これまで障害者枠で最も遅れていたのは実は行政と言い切って良いぐらい遅れていました。ほとんどが身体障害者の採用でした。実際障害者手帳を保有している人が応募できるわけではなく、以下に有るようにこれまでは”身体”障害者手帳ではないといけない状態がまかり通っていたのです。
「え、それ自分の理解と違う」と思う方もいるかもしれません。というのも『チャレンジ雇用』という制度があるからです。ただし『チャレンジ雇用』は知的障害者等を、1年以内の期間を単位として、各府省・各自治体において、非常勤職員として雇用し、1~3年の業務の経験を踏まえ、ハローワーク等を通じて一般企業等への就職につなげる制度なんです。
文言としてはよく聞こえますが、正職員で採用するのは難しい障害種別と思われていたということでしょう。行政職は障害者枠でも非常に人気があったにも関わらず、行政で働こうと思っても発達障害などの知的・精神障害の人たちはこれまでそもそも叩く扉すらない状態であることが目立ちました。それが今回東京都の職員3類で発達障害を含む知的・精神障害の障害者手帳を持っている人も応募が可能になったわけです。
- 東京都:障害者を対象とする東京都職員3類採用選考の見直しについてhttp://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2017/03/30/22.html
もちろん障害者手帳のあるなしに限らず、多様な人が行政では働いてほしいですので、一般枠でも特性のある人が働きやすくなって欲しいですが、今回の東京都の変更で、障害者枠は「チャレンジ雇用がある」という言い訳が他の行政でも使えなくなっていくのは非常に良い動きだと思われます。まあこれまでが変すぎたのですけれどもね・・・。