お金を扱う仕事 あなたの発達障害の特性にあっている?

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Kaien横浜の水口です。就労移行支援で行ったビジネススキルセッションの様子を今日はお伝えします。

微細・粗大運動でわかる 自分の特性と仕事の関係

月曜日は「微細・粗大(びさい・そだい)運動」の時間です。発達障害*の方が苦手意識を持ちやすい、体や手先を使った業務を行います。

  • スピードは遅いけれども丁寧さは他の人よりも高い
  • 丁寧にやっているつもりだけれども、細かい業務はやはり苦手
  • 身体を動かす作業系の業務は楽しいけれども、頃良い難しさが必要(単調すぎると飽きてしまう)

など様々な手作業・立仕事を経験する中で自分の凸凹・得意不得意・出来る出来ない・やりたいやりたくない、を見極めてもらうものです。

今日はお金を使って、現金管理の業務を体験。グループセッションでゲーム風に行いました。

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今は珍しい2000円札もあります!

使っているのは、本物のお金!!と言いたいところですが、子ども向けのおもちゃのお金です。100円ショップで500セット一括購入。やや軽いお札やコインで、本物よりも扱いはやや難しいという印象ですが、就労移行支援の訓練で使うには全く問題ないリアル感です。

処理速度、数唱、抜け漏れなどWAIS/WISCの項目を網羅している!?

発達障害の人の特性を見るには、料理をさせるのが良い。なぜなら同時並行力や処理速度、あいまいさの理解など、WAIS/WISC(発達の凸凹を見る知能・心理検査)でみるよりも歴然とわかるからだ、とある著名なお医者さんに聞いたことがあります。

今回の現金処理のビジネススキルセッションも同じような印象を持ちました。実際体験した就労移行支援の訓練生からも

  • 自分が扱うと他の人よりも紙幣がぐちゃぐちゃになってしまった とか、
  • すぐに何枚数えているかわからなくなってしまい、何回も作業を繰り返してしまう

など様々な学びがあったようです。もちろん自分の凹だけではなく

  • 処理速度は遅いが、焦らなければ間違えることが無いことがわかった とか
  • 周囲と比較して机を綺麗に整頓して作業をすることが自分の長所だと気づいた

など自分をアピールするところに気付く人ももちろんいます。今回のセッションでもお金の業務に自信を持つ人もいましたし、これは難しそうだから出来るだけ避けようと再認識された方もいたようです。

2回繰り返すはずが、1回のみに・・・

今回の自分としての気づき。実はセッションは2回繰り返し、どのようにすればスピードや質がUPするかを体験してもらおうとしたのですが、予想外にセッティングや業務の段取りが難しいようで1回のみで終わってしまいました。運営側として次回への反省です。

なかなか大量のお金を用意できず、Kaienではこれまでお金を扱う業務の訓練はできていませんでしたが、今回のセッションをみても、ASD(自閉スペクトラム症)的な要素やADHD的な要素、そしてLD的な要素などすべてが確認できるなと実感しました。繰り返しですが参加した訓練生も一人一人の気づきは大変大きかったようです。購入した500セットの”おもちゃのお金”を存分に活用していこうと思います。

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます