速報 日本一はやい体験記「スタンフォード・ニューロダイバーシティ・サミット 2022」

社長ブログ

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昨年に引き続き、ニューロダイバーシティサミットに参加しました。3日間。深夜1時から翌日正午ぐらいまで。実は経営合宿と重なっていて、なかなか大変でした…。

寝不足をおして書く、最も速い(でも非常に簡素な)観戦記。気づきを箇条書き程度にとどめます。

  • 今年の参加は2500人ほど。昨年の倍ぐらいの印象。世界でニューロダイバーシティが来ている。(Google検索も「neurodiversity」が右肩上がりとのこと)
  • ニューロダイバーシティとはいえ、まだ世界は「ASD:自閉スペクトラム症」がメイン。ADHD(注意欠如多動症)やSLD(限局性学習症)はまだサブの立場。逆に言うとやはり社会性やコミュニケーションというのがどこの国でも課題になりやすいという事。
  • アメリカはもちろんカナダ、イギリス、オーストラリアなどから研究者やドクター・専門家が多数参加。最新研究が多数披露。二次障害・トラウマ・LGBTQとのダブルマイノリティ性など医学的なものを中心に、合理的配慮や自己権利擁護の実践、法廷内での支援の在り方など多岐にわたった。(そういえば発達障害*と睡眠については、今回主催した教授も関わる研究が、14億円の5か年研究予算がついたとの発表もあった。桁が一桁どころか二けた違う…。)
  • スタンフォード大学が主催していることもあって、高大接続(高校と大学の接続)の話題は多い。一方で中高生の当事者やそのきょうだいがプロジェクトを行い発表していて、その数も質も昨年の比ではなかった。
  • 雇用数で言うと日本はおそらく世界一のニューロダイバーシティ(≒発達障害)雇用国。しかし障害者雇用に守られている部分が大きい。世界は(日本でいう)一般枠でのがちの勝負で雇用数を増やし続けている。
  • 日本が一番遅れているのは、研究面にくわえて、起業面。この1年でニューロダイバーシティの当事者が起業したり、ニューロダイバーシティ向けのサービスを作ろうという企業へのベンチャー投資が加速している。日本は福祉制度というぬるま湯なので企業努力が足りなすぎると痛感。
  • オンラインで行われたが、Hubiloという仕組みがとても良く、ニューロダイバーシティを愛する世界の人たちと交流できてとても満足。10年来の再開も果たせて、そういう人的交流面でもとても満足できた。
当日の様子 各国別のコミュニケーションの質比較 日本はあいまいな社会としてニューロダイバーシティ的には厳しいことが示唆されている

当社も、スタンフォード大学にお願いしてスピンオフ版「ニューロダイバーシティサミット JAPAN」を先月開催したばかり。当日の様子はこちらの特設サイトや動画から。早くも来年の本開催が楽しみだし、「ニューロダイバーシティサミットJAPAN」も2023を開催予定なので乞うご期待です。

 

文責: 鈴木慶太 ㈱Kaien代表取締役
長男の診断を機に発達障害に特化した就労支援企業Kaienを2009年に起業。
放課後等デイサービス TEENS大学生向けの就活サークル ガクプロ就労移行支援 Kaien の立ち上げを通じて、これまで1,000人以上の発達障害の人たちの就職支援に現場で携わる。日本精神神経学会・日本LD学会等への登壇や『月刊精神科』、『臨床心理学』、『労働の科学』等の専門誌への寄稿多数。文科省の第1・2回障害のある学生の修学支援に関する検討会委員。著書に『親子で理解する発達障害 進学・就労準備のススメ』(河出書房新社)、『発達障害の子のためのハローワーク』(合同出版)、『知ってラクになる! 発達障害の悩みにこたえる本』(大和書房)。東京大学経済学部卒・ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院修了(MBA)。星槎大学共生科学部 特任教授 。 代表メッセージ ・ メディア掲載歴社長ブログ一覧

*発達障害は現在、DSM-5では神経発達症、ICD-11では神経発達症群と言われます