先月の1月22日、24日、26日に一大イベントであるKaien合同面接会が3日間行われました。合計29社の企業様に参加いただき、会場は終始 、企業様と就労移行支援の利用者(以下訓練生)の声で満たされ、熱気に溢れていました。
今回初めて見学して驚いたのは、いつもと違う訓練生の姿がそこにあったということ。いつも、といっても訓練生によって様々ですが、例えば面接練習で答えられずドキマギしてしまったり、一つ報告するにしても言葉がなかなか出てこなかったり。今回はそんな彼らがKaien合同面接会を経験し、成長したであろう姿をこの記事でお伝えしたいと思います。
面接を通し成長する
静まり返った面接会場は、ぞろぞろと訓練生が入室するやいなや、企業様の声と訓練生の声が徐々に混じり合い、会場の音量、熱量が一気に跳ね上がります。ある訓練生は身振りを交え、またある訓練生からは笑顔がこぼれ、それを受けた面接官からも笑顔がこぼれている様子をみて、しっかりと質問に答えられているようにみえました。
その姿は面接練習後の少し落ち込んで背中を丸めた姿とは違い、頼もしくみえ、少しずつ変化しているのだと思わずにはいられませんでした。
実際に面接を受けた訓練生はどんな感想を抱いたのか。以下に訓練生の声を幾つか抜粋してみていきたいと思います。
- 時間制限があったため、話そうと思っていたことを話せなかったのが残念だった。
- 想定外の質問が来た時に言葉が詰まってしまった点。
- カンペキを目指さなくても、失敗から学び、次回に活かせば良いと感じた。
私が担当している訓練生は、面接練習では上記二点と同じことをこぼし、目線も泳いでしまったと不安なようにみえましたが、実際の面接の場では背筋はピシッと伸び、面接官に目線はしっかりと向けられていました。また失敗から学び、次に活かせばよいと気づきを得ているのをみて、ここにも着実に成長していく姿をみることができました。
面接の場は確かに多くの人にとっては書類作成、面接練習と辛いことかもしれませんが経験することで気づきを得て、成長できる場にもなるのだと改めて思ったところです。
面接見学を通し自身を投影する
Kaienでは実際の面接を見学するという試みがなされていて、会場から少し離れた場所にスペースを設け、面接見学をしてもらうようにしています。下記に、面接をみた訓練生の声を抜粋します。
- 15分見学したが、時間は結構あるなと思った。しっかり自分の話をするのに十分そうである。
- 周囲のブースからの音に惑わされず、集中して面接に臨むことが重要だと感じました。
- 机の上に手を出している方がいらっしゃいましたが、所作として目立つことがわかったので、手は膝の上にきちんと置いて面接に臨もうと思います。
実際、私も面接を見学させてもらい画期的だと思わずにはいられませんでした。というのも見学者は面接を受ける訓練生に自分自身を重ね合わせることで対策し、意気込みを生み出すことができるからです。
今回Kaien合同面接会をみて思ったことは、就職に向けた場所でありながら、訓練生が気づき、成長していく場になっているということ。面接を通し気づきを得る。その様子をみて見る側も気づきを得る。その気づきが訓練生をより前進させているということ。
私にはKaien合同面接会を経験した訓練生の姿が今すごく頼もしくみえます。今回仮に受からなかったとしても成長した彼らのきたるべき未来はそう遠くないように思います。
*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます