Kaien新宿スタッフの東海林(しょうじ)です。
冒頭からいきなり余談ですが、Kaien新宿では最近、「しょうじ」というスタッフが2名になったため、訓練生の皆さんからはファーストネームで呼んでいただいています。ファーストネームで呼んでいただくと、なんだか皆さんと距離が近くなったようでウキウキソワソワしてしまう今日この頃です。
さて、本題です。
今日のトピックとしては、「もしかして私、発達障害*?」「もしかしてあの人、発達障害?」と思ったらどうしますか、ということについて書いてみたいと思います。
NHKなどでも最近発達障害が特集されているためか、数年前よりも「発達障害」への認知が上がってきていると感じています。それにより、自分自身が「もしかして発達障害?」と感じたり、あるいは同僚・部下・友人・子ども・夫・妻・親戚など身近な人に対して「あの人、もしかしたら発達障害?」と感じる方も増えてきているのではと感じます。というのも、ここ1か月で私は3件、こうした方からの相談を受けました。3件の内訳は親戚、幼馴染、Kaienとお付き合いのある企業様と様々です。相談の内容としては、「部下が発達障害なのではと思うのだが、どう対応したらいいのだろうか」だったり「社員が、自分自身が発達障害かもしれないと言っているのだが、何か会社にできることはな無いだろうか」だったりします。
発達障害の疑い、本人に伝える?伝えない?
「あの人、発達障害かも?」と思った周囲の方が一番悩むこととしては、ご本人に対して「あなたは発達障害かも」と伝えるかどうかということだと思います。これについて私は、【ご本人が困っている場合、悩んでいる場合は、伝えても良い】と思っています。
Kaienにいらっしゃる発達障害当事者の方の中には、大人になって仕事に就いてからご自身の発達障害に気づいたという方が多数いらっしゃいます。そういった方々の多くが、「発達障害の診断を受けて安心した。自分がこれまでうまくいかなかったこと、努力不足だと思っていたことが、生まれつきの特性であることが分かり、自分の頑張りが足りないせいではないと分かったから。」とおっしゃいます。(もちろん単純に安心だけではなく、人それぞれいろいろ葛藤があったとは思います。)
なので、原因不明だがいくら頑張ってもうまく行かない、と悩んでいる方の場合は、発達障害を原因の一つの可能性として考えることが、対策への第一歩となることがありえます。
一方で、自分自身で特に困ったり悩んだりしていない方に対しては、「あなた発達障害かも」と伝えるのは逆効果と言えるでしょう。心当たりがないことを言われても、しっくりこないのは誰でもそうですよね。
発達障害かも。じゃあどうする?
周囲から発達障害かもと言われた、あるいは自分自身で発達障害かもと思ったらどうしましょう。特に困っていなければ何もしなくて良いと思います。困っている場合はいくつか提案があります。
①自分を知る「診断」「検査」
メンタルクリニックや精神科病院に行くと、WAIS-Ⅲなどの心理検査を受けることができ、それにより自分の得意不得意が数値で把握できます。検査の結果が全てではありませんが、ある程度自分の傾向を知ることで、対策を立てたり、適職を探したりがしやすくなるでしょう。
ここで一つお伝えしたいのは、「発達障害の診断を受ける」ことは「障害者手帳を取得する」こととイコールではないということです。診断を受けたとしても、障害者手帳を取得するかどうか、あるいは障害者枠で働くかどうか、はいずれもご本人の自由です。
②対策を練る
自分の得意不得意や特性が分かると、仕事や生活での対策もしやすくなります。
対策については、KaienのWebサイトにも沢山情報がありますし、世の中には発達障害の方向け仕事術の書籍なども沢山あります。これらを参考にすることで、現在の職場での働き方を工夫したり、転職にあたっての仕事選びのヒントを得ることができます。また、Kaienで行っている「キスド会」のように、発達障害当事者の方が集まる場に参加し、他の方の工夫を聞いて参考にすることもできます。
【参考】大人のASD 大人のADHD 大人のLD 職場での工夫 大人の発達障害Q&A キスド会レポート
③働き方を考える
発達障害の診断を受けたからと言って、障害者手帳を取得して障害者枠で働かなければいけない、ということではありません。ですが、選択肢の一つではあります。障害者手帳を取得することで受けられるサービスや控除があります。また、企業の障害者枠で特性を理解してもらったうえで入社することで、特性への配慮を受けながら働くことができます。
【参考】発達障害と障害者手帳 雇用
長くなってしまいましたので、ひとまずここまでとします。
Kaienの利用説明会と個別無料相談は、発達障害の診断を受けていなくても、どなたでもご参加いただけます。利用説明会に参加したからと言って、必ずKaienを利用しなくてはならない、ということでもありません。ご自分がもしかして発達障害かも?と思ったら、今後の過ごし方の情報収集の一環としてご参加いただいても良いかと思います。
【参考】Kaien利用説明会
*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます