こんにちは!就労移行支援事業所Kaien池袋の湊です。
ご利用まで迅速に!短くなったKaienの待機期間
Kaienの就労移行支援事業所も7か所と増えました。日々の利用は7拠点で150人ほど、登録者全体では200人弱になるでしょうか。「Kaienは利用開始までの待期期間が長い」と言われているようですが、現在、都内事業所では待機期間(利用希望から実際の通所までの期間)が3か月ほどに縮まっています。(ガクプロや人材紹介は待機自体ありません。)
事業所の数が増えるといろいろな事情を抱える方が集まりやすくなります。当社では地域の支援機関や医療機関の方と「発達障害*」や「仕事」について意見交換をする機会を増やしています。池袋は埼玉の玄関口。この記事では埼玉の支援機関・医療機関とお話していることを共有したいと思います。
都内の求人の魅力 埼玉からも多くの発達障害の人たちが都内へ
地域の方とお話をしていると「職場定着」が難しいという話題になることが多いです。ちょっとしたことであきらめてしまったり、通勤がやっぱり無理でしたと辞めてしまったり、ということが多いそうです。
通勤については、訓練の段階から試したほうが良いと地域の支援者との間で話題になります。実際に埼玉の支援機関へつながっている方の半数は都内へ就労されるそうです。やはり求人の数が圧倒的に違いますし、給与の高さも大きく違います。都内での就職を考えるのであれば、訓練の時から都内に通うという視点も必要でしょう。
実際Kaien池袋やKaien秋葉原の事業所へも埼玉県から多くお通いいただいています。
就労移行を使うなら「通勤」も訓練のうち
通い始めて最初はやはり慣れない電車通勤に、「通うのがつらいです」「帰ってから、疲れてぐったり寝てしまいます」と相談をされる方がいらっしゃるのは確かです。就職してからもそんな状況に陥るでしょう。その時に、特に発達障害の方が陥りやすい課題を3つに分けてお伝えします。
- 自分の状況を正しく認識できるか?それを支援者や周囲に伝えられるか?
例:熱があるのか、体がだるいのか、腹痛がするのか
実際、セルフモニタリングが苦手だったり、表現がうまく出来ない人が多くいらっしゃるので、就労移行の間にここを練習するという視点は重要です。 - 短期的に対応できる対策を支援者と考えて、すぐに手を打てるか?
例:数日休めば大丈夫なのか、1日の労働時間を短縮することが良いのか、業務の種類が多いと感じているのか、職場で心休まる場所がないのかなど
このあたりの対処法も幾つか就労移行支援の間に試せると良いでしょう。 - 最後に体調を崩さないために根本的な処置を考えられるか?
例:埼玉県内の就職先が良いのか、部署を変更してもらうか?日曜日など週末の過ごし方や夜の過ごし方を変えるか、食生活を変えるか、引っ越しをするか?
おそらく実際の職場よりもプレッシャーは少ない就労移行支援の期間に体調を崩すのは黄信号。細かな対応だけではなく、根本的に大丈夫?という確認は必要になります。
就職してしまうと、「どうしたら通えるのか」を相談する子とも、通うペースを考えることもできないので、しっかりとステップを踏むことが大切だなと日々感じています。
仲間ができると安定する!?
「発達障害の方は、障害や悩みについて共有できる “仲間”ができると就職もそのあとの定着も、うまくいく気がするんだよね」
埼玉県のある支援者がおっしゃっていたことです。同じことは地域に関係なく支援者の間で語られます。同じ状況・立場の人と一緒に就活をするというのはやはり心強いのだと思います。実際以下のような話題で訓練生同士の話が弾むこともあります。
- 「長距離通勤が良いのか、近場が良いのか?」
- 「特性を分かってくれる事業所を選ぶには、やはりたくさん求人のある都内が良い?」
- 「都内に働いたとして、定着支援やクリニックも都内が良いの?地元が良いの?」
Kaienは発達障害に特化しているので、Kaienで初めて自分と同じ発達障害の人に会ったという人も多いです。キャリアカウンセリングの時に、訓練生が「自分以外に同じ悩みを抱えている人と話ができて、良かったです」と言ってくれることもあります。こういった時間が自己理解を深めたり、独りではないという気持ちを持たせてくれるんだなぁと最近思います。わかってもらえる、気持ちや悩みを共有できる安心感は、誰にとっても前に進んでいくための大切な要素なんですね。
福祉・医療関係支援者の見学を受け付けています!
Kaien池袋では支援者の方の見学をお受けしております。「実際に関りのある訓練生の様子を見てみたい」、「これから案内しようと思うけどどの就労移行が良いのかわからない」という方は、ぜひご連絡ください!
連絡先:career@kaien-lab.com
担当:湊(みなと)
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*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます