田町駅から徒歩1分の好立地、お台場を一望できる高層ビル。
グループ連結で約3万人の従業員を擁する日本を代表する自動車メーカーの一角、三菱自動車工業本社にある人事本部ダイバーシティ推進室が、障がいのある方を中心とした業務支援チームを新たに立ち上げます。
新しいチームの立ち上げの経緯や、業務内容、今後の展望などをダイバーシティ推進室のみなさまにお伺いしました。
■目次
- ダイバーシティ&インクルージョンの推進を背景に障がい者雇用チームを新たに立ち上げ
- 育休・産休取得と同じように障がい者のインクルーシブネスを社内の当たり前にしたい
- 障がいに理解ある専門スタッフを配置 安心して自分のペースで仕事を覚えることができる環境を整備
- 三菱自動車工業の求人に応募するには
ダイバーシティ&インクルージョンの推進を背景に障がい者雇用チームを新たに立ち上げ
■本日はよろしくお願いいたします。それにしても、とてもきれいなオフィスですね
(上田様)ありがとうございます。こちらのビル(msb Tamachi田町ステーションタワーS)は、2019年に本社移転しました。私たち人事本部も含めたコーポレート部門や一部開発やデザインの部門の従業員、約2,000名がこのビルに勤務しています。
働き方改革やダイバーシティの推進を背景に、一人ひとりのライフイベントやライフスタイルにあわせやすい環境を整備しています。部門間に仕切りがないフリーアドレス型であったり、従業員が自由に使えるカフェテリアの設置など、比較的明るくて働きやすい職場になっていると思っています。
■障がいのある方を中心とした業務支援チームの立ち上げの経緯を教えてください
(上田様)私たち三菱自動車グループの障がい者雇用は、これまでグループ特例子会社である三菱自動車ウイングを中心に進めてきました。
三菱自動車ウイングでは、知的障がいのある方を中心に、生産拠点である岡崎製作所、水島製作所、京都製作所の各所で清掃、リサイクル分別、自動車構成部品の組み付けなど多種多様な業務で活躍しています。しかしその一方で、精神障がいや発達障がいなどの方については、これまで積極的に雇用の対象とすることができていなかった、という課題を感じていました。
昨今はダイバーシティの観点がより重要視されており、ニューロダイバーシティという新しい考え方もよく耳にするようになりました。Kaienさんの企業向けの講演で、多様性のある人材が本社機能のなかでインクルーシブに活躍している事例がたくさんあることを知り、私たちもこのような取り組みの必要性を感じ、このチームを立ち上げることにつながりました。
産休・育休取得と同じように障がい者のインクルーシブネスを社内の当たり前にしたい
■ダイバーシティを推進するため、これまでどのような取り組みをされてきたのでしょうか
(髙瀬様)2014年に策定したダイバーシティ推進方針にもとづき、社員の多様な個性を生かし、会社と社員一人ひとりの成長につなげることを目的とした”Di@MoND活動“ (Diversity@Mitsubishi Motors New Drive) を推進してきました。女性社員の活躍やワーク・ライフ・バランスの推進、男性社員の育児休業取得やLGBTQ理解の促進、シニア人材や外国籍従業員の雇用など、ダイバーシティとインクルーシブネスの推進。またそれに伴う様々な制度や環境の整備に取り組んできました。具体的には、育児や介護などのライフイベントに対する両立支援やリモートワークなどの制度、両立支援コンシェルジュ、企業内保育園、祈禱室を設置しています。
(横塚様)最近では男性が育休を取得するケースも増えていますし、リモートワークの導入により、育児や介護と両立しながらキャリアを継続することが社員の意識の中に徐々に根付いてきたと感じます。 私自身、三菱自動車に入社してから、3度の産休・育休を取得しています。当時は、まだまだ古い考え方が残っていた時代で、女性が会社を辞めずに産休・育休を経て復職すること自体が珍しいケースでした。でも徐々に産休・育休を取得する女性社員が増えていく中で、社内の価値観も変わり、それが当たり前になってきました。会社の価値観や文化は、こうやって長い時間をかけながら、じわじわと変わっていくものなのだと実感しています。
(髙瀬様)障がいのある方の雇用についても同じことがいえると思っています。特例子会社を中心とした雇用から始まった三菱自動車の障がい者雇用ですが、本社コーポレート部門や生産部門、設計、営業部門に至るまで幅広く雇用が広がっていけば、障がいのある方とともに働く働き方が、いつの間にか当たり前の姿になっている。それを目指して、まずは私たちダイバーシティ推進室が、そのインクルーシブネスの第一歩を実践する。今回はそういう取り組みだと捉えています。
■募集する業務支援チームではどのような業務を行うのですか?
(横塚様)入社後まずは、データ入力やアンケート集計など定型的なPC作業や、オフィス内の清掃や備品管理などの軽作業をバランスよくご担当いただくことを想定しています。
その後は伝票処理や各種資料作成など、担当業務を拡大し、徐々に独り立ちしていただく予定です。各種ツールの操作に慣れていて正確性の高い方にはSharePointへのファイル格納などのデータ整理業務、語学に長けている方は就業規則等の日英翻訳など、ある程度の期間が経過し、得意な業務や強みが見えた段階で、適性に合わせた業務をお任せしていきます。
ご応募の際にはご関心がある業務・将来的にチャレンジしたい業務などをお聞かせいただければと思っています。
障がいに理解ある専門スタッフを配置 安心して自分のペースで仕事を覚えることができる環境を整備
■どのようなサポート体制があるのでしょうか
(髙瀬様)この取り組みは私たちにとっても新しい取り組みとなります。自社のリソースだけでは十分な知見がないので、職場の立ち上げにあたっては、Kaienさんにコンサルティングに入っていただき、力を発揮しやすい環境を整えていきたいと考えています。
具体的には業務支援チームの専属で、障がいに関する理解がある支援員が常駐します。支援員がマニュアルに沿って、実際の画面を見せながら業務の説明を行い、業務に慣れるまでは、都度先輩社員や支援員がダブルチェックを行う体制を整えることで、自分のペースで安心して仕事を覚えることができるようにしていきます。支援員は業務時間中いつも近くにいるので、いつでも安心してご相談いただくことができます。
また、田町オフィスには診療所があります。産業医と連携しながら、社員一人一人が安心して働けるよう、環境整備に取り組んでいきます。
■今後、障がい者雇用についてどのような展望をお考えでしょうか
(上田様)チーム立ち上げ後、まずは「頼られるチームになること」が目標です。多様なバックグラウンドを持つ人たちが集まるチームだからこその強みがあると考えています。互いに意見を出し合い、実践をすることで新しい気付きがあるはずです。その学びをチームの中だけに留めず、会社全体に広げることができるとよいですね。
つまり、これから立ち上げるチームが社内のインクルージョン実践のロールモデルになる、ということです。将来的にはメンバーの中から、他部門に送り出し活躍する事例も作っていきたいです。それを実現するために、一人ひとりの成長を支えていきたいです。
精神障がい・発達障がいの方たちには、高い専門性や強みを持った人材も多くいると聞きます。この雇用チームをきっかけとして、三菱自動車の製品開発を支える開発部門や新しい自動車を生み出すデザイン部門など、幅広く雇用の場を広げていきたいと考えています。
取材協力:
三菱自動車工業株式会社 人事本部人事戦略部ダイバーシティ推進室
上田様 髙瀬様 横塚様
聞き手:株式会社Kaien 大野順平
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