問題解決のためのフレームワーク -Kaienのキャリアカウンセリングの秘密-

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会話のキャッチボールをする中で現状に気付き考えが整理されていきます。

Kaien秋葉原スタッフの鈴木です。

当社職業訓練ではそれぞれの訓練生に担当スタッフが付き、月に2回30分ずつ個別のキャリアカウンセリングを実施しています。訓練や就活などの現状と今後の方向性についてお話ししてご自身のアクションに役立てて頂くことを目的としています。今回は当社のキャリアカウンセリングについてご紹介します。

まずご本人の現状を共有いただき整理することがキャリアカウンセリングの狙いの1つです。前回のキャリアカウンセリングから今回までのおよそ2週間の間に訓練や就活でどのようなことがあったかご本人から伺います。30分間を有効に使うため事前に担当スタッフに話したいことをメモなどを使ってまとめておくようお願いしています。また何を話していいかわからない方や気になった出来事を漫然とを話してしまう方もいらっしゃるため、お話する際には「うまくできたことやできなかったこと、またなぜそうなるのか」といった「行動の結果とその原因」を軸にして話していただくようにお伝えしています。

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  • 面接に苦手感があったが、先日の面接では落ち着いて話すことができた。事前に面接練習に参加して障害特性の伝え方で具体例を使って伝えると良いというアドバイスをもらい、それを参考にして過去のエピソードを交えて話をすることができた。
  • 訓練で作業の進め方が分からなかったが、上司が他の訓練生から質問を度々受けていたためいつ質問に行ったらいいかわからずに30分以上何もせずに待っていた。そのため作業が予定より遅れてしまった。

現状を把握していくと、どういうところを伸ばしていったらいいか課題点が明らかになってきますので、それではどうすれば改善するだろうかということをお話します。ご本人からこうしたいと仰ることもありますし、スタッフからこのようなことを試してみてはどうだろうと提案することもあります。当社では目標とそれを達成するために行うアクションを所定のシートに書き込みながら整理しています。あまり大きな目標を立ててもなかなか達成できず意欲が下がってしまうので、1ヶ月で達成できそうな小さめの目標にするのがコツです。1ヶ月後のキャリアカウンセリングで目標の達成度を自己評価してできたこととできなかったことを整理し、そこから次の1ヶ月の目標を改めて設定します。

例)

  • 事前に面接で聞かれそうな質問をピックアップして回答の仕方を考え準備しておくと当日頭が真っ白になりづらい。面接練習で聞かれて答えづらかった質問を想定問答集として回答を作成し、スタッフに添削を依頼して、◯日までに完成させる。
  • 質問したいことがあるが上司が忙しく捕まらない時は、先に進めることができる作業があればそちらを行ってタイミングを待つ。もしくは後で簡単に修正ができることであればまず自分の考えた方法で先に進めてしまい、後で上司の確認を取ってやはり必要であれば修正を行う。このように行動できたか次回のキャリアカウンセリングで報告する。

1ヶ月ごとの短期目標管理の他に、就活用の中長期の目標を管理する専用シートも準備しています。いつまでに就職したいという時期が決まっている方はそこから逆算してどのくらいのペースで就活を進める必要があるか大まかなスケジュールを組み立てます。特に就職は急いでおらずゆっくり進めたいという方はまず応募書類のひな形を完成させるなどマイルストーンを決めて計画をしていくこともあります。こちらもキャリアカウンセリングで進捗状況を確認し、適宜計画変更も行います。

ここまでお話してきましたが、これらは特に発達障害がある方向けに特化した支援というよりは、問題解決や目標達成のためにビジネスでよく使われるフレームワークです。具体的にどう行動していけば就職につながっていくかをご本人にわかりやすくお伝えし、実際に行動をしていただくのに大変役立っています。医療や福祉でのカウンセリングでは「傾聴」「共感」「受容」が強調されることが多いと思いますが、当社のキャリアカウンセリングは課題解決に力点を置いているということが特徴的だと考えています。