Kaien横浜の石川です。当社の就労移行支援利用者の就職実績と、発達障害のある人の就職トレンドを毎月お伝えしている「Kaienマンスリーレポート」。今回は8月分のデータをもとにお話ししていきます。
8月もスピード就職が多数!
8月の就職者数は10人でした。おめでとうございます!
そのうち、当社に独自にいただいている非公開の求人=「Kaien求人」からの就職は6人。就職までの平均訓練期間は6.8か月。全国平均は18か月(当社で独自に算定)ですからおよそ3分の1です。
独自求人、密度の濃い訓練、発達障害への見識…すべてが相まって高い就職実績につながっています。この結果こそがKaienの力だといえます。
しかし、就労移行支援事業所はいまだ増加傾向です。当社が真っ先に始めた”発達障害に特化”をうたうところも珍しくなくなってきました。どの事業所がおススメなのかさっぱりわからない、という方も多いでしょう。
改めて、当社の強みについて、業界の最新事情も交えながらお話したいと思います。
就労移行支援事業所とは?
そもそも就労移行支援事業所とはどんなところでしょうか。
「就労移行支援」は障害者総合支援法に基づいた障害福祉サービスです。各事業所は就労を希望する障害・難病がある方の「職業訓練」「就職活動」「職場定着支援」の大きく3つをサポートしています。もちろんKaienでもそのすべてに力を入れています。
全国で3000か所超え!増加する就労移行支援事業所
就労移行支援事業所は増え続けています。全国には3146事業所(平成27年度調査)あり、前年度からおよそ10%の増加。首都圏では、東京都内で272事業所(東京都保健福祉局)、私がいる横浜市内だけでも60か所以上あり、過密化がすすんでいます。
選択肢が増えるのはいいことですが、同時に、何を基準に選んだらいいのか迷いも増えます。一方われわれ事業所側も、どんな特徴でアピールしていくのかが問われています。
就労移行支援事業所を選ぶポイントは?
では何を基準に就労移行支援事業所を選べばいいのでしょうか?以前のまとめがあるので(自分に合った就労移行支援の選び方)詳しくは省略しますが、大事なのは、まず、ご自分の利用目的を明確にすることだと思います。
今は各事業所が「週1から通える!」「在宅で支援!」「お弁当も支給!」「二次障害に強い!」など、独自の路線を打ち出し差別化をはかっています。一方で、数が増えすぎたためか、定員割れの事業所も非常に多いと聞きます。
就労移行支援事業所の利用は最長2年間の有期です。現場の支援をしていて強く感じるのは、目的があいまいだと、どこを利用しても結果は出にくいということです。訓練終了が就職を約束するものではありません。本当に就職/転職したいのか、いつまでにしたいのか、コミュニケーション力を身に着けたいのか、まずは居場所が欲しいのか、など、利用目的をご自分の軸ではっきりさせてから、各事業所を比較されるといいと思います。
待機も生じるKaienの強み
そうした中、訪問先の行政やクリニック、支援機関の方からよくいただくのが「定員割れの所もあるのに、どうしてKaienさんでは待機者が出るんですか?」というご質問です。
そうなんです。申し訳ないことに、当社は都内5か所、神奈川2か所のすべての事業所で、入所まで少しお待ちいただく「待機」が発生しています。受け入れ定員に対して、ご利用希望が上回っているためです。(このあたりは最新のスタッフブログでも触れています「発達障害の人が埼玉から都内に通うために」)
しかし、この「待機」は、実は当社の強みの裏付けでもあります。当社の強みを支えるもの、それはなんといっても「出口が確保できていること」です。
こちらは、2017年4月から8月までに就職した人の内訳です。160人のうち96人、60%が当社に独自にいただいた、非公開の「Kaien求人」を経て就職しています。
出口が確保できていることは、当然、就職スピードにも関係します。
たとえばKaien入所まで最長半年お待ちいただいたとしても、就職までの所要期間は全国平均よりは短い見通しとなるのです。
実際この8月、私がいる横浜事業所でも、昨年末から入所をお待ちいただいたものの、就活を始めて3カ月で第一志望のKaien求人に決まった方がいました。「いやー、入所まで待ったかいがありました!結局早かったです」とのこと。少し耳が痛いですが、これも安心して送り出せる出口が見えていたからだと思います。
企業様・修了生と育んだKaien求人
Kaien求人は一朝一夕で生まれたわけではありません。発達障害に特化した唯一無二の就労移行支援事業所としてスタートして以来、ご関心をもっていただいた企業様と一緒に作り上げてきたものです。初期の利用者が道を切り開き、それに続こうと背中を追った方々の足あとが、やっと今、道になってきているのだと思います。
だからこそ「待機」の数だけ「期待」がある。スタッフもそう肝に銘じたいと思います。