こんにちは。就労移行支援事業所Kaien池袋の湊です。2018年3月3日にさいたま市発達障害*者支援センターと共催で発達障害者向けの職業訓練イベントを実施いたしました。(こちら)本日はそのご報告です。
仕事力・面接力の強みと弱みが見つかった
当日は13名の方にご参加いただきました。年齢も10代から40代と幅広く、診断名やご経験もバラバラで、まさにKaienの職業訓練のようでした。
前半は「仕事力を測る」作業力チェック。三つ折り作業、データ入力、チェック作業を行いました。全部で1時間半くらいの作業でしたが、参加者の皆さんは集中力高く取り組まれていました。作業を終えられて、以下のような感想が挙がりました。
- 思ったよりできて、自分の強みが見つかった
- 作業のコツがわかってよかった
- やっぱりパソコンが苦手だと思った
後半は面接練習。面接を受けている人の動画を3つ見て、誰を採用したいのかグループワークで話し合ってもらいました。「この人は早口で聞き取りずらい」「この人は目線がしっかり向いていてよい」「元気がいいけど、声が大きすぎる」など、さまざまに意見を出していました。また、自分だったらどんなところが面接の課題になるのか考えている人もいました。
- 自己PRや志望動機を事前に整理しないといけないと思った
- ちゃんと自分と向き合わないといけないということが分かった
- フィードバックで、思ったより課題があると思った
参加者の皆さんには、気付きやご自身の課題などをお持ち帰りいただけたようで、開催できてよかったとです。
多様な人の集まりだからこそ、本当に職場で役立つスキルが身につく
講座が終わった後、支援センターの方からの「こんなに診断名も職歴もバラバラでよかったのでしょうか。」というお話に、私たち自身も気付きがありました。
Kaienでは、診断も職歴もご年齢もバラバラな利用者さんが、同じ場所で訓練を行っています。でもそれは、実際の職場でも同じですよね。実際に職場で起こりうる失敗やトラブルをKaienの訓練で経験できるので、就職した後の対策をしっかりと立てることができるのです。つい先日、定着支援に行ったときに、ある利用者さんがまさにそのことを言っていました。
- 職場で自分の業務を引き継ぐときに、うまくコミュニケーションが行かない方がいるんです。でも、一緒に訓練をしていた○○さんのようなタイプの方なので、こういう工夫をしてみてます。
- 新しい仕事を教えてもらっているんですが、どうしても自分の思う通りに進めたくなってしまうんです。でも、その気持ちって私から仕事の引継ぎを受けている人と同じだなって気づいたんです。昔だったらイライラしてしまったのですが、今は気持ちがわかるので冷静に対応できている気がします。
この方は訓練を通じて、自分がコミュニケーションを取りやすいタイプと苦手なタイプを整理することができていました。また、どうやって振り返り、次の行動につなげていけばよいのかが身についていました。お話を聞いていて、多様な人が集まるよりリアルな模擬職場環境で訓練を受けたからこそ身につくスキルなんだなと思いました。
Kaienの支援に興味のある支援者の皆様は career@kaien-lab.com へご連絡ください。なお夏に複数回支援者向けの見学会・体験会を実施予定です。詳細は今後当社ウェブサイトでご連絡いたします。
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*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます