仕事中に動悸が止まらない理由!原因や考えられる病気、対処法を紹介

公開: 2025.3.19更新: 2025.3.31

仕事中に動悸が止まらなくなると、業務に集中できず、不安になる方もいるでしょう。

動悸が止まらない原因として、ストレスや不規則な生活リズム、カフェインの過剰摂取などが考えられます。これらを放置すると、身体や精神の病気を発症するおそれがあるため、適切な対処をすることが大切です。

この記事では、仕事中の動悸の原因や考えられる病気、対処法、動悸が改善した後に利用できる支援サービスをご紹介します。

仕事中に動悸が止まらない理由や原因

仕事中に突然動悸が止まらなくなると、不安を感じる方も多いでしょう。動悸とは、心臓がドキドキと速く打つ感覚や、強く脈打つような違和感を指します。

動悸の原因はさまざまで、ストレスや生活習慣の乱れ、飲食習慣などが関係していると考えられます。また、特定の病気が隠れている可能性もあるため、放置せずに原因を探ることが重要です。

仕事中に動悸が止まらなくなる主な原因について、詳しく見てみましょう。

ストレスによる自律神経の乱れ

仕事のプレッシャーや緊張が続くと、自律神経のバランスが乱れやすくなります。

自律神経は交感神経と副交感神経の2つで構成されており、精神的なストレスや不安を感じると交感神経が活発になります。その結果、筋肉がこわばって血圧が上昇し、呼吸が浅くなって動悸が起きるのです。

なお、動悸自体は決して珍しいことではありません。例えば、大役を任された業務や大事な発表の前など、緊張する場面では心臓がドキドキと速くなることがあるでしょう。ただし、仕事によるストレスが長期的に続くと、自分で緊張を解くことができず、自律神経が乱れてしまいます。

精神疾患とまではいかないものの、自律神経の働きが不安定な状態が続くと、頻繁に動悸を感じるでしょう。ストレス管理を意識し、適度な休息やリラックスできる時間を確保することが大切です。

睡眠不足や不規則な食生活など生活リズムの乱れ

睡眠不足は自律神経のバランスを崩し、交感神経が活発化すると、心拍数が上昇するため動悸の原因となる場合もあります。

特に長時間の残業や夜更かしが続くと、心身の回復が十分にできず、日中の活動中に動悸が起こるケースが増えるため、注意が必要です。

また、不規則な食生活も動悸の原因になることがあります。朝食を抜いたり、栄養が偏った食事が続いたりすると、鉄分が不足して貧血を引き起こします。

貧血になると体中に酸素を供給するヘモグロビンが減少し、体全体に酸素を届けることができなくなるため、動悸が起こりやすくなるのです。

生活リズムの乱れは、自律神経だけでなく、ホルモンバランスにも影響を与え、体の不調を引き起こす場合もあります。規則正しい睡眠と栄養バランスの取れた食事を意識してください。

カフェインの過剰摂取

集中力を高めるためにコーヒーやエナジードリンクを飲む習慣がある人は多いでしょう。

カフェインを過剰に摂取すると、交感神経が刺激されて心拍数が増加し、動悸を引き起こすことがあります。1日に何杯もコーヒーやエナジードリンクを飲む習慣がある場合は、カフェインの影響で不整脈が生じることもあります。

また、カフェインには利尿作用があり、体内の水分やミネラルが不足しやすくなるため、血圧の変動や脱水症状を引き起こす場合もあります。

その結果、体がストレスを感じ、動悸が強くなるでしょう。特に空腹時にカフェインを摂取すると、胃腸への負担も加わり、自律神経が乱れる要因となります。

適量のカフェインは集中力を高める効果がありますが、過剰摂取は動悸や不眠の原因になります。摂取量を見直し、適度な水分補給やノンカフェイン飲料を取り入れましょう。

仕事中に動悸が止まらない時に考えられる病気

仕事中に動悸が止まらない理由はいくつか考えられます。単なるストレスや生活習慣の乱れだけでなく、何らかの病気が関係しているかもしれません。

例えば、不整脈や心臓の病気、甲状腺の異常、精神的な疾患が潜んでいるケースもあります。

以下より、仕事中に動悸が止まらなくなる際に考えられる主な病気について解説します。動悸以外にも、胸の痛みや体調の変化をともなう場合は、医療機関の受診を検討してみましょう。

