グレーゾーンの定義の曖昧さ

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昨年末(2019年末)から今年の年始にかけて、初めてTwitterでアンケート機能を使いました。それが上記の【年またぎアンケート】あなたの意味する「発達障害グレーゾーン」とは?です。

『気付き有りで病院へ。しかし診断が出なかった』が最も正当で、表が多いことは予想していました。ただし個人的には過半数だったというよりも、約半分は他の定義だったという驚きもあります。

案外少なかったのは『本人の気づきはなし。でも周囲は気づき困っている』でしょう。3位の14%という結果。おそらく高校や大学の教職員、あるいは新入社員を受け入れる部署に行ったらこの数値がもしかしたら一番高くなるかもしれません。(逆に言うと、Twitterにいてこのアンケートに気づいたのは、周囲の人というよりも、大人の当事者が多かったということだと思います。)

『気付きも診断も有り。しかしクローズドで働いている』は最下位。でも10%ほど獲得しています。診断があるんだからそもそもグレーじゃないでしょうという冷静なツッコミを頂いたのですが、実は10人に一人は診断があっても、周囲の理解度によってはグレーゾーンと定義していることもわかります。グレーゾーンは便利な一方でかなり雑多な定義であることがわかります。

どの定義に落ち着けようではなく、このごちゃまぜの定義のグレーゾーンを理解しながら皆さんに発信していく必要を感じました。

 

文責: 鈴木慶太 ㈱Kaien代表取締役
長男の診断を機に発達障害に特化した就労支援企業Kaienを2009年に起業。放課後等デイサービス TEENS大学生向けの就活サークル ガクプロ就労移行支援 Kaien の立ち上げを通じて、これまで1,000人以上の発達障害の人たちの就職支援に現場で携わる。日本精神神経学会・日本LD学会等への登壇や『月刊精神科』、『臨床心理学』、『労働の科学』等の専門誌への寄稿多数。文科省の第1・2回障害のある学生の修学支援に関する検討会委員。著書に『親子で理解する発達障害 進学・就労準備のススメ』(河出書房新社)、『発達障害の子のためのハローワーク』(合同出版)、『知ってラクになる! 発達障害の悩みにこたえる本』(大和書房)。東京大学経済学部卒・ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院修了(MBA)。星槎大学共生科学部 特任教授 。 代表メッセージ ・ メディア掲載歴