- ガクプロ川崎がオープン 就労移行支援・放課後等デイと合わせた複合型の拠点へ
- 今月のメディア・講演情報 都留文科大学で体験型ワークショップを開催
- 今月寄せられたご質問・ご意見にお答えします 「他人に気を使うアスペルガー症候群」
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- 第1号 特集「10代の発達障害」
- 第2号 特集「発達障害と間違えられやすい症状」
- 第3号 特集「発達障害者(児)の進路・就職」
- 第4号 特集「Kaien創業期~違う登山口 同じ頂上~」
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- 子どもの発達障害に関する情報はTEENSのニュースレター を合わせてご購読下さい。
1. ガクプロ川崎がオープン 就労移行支援・放課後等デイと合わせた複合型の拠点へ
6月から発達障害(疑い含む)のある大学生・専門学校生向けのガクプロが川崎にもオープンします。これまで秋葉原と新宿の2拠点とも東京都内でしたが、初めて神奈川県での事業所となります。ガクプロ川崎は、小中高生向けのTEENS川崎(放課後等デイサービス)と、大人向けのKaien川崎(就労移行支援)と同じフロアで開催。3つのサービスが同じ事業所で行えるのは川崎のみです。発達障害の方の支援拠点として今後発展させていきたいと思っています。
<リンク>
2. 今月のメディア・講演情報 都留文科大学で体験型ワークショップを開催
都留文科大学で「体験型ワークショップ なるほど“発達障がい”-凸凹を実感する-」を開催しました。また、高齢・障害・求職者雇用支援機構主催の「重度障害者雇用地方相談協力員研修」にて、研修を担当させていただきました。
<講演>
- 5/18 都留文科大学で「体験型ワークショップ なるほど“発達障がい”-凸凹を実感する-」
- 6/8 高齢・障害・求職者雇用支援機構主催「重度障害者雇用地方相談協力員研修」にて「発達障害者の特性と職場定着について」
<リンク>
3. 今月寄せられたご質問・ご意見にお答えします 「他人に気を使うアスペルガー症候群」
代表取締役の鈴木です。ニュースレターの登録時や説明会の申込みフォームなどでお寄せいただいたご質問、ご意見にお答えします。
アニメやゲーム、ネットへの依存状態
Q1-1.通わせてみたいと考えていますが、ゲーム等に依存して時間のルールを守れないのではないかと心配です。
Q1-2. アニメ、ネット依存する時間が多いです。対象事例になりますか。
鈴木. 発達障害の、ADHD傾向の強い方の場合は、気持ちや集中の切り替えが上手くいかないケースが多いです。また人間はだれしも、自分の力だけでは乗り越えられないような試練に向き合った時に現実逃避をするものだと思います。当社に来る大人の発達障害の方の多くは就職活動があまりにも巨大な壁でどこからどのように乗り越えてよいか、はじめの一歩をどのように踏み出してよいかがわからないようです。ご本人としては就活すべきだとはわかっていても、他の人のようにはサクサクできず、周囲には怠けているように見えるのだと鈴木は感じています。
このような人たちを、就労移行支援に来させるべきかどうか?個別事例によって異なるとは思いますが、鈴木の考えとしては、「まず挑戦させてください」という答えとなります。
もしかしたら、やはり夜遅くまでネット依存する癖が抜けず、就労移行支援の訓練に来ることが難しいかもしれません。就活が怖くなってゲームへの依存が強くなる可能性もゼロではないと思います。ただし、ほとんどの人の場合、ご自身もネットやゲームだけをするために生まれてきているのではないことは理解しているはずです。いくつか鈴木が発達障害の人について信じている、信じるようにしていることがありますが、その一つが「発達障害の人は社会に貢献したがっている、勤勉な人が多い」ということです。ですので、その方法さえお伝えすれば、歯車が上手く回り始めて、本来の方向に進み始める人が多いと信じています。
むしろ当初はゲームやネットを過度に避けずに、気晴らしとして奨励することもよいかもしれません。ご本人の暗鬱とした気持ちを晴らしてくれる清涼剤のような現実逃避の手段ですので、安い薬とも考えられるからです。徐々に減らせればそれでよく、働くことを楽しく感じたり、就職活動の階段が見えたりすれば、自然と適当なバランスでゲームやネットに向き合えると思います。
ゲームやネットは今の若者にとって欠かせないものですので、どのような処置をしても親世代からみると過剰な状態が続き、このぐらいまで依存度が下がったら就活という感じには中々ならないと思います。ご本人の精神面の状態が傷つきやすい状態だったり、支援者との組み合わせが悪かったり、たまたま不運がいくつか続いて就職についての壁が高まったりすることもあるかもしれませんが、まずご本人の社会とのつながりたい欲求を信じてあげて、挑戦を後押しすることが良いと思います。
他人に気を使うアスペルガー症候群
Q2. ずいぶん前から自閉症の疑いがあるといわれ 最近 アスペルガースペクトラムと診断されました 陰のいじめに苦しんでいますが 口封じされるほど 相手の思う壺に利用されています とても 傷が深いのですが それを伝えることもできず かえって 相手に耳障りよく 言わなければならない始末です いじめの加害者に気を使わなければならないことばかりです これは 普通なのですか?
鈴木. 普通ではないと思います。お寄せいただいたような状態におかれて心の傷を負わない人は少ないでしょう。そう簡単に解決策があるわけではないですが、以下、考えていただきたいポイントを書いていきます。
まずは同じような状態にある人があることを知ること、またその人たちと会うこと、話すことは、かなりの負担軽減になるようです。具体的には当事者会などに参加していただいて、自分と似た境遇の人の話を聞いたり、自分から話すことで共感を得たりするのが良いと思います。
次におそらく社会的につながりを持ちたいものの、上手に自分の信頼できる人たちにつながることができず、むしろ上手に使われるという関係しか持てない状態だと思いましたので、安心できる支援機関につながってほしいということです。悲しい性ですが、人とコミュニケーションが取りづらい人や友達が出来にくい人は、まったく社会で孤立するよりも、単純化すると悪い人たちに使われるという関係を結んでいることで孤独を紛らわすことがあるようで、それは本当に不幸な関係だからです。特に「口封じ」のところはやや気になりました。読みようによっては何らか世間的には悪いと言われる組織・活動に組み込まれて口外するなと言われているようにも読めたからです。(例:発達障害の人は例えば物を盗むというようなことを命令されてそれを断れないようなケースもあります。)行政の保健師に結び付くなどまずは無料で使える社会資源を活用いただきたいと思います。
最後に自分に優しくなるということだと思います。自分が置かれている状況はおそらく異常なのだ、ということはうすうす認識しながらも、日々日々苦しい思いをしていると、自分が耐える力が無いから、弱いからダメなんだというように必要以上に自分を責める人が発達障害の人には多いように感じます。もちろんご自身が伸びる、成長すべき部分はたくさんあると思うのですが、まずありのままの自分を認め、いたわらない限りは先に進むのが難しくなります。
ということで3点。共有すること、支援者を探す事、自分をいたわる事を意識していただきたいと思います。
又吉直樹さんの”大人の発達障害”特集を見て
Q3. 本人の父親です。先日偶然、TVで芥川賞受賞者の又吉さんの、大人の発達障害の取材を拝見しました。これまでは、自分の子供について、多少変だなと感じることはあっても、おおむね聞き分けのいい良い子と思っていました。最近は、彼の一つ一つの言動が気になって仕方がありません。外見は普通に見えても、発達障害のレポートに思いあたる節がたくさんあります。話をしても、ほとんど全く話がかみ合いません。自己認識との状況認識、時間認識がまわりと違うように思えます。これまでは、普通の子として、たくさん叱ったり、説教もしてきましたが、それはどうも間違っているような気がしてきました。国立大学を卒業しています。仕事も、職場でのコミュニケーションがうまくゆかず、数度変えています。結婚話も仕事がうまくいかないことで破談になりました。現在、TVのコマーシャル製作下請け会社のアルバイトをやっていますが、体調を崩して、1か月ほどの休みをもらって休職しています。医者の診断では、ストレスからくる胃潰瘍とのことでしたが、少し疑問に思っています。最近、ワーホリに参加したいといっていますが、説明会に参加するぐらいで具体的な行動は、一向に見えていません。精神科医の診察はまだ受けていませんが、きちんと専門家に相談したほうがいいでしょうか?その糸口として、貴社の相談会に参加してみたいと思いますが、よろしいでしょうか?ここには書ききれないほど、たくさんの気になることがあり、彼の将来のことが心配です。
鈴木. 又吉さんの取材。話題になりましたね。このような形で発達障害が社会や人を理解する一つ方法として浸透していくことはとても良いことだと思っています。発達障害は定期的にマスメディアに取り上げてほしいと思っていますし、当社も発信をしっかりしていかないとなと改めて感じました。
お寄せいただいた内容を読むに、まず早めに発達障害の専門医に見てもらったほうが良いと思います。大人のADHDが疑われる典型例と思うからです。これまでの人生を理解し、対策を考え、その人らしく考えるうえで診断を手掛かりに自身の特徴を把握してほしいと思います。
これからが心配と書かれていましたが、むしろ原因がわかりかけてきているので、安心材料と考えられるとよいと思います。もちろん障害という響きや意味づけは気持ちが悪いものです。が、発達障害の傾向はどんな人にかけらぐらいはあるものですし、その傾向が強いと理解することで生きやすくなることが圧倒的に多いですので、今後は不可解な失敗が無くなり、失敗から学びやすくなる、つまり生きるヒントを得やすくなると思います。
なお、診断前でも当社の利用説明会は来ていただいて問題ありません。医師の診断は参考程度に、当社は当社ならではのアセスメントをしているためです。
地方での格差 支援と求人の少なさ
Q4-1. 家族が診断を受けました。A型で勤めていましたが 退社。就労支援して頂いてますが、本人の納得を得られません。地方では格差を痛感します。
Q4-2. 私どもは 私がADHD,主人はアスぺ、娘3人はその混合の凸凹家族です。今後のそれぞれの就職や生活体制をかなり工夫して準備する必要を、感じていますが、静岡県にはまだそういった試みがありません。
Q4-3. 以前説明会に参加させていただいたことがある者です。今は嘱託職員として小学校で働いていますが、雇用形態の都合上、転職が必要です。私は大分県大分市在住ですが、Kaienはもちろん、発達障害者支援の機関やセンター等がほぼありません。一つ、数少ないセンターに行ってみましたが、しっくり来なかったです。遠方に住んでいても、支援を得られませんでしょうか。Kaien様をはじめ他機関でも構いません。多少失礼な文章になってしまいましたが、よろしくお願いいたします。
鈴木. このQ&Aは熊本からの帰りの飛行機で書いています。静岡には今月末伺う予定です。今、地域パートナーシップ(当社のサービスを地方でも行っていただく制度)のご説明に各地に伺っていますが、地方は確かにまだまだ都会のようには支援体制が充実していない状況は見られます。
が、地方をめぐる中で勇気づけられるのが、地方は地方でしっかりと魂のある支援者が活動をされているだけです。東京の支援企業・団体のようにネットでの発信などが弱く、地方に居ても都会の支援の光が明るく見えるかもしれませんが、かならず地方でもしっかりと動かれている方はいると思います。
鈴木としても、当社のサービスをオンラインで享受できるようにできないかと真剣に考えていた時期もあるのですが、その熱はやや下がり、やはり人対人の支援というのはネットよりもリアルの触れ合いが必要だと感じるようになっています。当社の役割の一つとしてきちんとその全国的な広がりを見える化することも活動に組み込んでいきたいと思います。
発達障害のある人向けのビジネスモデル
Q5. 発達障害の息子を持つ者です。発達障害を持つ人でスペシャリストのチームを作るビジネスモデルができないかと漠然と考えていたところ、ネットでデンマークのSpecialisterne社と御社の活動を鈴木慶太様のブログを通じて知り、とても興味を持ちました。より詳しくKaien様の活動を知りたいのですが、御社が実施している利用説明会に参加させていただくことは可能でしょうか?(息子はまだ6歳なので、本来であれば私は参加対象外かと思います)
鈴木. ご利用者向けの説明会は、利用されたい方向けです。もちろんお子様が当社の利用をされることを希望される場合はご利用説明会にお越しいただければと思いますが、当社の事業について説明するような場ではございません。当社は見学も原則受け入れておらず、もし可能でしたら講演依頼として当社にお声掛けいただくのがご要望にお答えするのでは一番かなとは思っています。
なお、鈴木は利用者に向き合う現場の時間を何より重視していてあまり先駆者ぶるようなことはどこか脇が甘くなってビジネスが崩れる気がしているので、ぜひ教えを請いたい、鈴木と15分でも話をしたいというのもすべてお断りしてしまっています。ご了承ください。
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