自分に合った就労移行支援の選び方

Kaienマンスリーレポート(2016年9月)
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 就労移行支援事業所Kaien横浜の大野です。毎月、発達障害に特化した就労移行支援事業を行っているKaienのご利用者の就職実績を定期発信している「Kaienマンスリーレポート」。今回も最新の就職実績をお伝えします。

9月の就職者数は10名、うち半数がKaien利用期間6ヶ月以内のスピード就職

 9月のKaien就労移行支援6事業所全体での就職実績は10名でした。就職された10名の皆さまおめでとうございます!

 Kaienを利用開始してから就職するまでに要した期間に着目すると、6ヶ月以内で就職した人が5名と半数を占めました。次いで、6ヶ月以上1年未満の方が3名、1年以上じっくりと準備し就職を果たされた方が2名。平均すると職業訓練の平均利用期間は約9ヶ月という結果でした。

 「かなり人によって期間の違いがあるんですね」、と思われたかもしれません。そもそも就労移行支援の制度が少しわかりづらいので説明すると、就労移行支援の利用には大きく分けて「職業訓練期間」と「定着支援期間」のふたつのフェーズがあります。

 「職業訓練期間」中は、就労に向けてのスキルアップや面接練習等の就活準備などを通所型の職業訓練を通じて行い就職への準備を進めつつ、実際に面接や実習などの就職活動を同時並行で行います。専門学校やハローワークの職業訓練のように、半年や1年など決まったカリキュラム期間はなく、就職が決まったタイミングで職業訓練は卒業となり「定着支援期間」に移行するため、上記のように人によって職業訓練の利用期間が異なることになります。なお、職業訓練を継続して利用できる期間には制度上の制限があって、最長で2年間の通所が可能です。

就労移行支援全体で見るとKaienの実績は異常値?!

 下記のグラフは2015年のKaienの職業訓練利用期間の実績を集計したものです。1年を通してKaien全体での平均利用期間が7~8ヶ月というのは、実は全国の就労移行支援事業全体で見ると、突出して早いスピードでの就職実績となっています。

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 現在、就労移行支援事業所は全国で約3,500カ所あるそうですが、厚生労働省の統計調査によれば就労移行支援を利用した方で実際に就職に結びつく割合は、25%弱(4人に1人しか就職できていない)しかないそうです(なお、Kaien就職率は約85%です、平均からの偏差でいうとちょっと異常かもしれません・・・)。

 加えて言うと、全国にある就労移行支援の3割以上の事業所で、まだ一人も就職者を出せていないという、集計値もあります。言い換えれば職業訓練に2年間通っても就職することができない人がたくさんいる、ということなのでしょう。就労移行支援にご期待を持っていただき、時間的にも大きなコストをかけて利用された方々のお気持ちを想像すると、非常に複雑というか、、、いち福祉職の従事者として本当に申し訳ない気持ちになります。

就労移行支援を選ぶ際にはお試しプログラムを利用し慎重に決定してください

 その上で強く思うことは、せっかく貴重な時間をかけて就労移行支援を利用するのであれば、やっぱり自分に合ったサービスを提供している事業所を、しっかりと選んで頂きたい、ということに尽きます。

 就労移行支援は各事業所に定員が定められている福祉制度なので、定員以上の人数を同時に利用してもらうことができません。そのため現在利用中の方が就職し席が空いたら順に入っていただくという流れとなっており、実績のある人気の高い就労移行支援事業所ほど、どうしても待機期間が発生してしまうことになります。現在Kaienが運営する6事業所、すべての事業所で数ヶ月の待機期間が発生してしています。制度上やむを得ないところもあるのですが、すぐにでも利用開始を希望している方には大変なご不便をかけてしまっており、大変心苦しく感じています。

 もちろん一日でも早く仕事をしたい方にとっての数ヶ月の待期期間は決して短いはずがありません、早く通所開始できる事業所を選ぶのもひとつの選択肢だと思います。でも訓練を開始した後の通所期間も含めて、就職までの所要期間と考えていただきたいです。自分に合った事業所を選ぶことが出来なければ、2年職業訓練に通所しても結局就職できない、という可能性があることを念頭においてください。そして何より利用した結果として、納得できる就職ができるのかどうかということをご利用開始前に、慎重に見極めをしていただく必要があります。

 検討している事業所が自分に合っているかどうかを見極めるためには、各事業所が用意しているご利用検討者向けのお試しブログラムを十分にご利用してから意思決定することをお勧めします。

発達障害の特性を考慮した待機者向けプログラム

 就職活動、あるいは就労継続が困難だったとしても、その理由や背景は人それぞれです。なので、就労移行支援事業所が提供するプログラムや環境への相性も十人十色だと思います。

 Kaienでは利用を検討している方に、ご自身との相性をご確認いただくため待機中の方向けのプログラムを充実させるよう努めています。概ね第一・第三土曜日の月2回、待機者の方向けの体験セッションを実施しています。①職業訓練のプログラム体験、②現在Kaienを利用中の方との交流・情報交換、③「ようこそ先輩」(Kaienを卒業し就職した発達障害当事者の講演)などの体験型のプログラムを通じて、想像や類推をすることが苦手な方が多い発達障害の方にも、Kaienの提供しているサービスへのご理解や、利用後の就職イメージを持ちやすいプログラムとなるよう工夫をしています。

ようこそ先輩は、現役の訓練生も一緒に参加しています 就職活動での成功体験やリアルな就労体験談が今後の就活の糧になるので、みんな真剣です
ようこそ先輩は、現役の訓練生も一緒に参加しています
就職活動での成功体験やリアルな就労体験談が今後の就活の糧になるので、みんな真剣です

 

 土曜日プログラムの他、平日の職業訓練体験セッションなども通じて、待機中も定期的にKaienのプログラムにご参加いただき、ご自身とのフィット感を確かめながら、有意義に待機期間を過ごしていただけるようにしています。その上で、一定期間お待ちいただくことも含めKaienを利用して頂くことを選択していただいた皆様には、そのご期待に応えていくことができるようスタッフ一同、真摯にご支援にあたっていく必要があることを日々強く感じています。

 Kaienの就労移行支援の体験セッションへは、当社の個別相談(ご利用説明会でご案内)にてご予約をお受けしています。ご興味ある方は是非一度ご利用説明会にご参加ください。

関連リンク

  • 発達障害に特化した就労移行支援の利用説明会お申込みは こちら
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