仕事に行きたくないは甘え?行きたくないと感じる理由や対処法を解説

2025.1.23

働いていると、つい、「仕事に行きたくない」と思うこともあるのではないでしょうか。さらには、仕事に行きたくないのは甘えでは?と考えて、さらに思い詰めてしまうケースも少なくありません。

そこで本記事では、仕事に行きたくないと感じる理由やその対処法について解説します。また、仕事に行きたくないときに避けるべき行動についても紹介しますので、ぜひ最後まで目を通してみて下さい。

仕事に行きたくないと感じるのは甘えなの?

仕事に行きたくないと感じるのは甘えではありません。

転職サービス会社の調査機関であるJob総研の2022年調べによると、20代~50代の社会人の77%が「仕事をしたくない・行きたくないと感じた経験がある」と回答しています。(※1)

また、厚生労働省の調査でも働く人の82.7%が、今の仕事や職業生活に強い不安や悩み、ストレスを抱えていることがわかっています。(※2)

現代の働く人の約8割が、仕事に行きたくない、仕事がつらいと考えている状態です。そのため、仕事に行きたくないと感じることは決して甘えではなく、多くの人が感じることといえるでしょう。

また、仕事に行きたくないと感じることは、心身不調のサインである可能性もあります。身体を壊さないためにも、甘えと決めつけずに無理をしすぎていないか確認することが大切です。

※1 参考:Job総研「2022年仕事の意識度調査」

※2 参考:厚生労働省「令和5年労働安全衛生調査(実態調査)」個人調査 

仕事に行きたくないと感じる理由とは?

仕事に行きたくないと感じる理由にはどのようなものがあるか解説します。理由を知ることで解決の糸口を見つけやすくなるため、自分に当てはまる理由がないか探ってみて下さい。

職場の人間関係に問題がある

職場の人間関係に問題があるということは、仕事に行きたくないと感じる大きな理由といえるでしょう。


パワハラやセクハラといった場合だけでなく、苦手な上司や顧客、相性の悪い先輩や同僚などがいるだけでも、仕事がスムーズに進まず、大きなストレスとなることが少なくありません。

特にチームプレーでの仕事の場合は、多くの人数が関わることでストレスが特に大きくなることもあるでしょう。また仕事で関わる人数が少ない場合や苦手な人と近い距離で仕事をしなければならない場合にも、大きなストレスを抱える傾向があります。

職場の雰囲気に馴染めない

職場の雰囲気に馴染めないことも、仕事に行きたくないと感じる理由の1つです。

入社したばかりや異動したばかり、転職したばかりといったケースには、職場の雰囲気に馴染めないといったことがよくあります。特に最近はリモートワークも多く、職場に行く機会が少ないために雰囲気に慣れないケースも少なくありません。このように馴染みにくい職場だと、孤立感を覚え、会社に行きたくないと感じてしまうでしょう。

業務量が多過ぎる

業務量が多過ぎることも、仕事に行きたくなくなる理由の1つといえます。

業務量が多いと達成感が得られにくい上、休むと仕事がさらに蓄積していくというプレッシャーのもと、なかなか気が休まることはないでしょう。また、勤務中ほとんど休憩できなかったり、残業や休日出勤が多くしっかり休めなかったりするため、心身ともに疲労し、仕事に行きたくないと感じてしまうこともあるでしょう。

業務量が多い場合は、過労で身体を壊すこともあるため、注意が必要です。会社に行きたくないと思ったら、身体のSOSと捉えて休みを取るなどの対処をしましょう。

給与が低い

給与が低いことも、仕事に行きたくなくなる理由として挙げられます。

自分の貢献度や業務量に対して給与が少ないと、正当に評価されてないと感じて、仕事のモチベーションを奪われてしまうことも少なくありません。がんばっても報われない状態にあると、やる気が失せ、仕事そのものが嫌になることもあるでしょう。また、安く使われていると感じて会社に不平や不満が募ることも少なくありません。

このように給与が低いといった待遇の悪さからやる気を奪われ仕事に嫌気がさし、仕事に行きたくなくなることもあります。

通勤が苦痛に感じる

通勤が苦痛に感じる場合も、仕事に行きたくないと感じる理由の1つといえます。

朝のラッシュアワーの満員電車がつらい、電車に乗っている時間が長い、帰りも疲れているのに座れないなど、通勤がストレスになることは少なくありません。

特にコロナ禍のリモートワークで「通勤時間なし」を経験した後に出社体制に戻った場合などには、通勤を改めて負担に思ってしまった人も多いでしょう。

通勤の苦痛さも仕事に行きたくないと思わせる大きな原因といえます。

仕事にやりがいを感じられていない

仕事にやりがいを感じられていない場合も、仕事に行きたくないと思ってしまうことがあります。

希望の仕事ではない、社会に貢献している実感がない、単調な仕事ばかりなど、仕事にやりがいを感じられない状況は人さまざまです。単調な仕事でもやりがいを感じられる人はいるため、同じ仕事でも向き不向きでやりがいの有無は変わるといえるでしょう。

やりがいを感じるには自分にあった仕事に就くことが大切です。仕事にやりがいを感じないと、仕事がおっくうになり、仕事に行くのが嫌になりかねないといえます。

業務に自信がもてない

業務に自信がもてない場合も、仕事に行きたくないと思う理由になることがあります。

仕事に失敗した、仕事が遅い、仕事が覚えられないといったことを気にして、業務に自信がもてない人は少なくないでしょう。また、仕事はできるほうであるものの同期や後輩と比べてできていないと感じて、自信を失ってしまうこともよくあります。

業務に自信がもてないと、自己肯定感が下がったり、周りに迷惑をかけているのではないかと気になったりして、仕事に行きたくなってしまうでしょう。

心身の疲労がたまっている

心身の疲労がたまっている場合も、仕事に行きたくないと感じる理由の1つです。

身体がだるい、疲れているのに眠れない、食欲がない、急に涙が出るなど、心身の疲労から会社に行く気力がわかないといったことも少なくありません。「理由はよくわからないけど、仕事に行きたくない」「仕事に行こうとするとなんだかしんどい」といった場合も、心身疲労の可能性があるため注意しましょう。

仕事に行きたくないと思ったときに避けるべき行動

仕事に行きたくないと思ったときに取りがちな行動であるものの、やってはいけない3つの行動について解説します。事態を悪化させないために、避けるべき行動として把握しておきましょう。

無断欠勤する

仕事に行きたくないと思っても、無断欠勤は避けましょう。

仕事を無断欠勤すると、職場に心配と迷惑をかけてしまい、あなた自身の信用を失いかねません。あなたの評価が下がり、キャリアにも影響します。自分のためにも職場に迷惑をかけないためにも、出社が難しい場合には、会社に連絡しましょう。

会社に行きたくなくてやむを得ず休む場合には、体調不良と伝えて休むのが無難です。「頭痛で出社が困難なため、休みます」など、理由は簡潔にし、休む意思をしっかりと伝えましょう。

勢いで退職する

仕事に行きたくないからといって、勢いで退職することは避けましょう。

退職や転職をする前に、なぜ仕事に行きたくないのか理由をしっかり把握することが大切です。理由を把握して、その対処法として退職や転職をするのであれば状況が改善されることも多いでしょう。しかし、理由を把握せずに感情に任せて退社すると、また同じことを繰り返す可能性があります。

退職した後の再就職も簡単ではないため、まずは、自分がなぜ仕事に行きたくないのか、どうすればその気持ちが解消するのかなどを検討することが大切です。

甘えているだけと我慢する

「仕事に行きたくないのは甘えているだけ」と、何もせず我慢することも避けましょう。仕事に行きたくないと考えるのは甘えではなく、背景には、心身の疲労が潜んでいるケースも少なくありません。

仕事に行きたくないというのは心身の発するSOSの可能性もあります。そのため、行きたくないという心の声を無視しないようにしましょう。

我慢をしてただ耐えるのではなく、次で紹介するような対処法に取り組むことがおすすめです。

仕事に行きたくないと感じた場合の対処法

仕事に行きたくないと感じた場合の対処法について解説します。効果のありそうなもの、取り組みやすいものを見つけて対応してみましょう。

規則正しい生活を心がける

仕事に行きたくないときの対処法の1つは、規則正しい生活を心がけることです。

夜更かしをしたり、休日に寝だめをしていたりしていると、生活リズムが狂い、身体の不調を招きかねません。結果として、朝起きられない、朝から体がだるい、寝不足でしんどいといった状態に陥ってしまい、仕事に行きたくないと考えてしまうこともあるでしょう。

生活リズムを取り戻すために、夜更かしはせず、朝はしっかり太陽の光を浴びるといった早寝早起きを心がけましょう。また、食事の時間が不規則な場合も、朝、昼、晩のタイミングできちんと取るようにすることで、生活リズムを整えやすくなります。

仕事への考え方を変える

仕事にやりがいを感じられない、業務に自信がないといった理由で仕事にいきたくない場合には、仕事への考え方を変えることが役立ちます。

仕事にやりがいを感じられないときは、自分なりの目標を立ててみたり、やり方を変えてみたりするとよいでしょう。あるいは仕事以外の時間を充実させたり、休みを取ったりすることで、仕事から距離を置いてみるのもよいでしょう。気持ちを切り替えて仕事に取り組めるようになるかもしれません。

業務に自信がないときも、失敗やうまくいかないことにばかり目を向けず、自分なりに達成できたこと、自分なりの強みに目を向けるなど考え方を変えることがおすすめです。

上司や同僚、相談窓口に相談する

上司や同僚、相談窓口など、誰かに相談することも対処法としておすすめです。

業務上のことが問題で仕事に行きたくないようであれば、信頼できる上司や同僚に話すことで、問題が整理できたり解決できたりする場合もあります。業務量が多くてしんどい、顧客やスタッフとの人間関係がつらいといった場合には相談してみましょう。

また上司や同僚など会社の人に相談しにくい場合は、外部の相談窓口を活用することもおすすめです。例えば下記のような相談窓口があります。

働く人の「こころの耳電話相談」

「こころの耳電話相談」は、働く人やその家族、企業の人事労務担当者が利用可能な電話相談窓口です。メンタルヘルス不調やストレスチェックなどについての悩みなどを相談できます。厚生労働省から委託された民間機関が運営しています。

部署の異動を願い出る

部署を異動することも、仕事に行きたくないといった場合の対処法の1つです。

職場の人間関係や職場の雰囲気に馴染めない、業務が合わないといった場合には、部署を変わることで、問題のある職場環境や業務から離れることができます。

ただし、部署異動をするには、まず部署異動の希望を会社に伝えなければなりません。さらには、部署異動は希望したからといって必ずしも異動できるとは限りません。部署異動を希望する理由が「今の部署が嫌だから」では、なかなか通りにくいでしょう。部署異動の希望を伝えるときは、希望する部署でいかに自分が活躍できるかを伝えましょう。

休暇や休職を検討する

休暇や休職を検討して仕事から離れてみることも、対処法として有効です。

休暇や休職を取ると、ストレスの原因となっていた仕事から離れられるだけでなく、身体や心を休めることができ、リフレッシュできます。休暇や休職で気力や体力を十分に溜めてから復帰すると、新鮮な気持ちで仕事に向き合えるでしょう。場合によっては、以前は心身が疲れていたから仕事が嫌になっていたのだと気付けることもあるかもしれません。

休暇や休職を経て冷静に仕事を見ても、自分に合わない、続けることがつらいと思った場合には、転職や離職も視野に入れて考えてみてもよいでしょう。

転職を検討する

仕事に行きたくないという思いが強い場合は、転職も選択肢の1つです。

心身を休めて改めて仕事のことを考えても、続けたくない、やりがいを感じない、馴染めないといった場合には、仕事や職場が自分にあっていない可能性があります。その場合は、自分にあった転職先を探してみましょう。

自分にあった転職先が見つかればよいですし、必ずしも理想の転職先が見つからなくても問題はありません。転職活動の経験を経て、元の職場のよさを発見し、仕事に行きたくないという思いを解消できることもあります。転職活動をすることで視野を広げることもおすすめです。

休職や転職を考えたほうがよい症状

仕事に行きたくないという場合、休職や転職を考えた方がよい症状というものもあります。

例えば下記のような症状です。

  • 急に涙がでる
  • 常に不安を感じる
  • 眠れない

上記の症状は、自分ではコントロールのできない強いストレス反応といえます。例えば、急に流れる涙は、ストレスにより交感神経が優位となっている状態を副交感神経優位の状態にするためといわれます。帰宅してもずっと仕事のことを考えて不安になるというのも、精神的に負荷がかかっている状態といえるでしょう。眠れないのもストレスからくる不眠症の可能性があります。

知らないうちに無理をしすぎている状態といえるため、休職や転職を考えるなどして、今の仕事から離れるのがよいでしょう。

転職するときは就労移行支援の利用も検討してみよう

転職するときは、就労移行支援の利用も検討してみましょう。

就労移行支援とは、一般企業などへの転職・就職を希望する障害者が利用できる就労支援サービスです。障害福祉サービスの一つで、身近にある就労移行支援事業所に通ってサービスを受けられます。

具体的には下記のような支援を受けることが可能です。

【就労移行支援の内容】

  • 職業訓練(事業所内作業、企業実習、講習など)
  • 就活支援(求人選定、選考フォローなど)
  • 定着支援(職場訪問など)

企業に就職する前に、就労に必要なスキルやマナーを身に着けるための実習や講習などが受けられるほか、障害の特性にあった求人の選定などを受けることができます。一般企業に就職した後も、職場に定着できるようにフォローもしてもらえます。

仕事に行きたくない理由にあわせた対処が重要

仕事に行きたくないというのは必ずしも甘えというわけではありません。甘えだと考えて、仕事に行きたくないという気持ちを無視すると、心身の不調を招くなど事態が悪化するため避けましょう。仕事に行きたくない場合は、理由に合わせた対処法をとることが大切です。

規則正しい生活を心がける、仕事への考え方を変えるなどといった対処をするようにしましょう。急に涙が出る、常に不安な状態が続く、眠れないといった心身の不調が続く場合には、休職や転職を考えた方がよいでしょう。

転職においては、就労移行支援の利用を検討することもおすすめです。就労移行支援については、Kaienにお気軽にご相談下さい。

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