万が一の事故や病気で入院した時の費用をどうすればよいか心配なのは障害の有る無し関係ありません。現にKaienが行ったアンケートでも半数近くの方が保険に加入しています。しかし発達障害*である、または薬を飲んでいるという理由で保険の加入を断られたりするケースも見られます。障害を持つ人でも加入できる保険にはどのようなものがあるのでしょうか。今回は知的障がい・発達障がいの方専門の保険会社「ぜんち共済」の代表取締役社長・榎本重秋氏にご登壇いただき、発達障害と保険についてお話をうかがいました。
今回のゲスト
- ぜんち共済株式会社 代表取締役社長 榎本重秋 氏
なぜ障がい者保険は必要なのか
一般的に障がいを持つ人は一般の保険会社に加入しづらい現実があります。大手の生命保険会社でも障がい者に向けた保険は作られてきませんでした。ならば自分で作ってしまえ、ということで立ち上げたのがぜんち共済です。では、なぜ障がい者にも保険が必要なのかをお伝えします。
①何らかの損害を与えた場合
精神的なパニック状態から他人の物を壊したり損害を与えた場合、民法上本人の責任は問われなくても、監督者が責任を問われたりします。しかし故意や心神喪失に起因する場合は保険金の支払対象ではないのが一般的です。自転車走行中にぶつかって相手を骨折させたケースでは659万円、公園でぶつかって腰椎圧迫骨折をさせたケースでは912万円の賠償を支払った事例もございます。
②病気入院時に備えて
高額療養費制度もあるが、聴覚過敏などの理由で相部屋ではなく個室に入る場合は差額ベッド代などの負担がかかります。また入院期間中の収入も得られない場合もあります。当社でお支払いした保険金の6割がこの入院保険金で、年を取るごとに健康面でのリスクもあがって来るので、早いうちから保険に入っておくことをおすすめします。
③プライベートでのトラブルに備えて(権利擁護)
働いても給料が支払われない、騙されて高額なものを買わされた、もらい事故にあってしまった、また警察の理解が得られずに逮捕勾留されてしまった、といった場合があります。当社では弁護士保険もついていますので、顧問弁護士に相談したり、対応してもらったりすることが可能になります。
保険に関する質問に答えていただきました
セミナー参加者から保険に関しての質問がたくさん寄せられました。その中からいくつかご紹介します。
障がい者手帳を返納した後でも、保険に加入しにくいものなのでしょうか
おそらく加入できると思います。ただどういう保険に入るかによって、審査の内容が違ってくるので、過去の病歴などから断られたりすることもあり得ます。保険会社と取り扱う商品次第だと思います。
障がい者手帳を持っていることを隠して保険に加入した場合、罪に問われますか?
刑法上での罪に問われないが、保険契約上、告知を求められているのにしなかったというのであれば、告知義務違反ということで保険金が支払われなくなります。ただ無告知で入れる保険の場合はその限りではありません。
二次障害で鬱などの精神疾患にかかった時のリスクを考えた保険の入り方とかはあるのでしょうか
精神疾患はやはり長期入院になるケースも多いので、ぜんち共済でも保障の対象にしていません。私の知る範囲では精神疾患をサポートしているというところは聞いたことがないのが現実ですね。
今払っている保険料が月額13000円なのですが、払いすぎでしょうか?
保険の内容によります。金利の良い時代に入った保険は解約すると損をすることもあるので、専門家に相談した方がいいと思います。
最後にメッセージ
人間チャレンジは必要だと思っています。とは言っても、必ずしも成功するとは限らないので、仮に失敗したとしても、保険で解決できることもあるので、是非みなさんにはあきらめないでチャレンジをして社会に飛び立って活躍していってほしい。当社の保険には弁護士付帯がついていて、いずれも障害に理解のある先生方です。保険は皆さんが悩んだ時に解決するための糸口が増えることになるので、そうしたネットワークを作って人生を楽しんでいただきたいと思います。
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*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます
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