不整脈や心臓の病気

動悸は不整脈や心臓の病気のサインで見られることもあります。不整脈とは、心臓のリズムが乱れる状態を指し、脈が速くなったり、飛んだりするような感覚をともなうでしょう。

不整脈が頻繁に起こる場合や、長時間続く場合は、心臓の異常が疑われます。特に心筋梗塞や狭心症などの重大な心疾患を発症すると、動悸のほかに胸の痛みや息苦しさ、冷や汗などの症状が現れることがあります。

また、心不全などの病気でも動悸が現れることがあり、動悸に加えて、むくみや疲労感が強い場合は注意が必要です。

仕事中に突然強い動悸が起こり、胸の圧迫感や痛みを感じる場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

動悸が続くと不安を感じるかもしれませんが、心配し過ぎず、落ち着いて専門医に相談しましょう。

参考:国立研究開発法人 国立循環器病研究センター「不整脈|病気について|循環器病について知る|患者の皆様へ」

甲状腺の病気 

甲状腺の病気も、仕事中に動悸が止まらなくなる原因の一つです。「甲状腺機能亢(こう)進症」という病気の場合、動悸が見られる場合があるでしょう。

また、甲状腺の病気の代表的な例として「バセドウ病」があります。バセドウ病では、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで心拍数が上がり、動悸が起こるケースもあります。

甲状腺の病気になると、動悸のほかにも、汗をかきやすくなる、体重が減少する、手が震える、疲れやすくなるといった症状が見られるでしょう。

「急に汗をかきやすくなった」「食事量が変わらないのに体重が減る」といった変化を感じた場合は、甲状腺の異常が疑われます。

甲状腺の病気は、ホルモンの分泌量を調整する治療を受けることで、症状を改善できる可能性があります。気になる症状がある場合は、内分泌内科や内科を受診し、血液検査を受けてみましょう。

適応障害や不安障害など精神の病気

緊張感をともなう仕事をしている人の場合、過緊張の状態が続き、精神的な負担が大きくなり、適応障害や不安障害を引き起こすケースもあります。これらの病気では、強い不安感や緊張が続くことで自律神経が乱れ、動悸が起きる場合もあります。

常にプレッシャーのある職場環境や、人間関係のストレスを抱えている場合、交感神経が過剰に働く状態が続き、心拍数が上がりやすくなります。

その結果、仕事中に急に動悸を感じたり、息苦しさを覚えたりするでしょう。動悸のほかにも、手足の震えや冷や汗、集中力の低下などが現れることもあります。

適応障害や不安障害の症状は、環境やストレスの影響を大きく受けるため、仕事量を調整したり、リラックスできる時間を持ったりすることが大切です。動悸が続いて仕事に支障をきたしている場合は、一人で抱え込まずに専門家にご相談ください。

仕事中に動悸が止まらない時にすぐにできる対処法を紹介 

仕事中に動悸が止まらなくなると、焦りや不安を感じるでしょう。しかし、落ち着いて適切な対処をすることで、症状を和らげることが可能です。

例えば、動悸の原因がストレスや生活習慣にある場合、深呼吸をしたり、環境や食生活を変えてみたりすると改善できることもあります。

以下より、仕事中に動悸が起こった際にすぐに試せる対処法をご紹介します。焦らず冷静に対処し、必要に応じて医療機関の受診も検討しましょう。

深呼吸をしてリラックスする

仕事のプレッシャーや不安感によって、無意識のうちに体が緊張状態になり、動悸が起こることがあります。

このような「過緊張」が続くと、自律神経のバランスが崩れ、交感神経が優位になって心拍数が上昇しやすくなります。

動悸が止まらないときは深呼吸を意識的に行い、体の緊張を解きましょう。おすすめの呼吸法は「4-7-8呼吸法」です。具体的な方法は以下をご覧ください。

  1. 4秒かけて鼻から息を吸う
  2. 7秒間息を止める
  3. 8秒かけて口からゆっくり息を吐く

この呼吸法を数回繰り返すことで、副交感神経が働き、リラックス効果を得られるでしょう。また、姿勢を正して深く息を吸うだけでも気持ちが落ち着き、動悸を和らげることにつながります。仕事中に動悸が気になったら、一度手を止めて、深呼吸を試してみましょう。

参考:北海道「ストレスをやわらげる呼吸法」

環境を変えてリフレッシュする

仕事の環境が原因で動悸が起こる場合、一時的に環境を変えると効果的です。長時間同じ場所で作業を続けていると、ストレスが溜まりやすく、体の緊張もほぐれにくくなります。

席を外せる状況であれば、一度席を立ち、休憩室や屋外で過ごしてみるのもよいでしょう。特に自然の多い場所に行くことで、気分がリフレッシュしやすくなります。

また、オフィスのなかで仕事のことを考えながら食事をすると、無意識のうちにストレスがかかり、交感神経が活発になってしまうことがあります。外の空気を吸いながら食事をとるとリラックスでき、動悸の改善につながるでしょう。

心理的な要因で動悸が起こっている場合、環境を変えるだけで気持ちが落ち着き、症状が軽減されることもあります。仕事中に動悸を感じたら、できる範囲で環境を変えてみてください。

参考:厚生労働省「共通「メンタルヘルス対策」安全衛生のポイント」p3

参考:環境省「データで見る国立公園の健康効果とは?」

カフェインや刺激物の摂取を控える

前述の原因でも触れたように、カフェインの過剰摂取は動悸を引き起こす要因の一つです。カフェインは摂取後すぐに影響が現れるため、動悸が気になったときは、一旦コーヒーやエナジードリンクを控えるのが良いでしょう。

さらに、辛い食べ物などの刺激物も、心拍数や血圧の上昇につながる可能性があります。例えば、唐辛子を多く使った料理や香辛料の強い食事は、交感神経を活発にし、動悸を悪化させる原因になることがあります。

仕事中に動悸を感じた場合は、昼食や夕食に刺激の強い食べ物を避け、消化の良い温かいスープや和食など、体に優しい食事を選ぶのが理想的です。

また、水分補給も大切です。カフェインを控えるだけでなく、水やハーブティーなどのノンカフェイン飲料を意識的に摂ることで、体のリラックスを促し、動悸を抑える効果が期待できます。

参考:厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~」

仕事中の動悸が長期的に続く場合の対処法

仕事中に動悸が頻繁に起こるだけでなく、長期的に続く場合は、単なる一時的なストレスではなく、何らかの病気や心身の不調が関係している可能性があります。

動悸が慢性的に続くと、集中力の低下や疲労感が増し、仕事のパフォーマンスにも影響を与えることがあります。

動悸は自己判断で放置せず、必要に応じて医療機関を受診しましょう。以下より、仕事中の動悸が長期化している場合に考えられる具体的な対処法を紹介します。

内科を受診する

動悸が長期間続く場合、まずは内科を受診して、身体的な原因を特定しましょう。適切な検査を受けることで、隠れた病気を早期に発見できる可能性があります。

また、女性の場合は、更年期障害やホルモンバランスの乱れが動悸の原因になっていることもあります。

特に40代以降の女性は、エストロゲンの減少により自律神経のバランスが崩れ、動悸が起こりやすくなることがあります。こうした症状も、婦人科を受診すると適切な治療を受けられるでしょう。

血液検査や心電図検査を行うことで、動悸の原因が身体的な病気によるものなのか、ストレスや生活習慣の影響によるものなのかを判断できる場合があります。

長期的に動悸が続く場合は、まず内科を受診し、必要に応じて専門医の診察を受けましょう。

精神科や心療内科を受診する

内科での検査を受けても特に異常が見つからない場合、精神的な要因が影響している可能性があります。その場合、精神科や心療内科を受診してみましょう。

仕事のストレスやプレッシャーによって精神的な負担が蓄積し、自律神経の乱れによって動悸が生じるケースは少なくありません。

適応障害や不安障害、パニック障害などの精神疾患では、動悸のほかに、不安や息苦しさ、めまいなどの症状が伴うことがあります。特に、仕事の場面で強いストレスを感じると動悸が起こる場合、心理的な影響の可能性が高いです。

精神科や心療内科では、ストレスの影響を評価し、必要に応じてカウンセリングや薬物療法を受けられます。医師に相談し、原因が明らかになることで安心感が生まれ、動悸が軽減することもあります。身体的な原因が見当たらない場合は、精神面からのアプローチも検討してみましょう。

