世界中が「青」に染まる日 ~発達障害啓発週間~

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こんにちは、就労移行支援事業所Kaien池袋の湊です。

4月2日は世界自閉症啓発デイとして、世界中で青く照らされるイベント(Light it up blue)が開催されていました。世界自閉症啓発デイ(World Autism Awareness Day)とは、2007年12月18日の国連総会でカタール王国王妃によって提案・決議をされ、全世界で自閉症を理解しようという取り組みです。 日本においても、4月2日から8日までを発達障害*啓発週間として、自閉症だけでなく発達障害と合わせて理解を広める活動が行われており、あちこちでイベントが開催されていました。

Light It Up Blue

毎年4月2日には、アメリカのAutismspeaks(英語)によって、発達障害の一つである自閉症の理解を啓発するために世界中のランドマークを青くライトアップするイベントが開催されています。「青」は、心が穏やかになりにくい自閉症の人たちが”心を落ち着けることが出来る色”ということから、自閉症啓発デイのシンボルカラーとなったようです。有名な場所だと、ニューヨークのエンパイアステイトビルディングやパリのエッフェル塔などが青く照らされていました。

私、湊も、「Light it up blueのイベントを見たい!」と思い、当日東京タワーに行ってきました。あいにくの曇り空で少し肌寒かったのですが、18:30になるといつものオレンジ色ではなく青く東京タワーが点灯し、満開の桜と合ってとてもきれいでした。

青く光る東京タワー(湊撮影。上手でなくてすみません。)

アスペルガー症候群をテーマにした映画

一般社団法人日本発達障害ネットワークもこの期間に様々なイベントを開催されていました。
その中で、アスペルガー症候群をテーマにした映画を鑑賞するイベントに参加し、シンプル・シモン(2010年スウェーデン)、とメアリー&マックス(2009年オーストラリア/日本)という映画を2本見てきました。

映画のイベントで配られていたバッジ(I have developmental Disordersと書かれています)

「シンプル・シモン」は2011年のアカデミー賞の外国語映画部門にもノミネートされた作品で、ご存じの方も多いかもしれません。アスペルガー症候群の男の子を中心に、家族やお兄さんの恋人、新しい出会いなどを絡め、当事者の一生懸命な姿やそれが”普通”とずれてしまっていることがわかりやすく描写されています。パニックになると土管(ロケット)の中に閉じこもってしまったり、主人公のお兄さんの接し方がとても上手で、「そうそう!こうやって話しかけられるといいんだよね」と思うことも多々あり、とても面白かったです。1時間半のショートムービーなので、ぜひ見ていただきたいなと思いました。

「メアリー&マックス」は、オーストラリアのに住む女の子とニューヨークに住むアスペルガー症候群を抱える男性の文通のお話で、アニメーション全体の色が灰色ベースであったせいか、全体的に重く暗い内容でした。ただ、主人公の辛さや痛みから来るパニックや人との関わりの難しさが暗い描写だからこそ、心に痛く伝わってくるように思いました。心に余裕があるときに見ることをお勧めします。

誤解の多い発達障害

先日ある企業の方とお話をしていて、「人の気持ちがわからないと思っていたけれど、笑顔を見せてくれたり、気遣いができる人もいるんですね。」と言われたことがありました。法整備もされつつあり、世間一般の認知度も高まってきたと感じる一方で、まだまだ発達障害は誤解も多いんだなと感じます。発達障害は、目に見えずらい障害であったり、人によってはわかりにくい障害であるが故に当事者は辛い思いをされことが多いです。また、当事者であるご本人たちも、今の状況から抜け出したい、変わりたい思いがある一方で、こだわりから変わることが出来ない辛さも感じられることも多いようです。「シンプル・シモン」も「メアリー&マックス」もご本人と世間の認知のズレやこだわりがわかりやすく描かれている映画でしたので、あまり難しく考えずに気軽に映画やイベントを通じて多くの人に「発達障害」の理解がすすむといいなと思います。

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます