けなくなります。また、成績や出身地などを比較して関わる人を選んでしまうのもよくありません。

大学で良い人間関係を築くコツは、さまざまな人と広く浅く付き合ってみることです。

もちろん、どうしても気の合わない人とまで仲良くする必要はありません。だからといって「○○な人とは絶対付き合わない」と相手の一面だけを見て付き合う・付き合わないを決めてしまっては、良い関係を築けそうな相手との出会いも逃してしまいます。

譲れない部分は大切にしながらも、先入観を持たずにさまざまな人と関わってみましょう。

大学で人間関係がうまく構築できないのは発達障害が原因の可能性も

大学で、どうしても良い人間関係が構築できない場合、発達障害が原因の可能性もあります。

発達障害とは、限局性学習症(SLD)、注意欠陥多動症(ADHD)、自閉スペクトラム症(ASD)といった脳機能の発達に関係する障害です。発達障害がある人は、障害がない人に比べて他人との関係構築やコミュニケーションが難しいという特徴があります。

例えばADHDの人の場合、不注意による遅刻が多かったり、衝動が抑えられず突発的な行動をとってしまったりします。また、ASDの人の場合はこだわりが強く、その言動が相手の気持ちを考えていない身勝手な振る舞いと捉えられてしまうケースがあります。その結果、集団の中で孤立してしまったり、親しい友人ができなかったりする人もいます。

そしてLDは、読む・書く・計算する・推論するといった特定の能力に困難を抱える障害です。そのため、人によっては学習に遅れが生じる、周囲との学力や取り組み方の違いからうまく人間関係を構築できないなど、大学生活に支障が出る場合があります。

子どもの頃は発達障害の特性が個性として受け止められていた人もいるでしょう。しかし大人になるにつれて、その特性ゆえに生きづらさを感じて、日常生活や仕事に支障が出てしまう場合があります。そのようなときは専門の相談機関や医師に相談してみましょう。

もちろん、発達障害による特性の程度は人それぞれで、特性が強く出ている人もいれば、日常生活に大きな支障はないものの生きづらさを感じる「グレーゾーン」の人まで様々です。

大学での人間関係がうまく構築できないからといって必ず発達障害が原因というわけではありませんが、どうしても人間関係の構築が難しく生きづらさを感じている場合は、自分ひとりで悩まず専門家に相談することが大切です。

参考:発達障害って、なんだろう? | 政府広報オンライン

参考:発達障害(神経発達症)|こころの情報サイト

参考:(8)学習障害|文部科学省

大人のASDやADHD、グレーゾーンについて気になる方は下記の記事もご参考にしてください。

大人のASD(自閉スペクトラム症)の方が苦手なこととは?困りごとや対処法を解説

大人のADHDは何科を受診する?検査方法や診断までの流れ、医療機関の探し方を解説

軽度発達障害とは?グレーゾーンとの違いや利用できる制度を解説

大学で良好な人間関係を構築するために利用できるサービス

最後に、大学で良好な人間関係を構築するために利用できるサービスを紹介します。

大学にうまく馴染めない・良い人間関係が築けないと悩んだときは、ひとりで悩まずに信頼できる人に相談したり、専門の支援サービスを利用したりしてみましょう。

各大学の相談窓口やカウンセリングサービス

大学によっては、学生支援部門に相談窓口やカウンセリングサービスが設けられている場合があります。人間関係の悩みを聞いてもらったり対処法を提案してもらったりできる窓口やサービスのため、誰かに話を聞いてもらいたい人は利用してみましょう。

具体的には、学生相談室などと呼ばれていることが多く、また障害のある場合は障害学生支援室などが設置されている場合があります。

相談できる時間や、相談方法については大学ごとに異なります。詳しくは学生支援課などの担当窓口に問い合わせてください。

相談窓口やカウンセリングサービスを設置していない大学については、公的機関が設置している電話相談窓口などを利用してみましょう。

厚生労働省では、困ったときの相談窓口をまとめたページを公開しています。SNSで相談できる窓口も掲載されていますので、参考にしてみてください。

困った時の相談方法・窓口|まもろうよ こころ

Kaienの大学生向け支援カリキュラム

Kaienでは、大学生向けの支援カリキュラムを実施しています。

こちらのカリキュラムでは、コミュニケーションやセルフコントロールのスキルを学ぶ「ライフスキル講座」が設けられています。

安定した学生生活を送り卒業を目指す上で大切なことを学ぶ「カレッジ講座」のほか、職業体験や就職講座、仲間づくりも行っており、より充実した大学生活を送りたい方におすすめです。

詳しくは下記のページをご覧ください。

大学生向け支援カリキュラム

発達障害・グレーゾーンの学生向け「ガクプロ」

発達障害または発達障害のグレーゾーンで、障害者雇用も検討しながら就職活動に向けた準備を進めたい方には「ガクプロ」がおすすめです。

ガクプロでは、発達障害に関する専門知識を身につけたKaienのスタッフがサポートを行います。その結果、職業体験や就職支援などガクプロの利用を通して、これまでに300名以上の利用者様の就職内定が決まりました。

なお、就労移行支援や自立訓練(生活訓練)のプログラムもオンデマンドで視聴可能です。

しゃべり場や趣味ルームなど同世代とのやり取りができるワークも豊富に実施していますので、仲間探しの場にもご利用ください。

こちらのページでガクプロについて詳しくご紹介していますので、併せてご覧ください。

発達障害・グレーゾーンの学生向け – 株式会社Kaien

自立訓練(生活訓練)

不安障害やうつ病など、精神疾患を理由に大学生活での人間関係に困難を感じている方には、Kaienの自立訓練(生活訓練)がおすすめです。

Kaienの自立訓練(生活訓練)では、講座・実践プロジェクト・カウンセリングの3つの面から、自立した生活をサポートします。

カリキュラムでは、感情のコントロール方法やストレスのやわらげ方(ストレスコーピング)、新しい環境に適応する際のコツなどを学びます。なんとなく生きづらい・環境が変わると心身の調子を崩してしまうという方は、ぜひご利用ください。

自立訓練(生活訓練)については、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

自立訓練(生活訓練)カリキュラム

大学での人間関係の悩みの解決には周囲への相談やサポートの利用も検討してみて

「クラスがなくなる」「サークルができる」など、高校までとは大きく変わる大学生活。良い人間関係が築けるか不安に感じている人も多いでしょう。

大学で人間関係の悩みを抱えた時は、ひとりで悩まず、周囲に相談したりサポートを利用したりするのがおすすめです。

Kaienでは、発達障害・グレーゾーンの学生向けのサポートサービス「ガクプロ」や、精神疾患を持つ方向けの「自立訓練(生活訓練)」など、さまざまなサポートを実施しています。

カリキュラムの中でコミュニケーションや感情コントロールの方法などを学びながら、より充実した学生生活が送れるよう親身にサポートさせていただきますので、興味を持たれた方はお気軽にお問い合わせください。