発達障害がある大学生の学生生活と就職活動

「発達障害学生白書」先行セミナーを開催しました
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Kaien/ガクプロの藤です。7月26日に、「発達障害*学生白書」先行セミナーと題して、発達障害がある大学生の学生生活と就職活動についてイベントを開催しました。①Kaienからは「発達障害学生白書をつくってわかったこと」、②明治学院大学様にご登壇いただき、発達障害の傾向がある方向け 「就職活動準備講座」の事例ご報告 ③現役訓練生の「私の学生生活と就職活動」の3本立てでお送りしました。

「学内で友人が全くいない学生は30%」「留年経験者は25%」など、数値にすると支援の重要性をより感じる

発達障害のある学生の支援を充実させたい、発達障害のある学生の就職支援はどうすればうまくいくのかを明らかにしたい、そんな想いから「発達障害学生白書」を作成しています。今秋リリース予定ですが、その一部を先行セミナーにて報告いたしました。

「学内で友人が全くいない学生は30%」「留年経験者は25%」など、様々な項目に関してご報告さしあげたのですが、あらためて数値として出すと、発達障害学生支援の重要性を感じます。

発達障害学生白書では、こういった学生の現状だけでなく、支援体制を作る際の課題や対策についても踏み込んで作成中です。早く皆さまのお手元に届けられるようにしていきたいです。

明治学院大学の取り組み 発達障害の傾向がある方向け 「就職活動準備講座」

今回は、明治学院大学学生相談センター、主任カウンセラーの戸谷先生にご登壇いただきました。Kaienとコラボして実施している、発達障害の傾向がある方向け「就職活動準備講座」の取り組みについてお話しいただきました。

ふだんガクプロで実施しているプログラムの一部を「出前」として学内で実施をさせていただいています。「発達障害の傾向がある方向け」として開催しているため、定型発達の学生が参加する同様の講座よりも、安心して参加いただけているように思います。お話の中では、どのように学内で参加者を集めているか、など、運営上どのような点がポイントになるかなどについてお話いただきました。

個人としては、これまでずっと明治学院大学様と一緒に試行錯誤して講座を作ってきたので、こうしていったん振り返る意味でお話しいただけたことはとても嬉しかったです。貴重なお話をありがとうございました。

「私の学生生活と就職活動」

最後に、現在就労移行支援を利用されている方から「私の学生生活と就職活動」についてお話しいただきました。Kaienの学生向けサービス「ガクプロ」からいらしている方で、学生時代に就職活動で躓いたこと、何もかも嫌になって引きこもりかけたが、ガクプロや就労移行支援に参加することで「失敗がプラスになるんだ」ということに気づいた、といった内容でした。

話のポイントとしては、訓練(失敗してもいい場)を通して、自分の課題を落ち着いて見つめることができるし、課題に関しても他者からフィードバックがもらえて良い。落ち込んだとしても仲間がいる、というところです。堂々とした話っぷりでした。彼のことを学生時代から見てきていることもあるのですが、本当にめざましい成長ぶりで、その成長を感じることができて良かったです。

参加された方の声

  • 学生の現状など知れて勉強になりました。
  • 発達障害の学生は数が少なく、統計が取れるほどではないため、白書の結果は参考になった。
  • 明治学院大学の就職の取り組み。同じ傾向を持つ人が集まることで安心感もわくし、不安なことも共有できると感じました。運営については個別的な問題も含まれるので難しいこともあるでしょうが、画期的だと思いました。
  • 課題だと思っても対策にヒト・モノ・カネを出せない現場がほとんどだと思います。“プロ”の手を借りる方法で提案していきたいと思いました。
  • 明治学院大学の取り組み事例について、キャリアではなく学生相談センターが主体となり行い、学内の協力体制がなされている点は理想的と感じました。
  • 当事者が仰っていた「他者と働くことへの抵抗感が自分の中にないことがわかった」「失敗がプラスになる」がとても印象的で、Kaienがとてもサポーティブな空間であるのだろうとも思えました。

また同テーマで、秋ごろに実施ができたら良いなと考えております。また大学生・専門学校生向けの就職支援プログラム『ガクプロ』をぜひのぞいてみて下さい。

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます