コロナ時代の就労移行 内定者数は落ち込んだのか?

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結論からいうと、少し落ち込んでいます

ただし徐々に盛り返してきていて、もしかしたら昨年度(2019年4月~20年3月)に比べて、今年度(2020年4月~21年3月)はプラスで着地するかもしれません。

Kaienの就職者 過去2年の実数

下記のグラフは約2年の当社の就職状況です。青が就職者の実数です。オレンジは3週間平均なので、よりトレンドをつかみやすいと思います。

このグラフによると、コロナの影響を受けたこの1年(2019年10月~20年9月)は142人の就職者でした。これは前年の180人に比べると79%と2割ほど減少しています。

しかし、コロナの影響を受けた5・6・7月が、就職者数が半減(27→14)していたことを考えると、概ね平年のペースに戻ってきているとも言えますし、もしかしたらプラスで着地することもあると思っています。

数字は戻ったが中身はどうなの?

もちろん数字は戻っていますが、内容はどうかという話はあります。

例えば、まだ分析していませんが、就職条件は下がっていないと思うのですが、一方で、旅行・外食・アパレル・小売り・ジムなどの障害者雇用でも大口の業種が激減しています。このため障害者雇用の”出口の多様性”は、やや弱まっているかもしれません。

また当社では、当社サービスを使う人だけに向けた、非公開の合同面接会を開催するなど、まずはKaienに通っていただいている方を就職へという施策をいくつか打ち出した結果、ようやく平年並みになるかという状況ですので、支援機関に結び付いていない方は就職戦線が厳しいものになっているかもしれません。

ちなみに当社は定着支援事業も行っていますが、そちらで離職が多くなっている傾向は今のところ見られません。

こういう時期だからこそ支援機関の力が問われる

就職をダイレクトに支援する就労移行支援はもちろん、今後も当社は自立訓練(生活訓練)の事業所を、東京・立川や、大阪・福島(梅田の1駅隣)にOPEN予定。就職力の礎をつくる支援を行っています。生活訓練は、埼玉・大宮や、千葉・津田沼、そして横浜でも立ち上げたいと思って準備を始めています。

厳しい時期だからこそ質にこだわっていきたいと思います。

文責: 鈴木慶太 ㈱Kaien代表取締役
長男の診断を機に発達障害に特化した就労支援企業Kaienを2009年に起業。放課後等デイサービス TEENS大学生向けの就活サークル ガクプロ就労移行支援 Kaien の立ち上げを通じて、これまで1,000人以上の発達障害の人たちの就職支援に現場で携わる。日本精神神経学会・日本LD学会等への登壇や『月刊精神科』、『臨床心理学』、『労働の科学』等の専門誌への寄稿多数。文科省の第1・2回障害のある学生の修学支援に関する検討会委員。著書に『親子で理解する発達障害 進学・就労準備のススメ』(河出書房新社)、『発達障害の子のためのハローワーク』(合同出版)、『知ってラクになる! 発達障害の悩みにこたえる本』(大和書房)。東京大学経済学部卒・ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院修了(MBA)。星槎大学共生科学部 特任教授 。 代表メッセージ ・ メディア掲載歴