参考:厚生労働省「不安障害|こころの病気について知る」

休職や退職を検討する

動悸の原因が仕事による強いストレスや精神的な負担にあると診断された場合、休職や退職を検討することも選択肢の一つです。

特に適応障害やうつ病などの診断を受けた場合、無理に仕事を続けることで症状が悪化するリスクがあります。

長期間にわたって強いストレス環境にさらされると、自律神経の乱れが慢性化し、動悸だけでなく、不眠や頭痛、倦怠感などの症状が現れることもあります。休職することで心身を休め、回復の時間を持つことができるため、一度仕事から距離を置いてみましょう。

また、仕事が原因で動悸が続いている場合、環境を変えることで症状が改善するケースもあります。退職を検討する際は、転職やキャリアチェンジの可能性も視野に入れ、今後の働き方を見直してみるのもよいでしょう。次の章では、休職後や退職後の復職・再就職に活用できる支援サービスについて詳しく紹介します。

参考:厚生労働省「事業場におけるメンタルヘルス対策の取組事例集 ~いきいきと働きやすい職場づくりに向けて~」p2

動悸が改善した後復職・再就職するために利用できる支援サービス

動悸が改善した後、再び働きたいと考えても「同じ状況にならないか」「どのように復職・再就職すればいいのか」と不安を感じる方も多いでしょう。

無理のないペースで復職や転職を進めるためには、以下の支援サービスが利用できます。

  • ハローワーク
  • リワーク
  • 就労移行支援
  • 自立訓練(生活訓練)

以下より、上記の支援サービスが行っている就労支援サポートについて紹介します。適切な支援を受けながら、自分に合った働き方を見つけていきましょう。

ハローワーク

動悸の原因がストレスや過度なプレッシャーによるものだった場合、無理なく働ける職場環境を見つけることが重要です。ハローワークは、求職者の就職活動をサポートする公的機関で、職業相談を受けながら自分に合った働き方を考えることができます。

また、ハローワークでは、適応障害や不安障害を抱えている方が利用できる「障害者雇用枠」についての相談も可能です。

一般枠での就職が不安な場合は、障害者雇用枠を活用することで、配慮のある職場環境で働ける可能性があります。例えば、職場でのサポート体制が整っている企業や、短時間勤務が可能な仕事を選ぶことができます。

さらに、ハローワークでは「職業訓練」も提供されており、スキルアップしながら新しい職種にチャレンジできます。再就職に向けた準備を進めたい方は、一度ハローワークで相談してみましょう。

ハローワークの職業訓練については、以下の記事もご参照ください。

職業訓練とは?種類やコース、受講のメリットから申し込みの流れまで解説

参考:ハローワークインターネットサービス「障害のある皆さまへ」

参考:厚生労働省「求職者支援制度のご案内」

リワーク

仕事が原因で動悸が止まらなくなり休職に至った方には「リワーク」の利用がおすすめです。

リワークとは、復職を目指す方が職場復帰に向けて準備をするためのプログラムで、主にメンタルヘルス不調を抱える方を対象にしています。

リワークでは、ストレス対処法を学びながら、仕事に適応するためのスキルを身につけられます。例えば、職場での人間関係のストレスに対処する方法や、過緊張を防ぐリラクゼーション技法を学べるでしょう。

これらのスキルを習得すると、復職後に過度なプレッシャーを抱え続けるリスクを減らし、再び動悸が起こるのを防げます。

また、リワークでは、実際の職場に近い環境で模擬業務を行い、徐々に仕事の感覚を取り戻せるため、復職後の精神的な負担を軽減し、スムーズな職場適応が可能です。特に休職期間が長かった方や、再発の不安がある方には、リワークの活用がおすすめです。

リワークの概要や就労移行支援との違いについては、以下の記事をご参照ください。

リワークとは?受けられる場所や就労移行支援との違いも解説

参考:高齢・障害・求職者雇用支援機構 障害者職業総合センター「リワーク支援の取組について―千葉障害者職業センターにおける支援の紹介」p3

就労移行支援

動悸がするほど心理的に追い詰められた方が、ストレスの対処方法を学びながら仕事へ復帰するには「就労移行支援」の利用もおすすめです。就労移行支援とは、病気や障害のある方が安定して働くためのスキルを習得できる支援サービスです。

就労移行支援は、全国に多数の事業所があり、事業所ごとにプログラムが異なります。特にKaienの就労移行支援は、精神障害や発達障害のある方に対する支援に強く、個々の状況に合わせたサポートが受けられます。

自己理解を深めながら、ストレス管理や働き方の工夫を学び、無理のない形で社会復帰を目指せるでしょう。

また、就労移行支援では、実際の企業での実習や実践型プログラムも提供されています。Kaienには他社にはない独自求人が多数あり、ITやデザイン系のスキルも身に付けられるため、自分に合った仕事を見つけられるでしょう。

就労移行支援と後述する自立訓練(生活訓練)との違いについては、以下の記事をご参照ください。

自立訓練(生活訓練)とは?就労移行支援との違いや併用についても解説

自立訓練(生活訓練)

仕事を離れている間に生活の基盤を整えたい場合は「自立訓練(生活訓練)」の利用もおすすめです。自立訓練(生活訓練)とは、社会復帰に向けて日常生活のリズムを整えたり、ストレスのコントロール方法を身につけたりするための支援サービスです。

Kaienの自立訓練(生活訓練)では、生活リズムを整えたり、ストレスや不安を和らげたりするためのプログラムが受けられます。

例えば、ガジェットを活用して生活リズムを確認したり、自分に合ったストレス対処法やコミュニケーション手法を実践したりして、安心して社会復帰する準備を進められます。

また、Kaienでは日常生活に必要なスキルだけでなく、職場見学や体験もできるため、復職に向けたステップを踏み出せるでしょう。

「まずは生活のリズムを整えたい」と感じている方は、ぜひKaienの自立訓練(生活訓練)をご活用ください。具体的なカリキュラム内容については、以下でご確認いただけます。

自立訓練(生活訓練)カリキュラム

仕事で動悸が止まらない時は休養が大事!休職や支援サービスの利用も検討してみて

仕事中に動悸が止まらなくなる原因として、ストレスや生活習慣の乱れ、カフェインの過剰摂取などが挙げられます。しかし、不整脈や甲状腺の異常、精神疾患などが関係していることも珍しくありません。

動悸の症状が長引く場合は内科や婦人科、精神科を受診しましょう。動悸が続いて仕事に支障が出る場合は、休職や転職を視野に入れるのも一つの方法です。

Kaienの就労移行支援や自立訓練(生活訓練)では、ストレス管理や生活リズムの調整をサポートし、自分に合った働き方を見つける手助けをしてくれます。

動悸が改善した後、無理なく復職・再就職を進めるためにも、ぜひKaienのサービスを活用し、自分に合った職場環境を整えていきましょう。

監修者コメント

動悸は主観的な症状であり、本人から自覚できても、心電図などの他覚的所見では何も見られないことが多いのが特徴です。動悸の起こる精神疾患の一つとして、パニック障害が良く知られています。皆さんはパニックの語源をご存知ですか?この言葉の語源は古代ギリシャ時代に遡ります。

古代ギリシャは多神教でしたので、ギリシャ神話にはさまざまな神がいたのですが、その中にパン(Pan; Πάν)という神がいました1)。狩人や自然、山羊などを守護する半人半獣で、普段は笛を吹く穏やかな神なのですが、昼寝を乱されると大声を上げるため、そばにいた動物が一斉に逃げ出すという光景が見られました。この光景をある(古代ギリシャ)の著者が “ panikos” (突然の恐怖)と名付けたことからパニックという英単語になりました。

この神話のようにパニック状態になると、人々は理性的な思考ができなくなり、恐怖に圧倒された状態になります。脳で起きた興奮に対して、心臓や肺は「闘うか逃げるか (fight or flight) 」といった瞬時の対応ができるように準備します。こうしてパニック障害のひとつである動悸が起こります。

心臓が原因の動悸は数分で終わるものが多いのですが、パニック障害など精神疾患による動悸は数時間続くことが特徴的な違いです。ある資料には、15分以上動悸が続く時は精神疾患を疑うと書いてありました2)。恐怖や不安といった感情は1時間から24時間まで続くという研究があり3)、パニック障害で動悸が長引く理由も納得できるのではないでしょうか。

1) https://en.m.wikipedia.org/wiki/Panic

2) https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/kochi/20140325001/douki.pdf

3) https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0092410

監修:中川 潤(医師)

東京医科歯科大学医学部卒。同大学院修了。博士(医学)。
東京・杉並区に「こころテラス・公園前クリニック」を開設し、中学生から成人まで診療している。
発達障害(ASD、ADHD)の診断・治療・支援に力を入れ、外国出身者の発達障害の診療にも英語で対応している。
社会システムにより精神障害の概念が変わることに興味を持ち、社会学・経済学・宗教史を研究し、診療に実践している。


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